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公式対人イベント開始前。

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 雪之丞(ゆきのじょう)が帰って来たので、早速イベントの事を説明する。

 一応俺達はサポートと言う形を取るつもりなので、向こうで指示を貰って行動する。

 俺達は五人でパーティーを組んで、メアのレイドに参加する。

 ニースが居た場合は、強すぎるし五人までだからと言う理由で待機して貰うつもりだったが、都合の良い事に、ニースは用事が出来たらしく、今日一日はスカイサン・ドナートへ帰っているみたいだ。



 と言う訳で、ニースが居たら出来なかったが、新しく手に入れたアバターをお披露目する。

 雪之丞(ゆきのじょう)の目が真ん丸になって、大粒の涙を零した。



 「伐折羅(ばじゃら)様復活! 万歳!」



 雪之丞(ゆきのじょう)が声を張り上げてそう言うと、ひょん太郎達もそれに続いて同じように「伐折羅(ばじゃら)様復活! 万歳!」と声を揃えて大声を出す。

 昔に戻ったみたいでちょっとテンション上がるな!

 以前やっていたゲームだと、突発的に狂信者みたいにこういう事を全体チャットで叫び始めるんだよな。



 特に雪之丞(ゆきのじょう)に関してはガチで頭がおかしい奴だと俺は思っていた。

 いや、頭おかしいか。

 リアルで俺を特定して部屋の隣にいつの間にか住んでるくらいだからな。



 しかも、俺の記憶だとお隣さんと会った事はあるが、挨拶して会釈したくらいしか記憶にねえしな……

 まあ、そんな事はどうでもいい。



 「雪之丞(ゆきのじょう)、残念な事があるんだが、俺は伐折羅(ばじゃら)では無い。

  伐折羅(ばじゃら)と言う名前を付けようとしたら、誰かに使われていたのでバサラにした。

  まあ、この名前を呼ぶ必要も無いからいつも通り、御屋形(おやかた)かリリちゃんって呼んでくれ」

 「御屋形様(おやかたさま)、しばらくの間ニースさんの面倒を他の誰かに交代する事って出来るっすか?」



 ショコラに任せると、俺も着いて行かなきゃならなくなりそうだし、バタカフェなら大丈夫か。



 「バタカフェが良いなら、大丈夫だが」

 「私は大丈夫。

  ニースが帰って来たらしばらく私の部屋に来るように伝えておく」

 「ありがとうっす!

  それじゃあ、イベントが終わったら野暮用に出掛けて来るので、しばらく開けるっすね!」



 「ん?

  何をするつもりなんだ?」

 「野暮用っすよ」



 ん?

 なんか、目を見開いてて怖えな。

 多分伐折羅(ばじゃら)って名前のプレイヤー見つけて、なんかするつもりなんだろうな……

 特に何か出来る事も無いだろうし、好きにさせておくか。



 それじゃあ、メアのいる隠神(いぬがみ)の国へ向かおう。

 

 

 それぞれのペットに乗って西治帝国領(さいじていこくりょう)へと向かう。

 俺は騎乗用のペットは無いので、フェニックスに乗せて貰う。

 闇皇帝の時はフェニックスに嫌がられたが、魔王は乗せてくれるんだな。

 性別で判断しているのか、体型で判断しているのか分からねえが、乗せてくれるならこのまま行こう。



 雪之丞(ゆきのじょう)が「よーいドン」なんて言い出すから、全員一気に加速してスピードを競い合う!



 スタートの時点ではショコラのメロンがぶっちぎってるが、あっという間にその後を追っていた雪之丞(ゆきのじょう)が抜き去っていってしまった……

 あいつ鷹を使わないで普通に走ってたんだが?



 あの抜き方だと、時速三百キロを超えている。

 それを考えるとあいつを捕まえた隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)ってどんだけ足早いんだよって話だな。



 フェニックスのカプチーノは地形を無視できるので、徐々にショコラのメロンに追いついて行く。

 ひょん太郎の大百足(おおむかで)のコンソメは一番遅いな。

 あれでも十分早いと思うんだが、他が早すぎる。

 


 結局順位は変わらず一西(いちにし)の国へは、雪之丞(ゆきのじょう)、ショコラ、バタカフェと俺、ひょん太郎の順番で辿り着いた。

 カプチーノとメロンは接戦だったが、ラストスパートでメロンが辛うじて早く辿り着いた感じだ。



 隠神(いぬがみ)の国までは、いつも通り空無河童(くうむかっぱ)を使い、メアのいる城へと向かった。

 城主のいる部屋に辿り着くと、メア達が待っていた。



 二十人くらいのPKプレイヤー達が集まっている。



 「よく来てくれた友よ……誰だお前は?」



 挨拶してくれたと思ったらいきなり誰だと言い出し、全員が武器を構える。

 そういや、この姿は見た事ねえよな。

 闇皇帝の姿へと変身すると「誰かと思ったぞ、友よ」と理解してくれたので、再び魔王の姿に戻る。



 「俺達の狙っているのは、アンメルンの北にある塔だ。

  ここの報酬が一番いい物だと思う」

 「対人用の武器の素材が手に入るんだったか?

  大手ギルドもここを狙って来るだろうし、防衛もあるからきつくねえか?」



 「大丈夫だ。

  俺は友を信じる」

 「防衛も参加させるつもりか?

  まあ、空いてたら手伝ってやるよ」



 「決まりだな。

  それじゃあ、パーティーを組む」

 


 俺達はメアの組んだパーティーとレイドを組んだので、これで協力関係になる事が出来る。

 イベントは時間になるとパーティーリーダーが場所を選択して、自動で目的の塔まで飛ぶことが出来るので時間まで待機だ。



 指揮に関しては、数人得意な奴がいるらしいので任せておいて問題ねえみてえだな。

 メアは指揮をせずに敵陣に突っ込むつもりでいるらしい。



 一応俺達は全力を出さずに、ショコラもプレイヤーに見られていない神霊で手加減しろと伝えてある。

 バタカフェもフェニックスには乗らずに歩いて攻めさせ、ひょん太郎にも切り札は使うなと指示した。



 時間になったので、移動が始まる。

 瞬時に移動する訳じゃなく、足元に渦が出来てそこへ吸い込まれていくと目的地に辿り着いた。

 周りを見ると、数千人のプレイヤーがどんどんワープしてくる。



 この人数を相手に塔を奪うのか……

 上位のプレイヤー達はLv150を超えているだろうし、人数的にちょっと無謀だな。

 メアのギルドが大きくなれば、防衛は楽になって来るだろうし、状況次第で一発かましても良いかもしれねえな。



 【号令】のスキルで、他の奴等に聞こえない様にその事だけ伝えて置く。



 そして、脳内に響くアナウンスによってカウントダウンが始まった。

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