久しぶりの我が家。
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ロンティオールに着くまでに俺は一つだけ魔王のダンジョンをカルトリア周辺に設置した。
プレイヤーに死んでもらわないとカオスポイントが貯まらないので、初心者の多い地域で無難に攻めてみた。
驚いた事にダンジョンの中を自由に見渡せる。
これなら態々現地まで行って確かめなくてもいいな。
そして、ダンジョンの規模によって中ボスとボスを配置しないといけない。
ボスはどれだけ大きなダンジョンでも一体で、中ボスは規模によって必要な数が増える。
こいつらを配置しない事にはダンジョンとして完成はしないんだが、こいつ等さえ配置してしまえばその周辺地域の適正モンスターが勝手に湧く感じになっている。
中ボスとボスの属性などで湧いて来るモンスターの属性なんかも決まって来るみたいだ。
このシステムなら馬鹿な事をしない限り、食いっぱぐれる事は無いな。
カオスポイントを溜まったら色々な場所に設置していってやろう。
魔王で今できる事はこれくらいか。
もうすぐ辿り着くが、ロンティオールでは今、災厄イベントが始まっちまっている。
大した事は無いと思うが、どんな災厄なのかは街に行かなきゃわからねえ。
忘れねえうちに聖女へと戻っておくか。
「魔王様は素晴らしい力を持っているんだね。
とりあえず新しい人生をスタートした僕に新しい名前をくれないかな?
それと、君は人間社会に潜んでいるみたいだし、魔王様と呼ぶのはあまり好ましく無いと思うんだ。
それなら僕が君をどう呼べばいいのかも教えてくれると助かるかな」
「呼び方は何でも良いが、決めて欲しいならそうだな。
“我が君”とかでいいんじゃないか?
名前かアニマ・アルバグランデなんてどうだ?」
「麗しき我が君、素晴らしい響きの名を与えてくれてありがとう。
格好良くて強そうな名前だね。
どんな意味の言葉なんだい?」
「偉大なる魂の解放者って意味合いの言葉だ」
「うん、僕に相応しい名前だ。
ありがとう」
これからはアニマと呼んでやろう。
街が見えてきたけどもう夕方か、明日の朝には西治大帝国の城に戻りたいし、ロンティオールで休まずに夜のうちに砂漠を渡っちまうか。
ロンティオールの街に辿り着いた俺達は街の状況を確認する。
見た感じなんの厄災なのか分からねえな。
とりあえず神父に確認するか。
ついでにリーグラウの苗を育てる栽培士とそれを薬にする薬師も配置して、リーグラウの苗も手渡した。
聖堂に入り、神父に話を聞く。
「この街で何か起こっていないか?」
「聖女様、お戻りになられたのですね。
御心配には及びません。
元々あった全ての井戸の水が汚染されてしまった用ですが、聖女様のお作りになった井戸だけは汚染されずに残ってくれたので、少し腹を痛めた者がいるだけで済みました。
あの井戸が無ければ深刻な被害を出していた事でしょう」
事前に水の用意をしておいて良かった。
この分だとリーグラウの苗が育てば病気系の厄災にも対応出来るな。
街が無事だと言う事なので、西治大帝国へ向けてロンティオールを出発する。
一応戦闘用の支配者も手に入った事だし、魔眼の書を使っておくか。
もし、俺が指揮系統の支配者にしかなれなかったら他の奴に使って貰うつもりで置いていたんだが、使っちまおう。
それに、ニースに聞けば何処で手に入るのかもわかるし、勿体ぶる必要も無かったな。
魔眼の書に目を通すと、誘惑の魔眼を手に入れた。
状態異常系は対策もされると思うしハズレだな。
しかし、対象から対象に対して、誘惑の効果を使えるので、色々と使い道はありそうだな。
魅了と同じような効果もあるし、汎用性は高い。
日が沈んで暗くなって来たな。
一気に空気が冷えて来た気がする。
冷え込まない内に対策を取っておくか。
俺は沢山服を着こんでいる、闇皇帝へと変身する。
この姿になるのは久しぶりだな。
この姿になると急に腹が減り始める。
城へ辿り着いたらまずは食事にするか。
「寒ーい! 寒い寒い寒ーい!
風が痛いし、このままじゃ凍えちゃうよう!」
「うるせえ!
また神霊を召喚してスキルを使ってみたらどうだ?」
「出てこいケプリ!」
おお!
なんか空気が暖かくなって来たな。
後ろを見ると、金色に光る大きな虫が俺達を見送ってくれている。
心なしか寂しそうに見えるが、気にする必要はないだろう。
ケプリって確か顔がスカラベの男性だったと思うんだが、思いっきりスカラベそのものだったな。
メロンは夜の方が調子が良いのか、昼間よりもスピードに乗っている。
それでも真夜中になってしまったが、何とか砂漠を抜けて西治大帝国の城へと辿り着いた。
やっぱりここは落ち着くな。
思えば他の場所はあまり手は加えていないし、居心地が悪いと言う程でもないが、長居する場所でも無いって感じなんだよな。
カルトリアの冒険者ギルドはもっと住みやすい環境を整えるべきだな。
腹が減っているので夕餉の用意を頼み、三人で食事を楽しんだ。
ショコラはアニマの事が可愛くて気に入っている様子だな。
ショコラがアニマをペット扱いをしているのが気になるが、アニマもそれでいいみたいだから大丈夫か。
満腹になったら眠たくなってきちまった。
俺は二人に「先に寝る」と言って、寝室へと向かった。




