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魔王誕生!

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 頭を撫でているのは自分の精神を落ち着かせる為だ。

 自分の過去も忘れちまってるのに、どこの誰かも分からない誰かの為にずっと訳も分からずに研究を続けていた?



 人は自分の為以外に行動出来ない。

 そんな事は常識だ。

 人だけじゃなく、動物だってそうだ。

 悪魔だって……

 こいつだって!



 「お前は何で記憶も失われたのに訳も分からず研究をしていたんだ?」

 「魔王様が復活を望んでいるからだよ。

  彼は僕の友人でもあったんだ。

  その友人はずっと、今も……

  苦しみながらでも、()い上がってこようとしている。

  だからこそ僕は魔王様の復活を望んでいる」



 「お前に何のメリットがあるんだ?」

 「そんなものはどうでもいい。

  魔王様が復活したいなら、復活してくれたらそれで満足だ。

  どうせ復活した所で英雄の封印の力はあまりにも強力で、力は殆ど失われているだろうしね」



 「それじゃあ復活させる意味は無いだろう?」

 「意味なんて無くったっていい!

  魔王様が封印から抜け出して死んでしまっても僕は構わない!

  平穏な生活を送るならそれでもいい。

  再び世界を支配しようと言うのなら喜んで手伝うさ!」



 「意味が分からん。

  お前は魔王のなんなんだ?」

 「道具さ。

  僕は魔王様の望んだ事をひたすら実行するだけのただの道具なんだよ。

  僕はずっとずっと願ってたんだ。

  道具になりたいってね。

  君に……人間なんかに僕の気持ちなんて分からないだろうさ」



 「完全なる秩序が支配した世界。

  それは幸福か?」

 「全ての生物が万能の秩序によって管理された世界って事?

  不幸にならない世界なら、僕は幸福なんだと思うよ。

  その世界が気に食わないのは、幸福な奴等だけだからさ!」



 「お前が道具になりたいって思ったのは、正しい誰かに使って欲しかったって事か?」

 「……君は、僕の事を理解してくれるの?」



 「下らねえ事考えんなよ。

  自分の為に生きて、自分勝手に死にやがれ。

  俺が辿り着いた答えはそれだ」

 「魔王様と同じ事を言うんだね君は。

  ビックリしちゃった。

  君になら……うん、いいよ。

  その箱を空けてくれ。

  きっと僕の大切な物は君の為になると思うから」



 箱を空けると中から光が溢れ出て来た。

 箱の中には何も無い……



 「何も入ってないんだが?」

 「入っていたよ。

  その箱に何が入っていたのか思い出したよ。

  そこにはね、希望が入っていたんだ」



 本当にパンドラの箱だったのか?

 いや、そんな訳ねえな。

 こいつにとっての希望って事か?



 「希望?」

 「そう、僕も魔王様もまだ小さな頃にね、そこに二人で希望を仕舞(しま)って大切に持っていたんだ。

  この世の全てに絶望しないようにってね」



 「結局どんなものなんだ?」

 「全くなんの意味もないものだよ。

  ただ、僕と魔王様にとっては……とても大切なメッセージなんだよ。

  もう一度、最初の一歩からやり直せって。

  あーあ、どうしようか。

  いきなりピンチじゃないか。

  君、僕と交渉するつもりは無いかい?」



 「言ってみろ」

 「僕を下僕にして、君が魔王様になってくれないか?」



 「今までの魔王の事はどうするんだよ?」

 「勿論助けるつもりさ。

  友人としてね」



 「断ったらどうするつもりなんだ?」

 「なんでもするさ。

  僕が生きている限りずっと耳元で悪魔のささやきを送りつける。

  それが嫌なら僕を殺せばいいよ。

  覚悟は出来ている」



 ん?

 どうやら支配者として認められた様だな。

 新しく魔王種になれる。

 だが、種族は魔王種なんだが、その魔王種にも色々あるし、職業も色々ある。

 とりあえず、俺は元魔皇帝ビビッドデーモンの縄を解いてやった。



 俺はこのゲームを楽しむ為にプレイしている。

 だから、魔王になれるんだったら魔王にだってなってやるさ。



 「下僕よ、今からお前は俺の道具だ。

  俺は新たな魔王となる。

  最初の命令だ。

  精一杯楽しめ」

 「それじゃあ精一杯楽しませて貰うよ。

  よろしくね、魔王様」



 と言う訳で俺は魔王になるんだが、ショコラとの約束だし戦闘に特化したタイプと言う条件はつけるが、どんなキャラクターにするのか決めさせてやる。



 「魔王様かぁ……

  戦闘に特化したタイプでぇ♪

  ショコラの好みぃ……

  伐折羅(ばじゃら)復活とかどうかな?」

 「大鎌を持ったアサシンか?

  前衛に出て戦えるタイプが良かったが、アサシン系で火力特化も強いな……

  俺は構わないが、それでいいのか?」



 「いいよぅ♪

  流石に魔王でショコラの妹とか弟はきついしね♪」

 「……確かに、種族的に無理があるな」


 

 俺はショコラのリクエスト通り、以前プレイしていたMMORPGの伐折羅(ばじゃら)と言うキャラをイメージしてキャラメイクしていく。

 種族は死神にするか迷ったが、当時の俺はヴァンパイアがドクロの仮面を被って大鎌を武器に戦ってたんだよな。

 それなら、ヴァンパイア系統のノーライフキングを選べたので、種族はこれにする。



 そして、大鎌を装備出来る職業はソウルリーパーがあるな。

 これで作ってみるか。

 一応名前も伐折羅(バジャラ)に変えておくか。



 ん?

 既に誰かに名前使われてんだけど?

 仕方ないそれじゃあバサラにしとくか。



 キャラメイクしてるんだが、女しか選べないのはなんでだ?

 まあ、どうせ仮面被るし別にいいか。

 どうせなら思いっきり美人に作ってやろう。

 ただし、胸は小さめだ。

 激しい戦闘をする時には邪魔になるしな。



 これでよし、それじゃあ早速魔王になって、オリジナルで作った仮面も被って完成だ!

 んー……武器と防具は新調(しんちょう)しないといけないな。



 「どうだ?

  ショコラ」

 「すごーい♪

  あの頃は画質も良く無かったけど、目の前で見れるとカッコイイ♪

  雪ちゃんすっごく喜ぶと思うよぅ♪」



 ショコラも満足してくれたし、あわよくば雪之丞(ゆきのじょう)も喜んでくれるかもしれねえ。

 とりあえず、魔王の仕事がどんなもんか見てみるか……

 ふむふむ。

 魔王には国の縛りとか無いみたいだな。

 


 経験値を得るにはダンジョン内で戦闘が起きれば得られるみたいで、プレイヤーを殺すとカオスポイントが入って来る。

 NPCは立ち入れない様になってるみたいだな。

 カオスポイントが貯まると、ダンジョンを改造出来たり魔王にしか作れないアイテムや装備を作ったりも出来る。



 そして、カオスポイトは他の名声ポイントや金での交換は出来ない。

 これ地味にきついな。

 でも、それだけ魔王は強力な力を持っているって考えると悪くねえ。



 ダンジョンには即死トラップなんかも設置して稼ぎたいし、難易度は適正な感じでクリアできる奴等にはクリアさせる。



 作ったら見て周るつもりだし、時間もあまりないのでリオフレッドの国にはもう用は無い。

 よし、帰還しよう!

 元魔皇帝ビビッドデーモンも一緒につれて、俺達はロンティオールへ向けて出発した。

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