第22話.街道殺し
誤字・脱字にはご容赦下さい
●22.街道殺し
「どういうこった!」
男は怒鳴った。
不機嫌極まりない様子
この男はケリージョーンズ、通称ロードキル=ケリーと呼ばれている。
この男は盗賊家業を生業としている
大柄で凶悪な人相しており、粗暴。
強欲という亡霊に取りつかれたような男で
その目は猛禽類のように常に次の獲物を狙っている。
街道殺し=ロードキルと言われるのはこの辺境の街道一帯を縄張りにするのが所以である。
街道を通る商隊を襲い、奪い、殺す。
その手口の過激さと残忍さでここ一帯の盗賊の頭として成り上がった。
今はラサンの街から少し離れた所にある開拓村にある小さな隠れアジトにいた。
「・・・・・・・・・・」
「くそったれが・・・・・。グレッグのやつが捕まったのは本当か?」
ケリーは部下に尋ねた。
「そのようです。」
「まずいな・・・・。」
ケリーは少し考えて
「んで、グレッグをやったのはどんなヤツだったんだ?」
「風変わりな格好をした飛び切り腕の立つ流れ者の魔道士らしいです。
ベンジャミンの野郎が・・・・・。」
「おいおい。お得意様の街の保安官様だろう。好きにさせときゃいいさ。ふん。まぁ問題ねぇよ。そいつは魔道士か。あと、グレッグの奴は出してやって口封じに殺しとけ。まぁ運の悪い奴だったな。」
ケリーは手元あった酒瓶からそのまま酒をあおった。
「それで領主はどうしてる?到着はいつだ?」
「聞いたところ兵士を今日の昼に出したそうです。到着はニ日後です」
「そうか。今回はまぁ早いほうだな。あのジジイめ・・・・・早速嗅ぎつけやがったのか。
あの野郎にも今後は注意しねえぇとな。」
「んで例のモノは見つかったってのは本当なのか?」
「へい。連絡が入りました。準備も出来てるそうで」
「いい仕事するじゃねぇか、こっちの手間も省けた。
んじゃ、街に連絡を入れろ。明日だ。奴らに出し抜かれるまえにやるぞ。」
「へい」
国の中央の政治は腐敗し、すでに汚職にまみれいた。
ここには力のある領主すらいなかった。
そんな中、この近隣一帯で大きな金鉱が発見された。
今まで王国辺境の荒れ地で誰にも見向きもされなかったそんな地域。
貴族、役人、ならず者達は我もが先にと醜くこぞってこの地へやって来て奪い合った。
法律より金の力の方が圧倒的に強かった。
やがてこの地帯の利権を争って多くの紛争が勃発する。
この男はそんな強欲に憑りつかれた中央の貴族の一人に仕えていたが、やがて、自分も野望を抱いて盗賊となった。
この荒地に金はいくらでも生まれる、この男は真っ先にその獲物を嗅ぎつけた。
法律が無くても治安なんて悪くても金を求めて人はどんどんやって来る。
力があれば法律などあった所で守る必要はない。
力なき者はあるもの殺され奪われるだけだからだ。
ゴールドラッシュ。
人は殺しても殺されても、この地にはそれ以上に泡沫の夢を目指して人が沸いて来る。
有難うございます




