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天空の国スカイサン・ドナート

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 ホルスがワープすると馬鹿でかい建造物が目の前に広がる!?

 天空の国ってくらいだから運営も力を入れてるとは思っていたが、凄いなこれは……

 外壁は金属の様な光沢を放つ細長い柱がいくつも立っていて、その細い柱の先っぽだけでも普通の家くらいの大きさがある。



 外壁だけ見てもこんなもんどうやって攻略するんだよと言った感じだが、中はどうなってるんだ?

 外壁の中央に書かれている魔法陣が光、ホルスはそこへ向かっている。

 入り口は専用のゲートを通っていくんだな。



 これだけ見ても外部からの侵入はまず無理だな。

 かといってこの何処まで高く昇れば辿り着けるのかもわからねえ国へ兵器を使った攻撃なんて届くわけもねえし、地上の国全てを制覇したくらいじゃこの国は落とせそうにないぞ?



 ワープのエフェクトが消えると外壁の中の様子がみえるんだが、建物が巨大すぎて何があるのかわからねえな。

 国全体が巨大な城って感じで、いくつもの巨大な塔が立っている。

 住人は全部城の中にいるんだろうけど、一人も外には出ていないのか。



 ホルスが高度を落として、建造物の扉の前へと降り立つ。



 地に足を付けるとここの建物の巨大さが尚更際立(きわだ)つな。

 ニースが建物の門に近づくと自動で扉が開かれて俺達は中へと入る。



 物凄く天井が高いが、中は結構普通の廊下って感じだな。

 壁はなんか光沢のある白い石って感じで、床はピカピカの石の上に赤い絨毯が()かれている。



 しばらく進むと、廊下に丸い球体を浮かべて居る良く分からない装置が見える。

 ギルドにあるクエストスフィアに似ているが、それよりは小さい。

 ニースの話しによるとこれは転移装置で、この国の人間は皆これを使って好きな場所へと移動する。



 ニースが球体に触れると、周囲が明るくなって光が収まると景色が変わっている。

 どうやらニースの私室に着いたみたいだな。

 ニースが壁に備え付けられた真っ黒な板に触れると淡く光って、なんか独り言を呟いている。

 多分電話みたいな機能なんだろうな。



 大きなソファーがあるので、バタカフェと並んで座るとニースがじっとこっちを見ながら対面にある席に座った。

 たぶん俺達の間に座るかどうかを考えていたな……



 「今倉庫から色々と妹ちゃんに上げるもの持ってきて貰ってるから少し待っててね!」

 「色々?

  高価な物とかは受け取れない……と思うよ?」



 「大丈夫!

  沢山あるから!

  遠慮しないで持って行って!」

 「うん、わかった」



 「やったー!

  みんな私からのプレゼントって言っても受け取って貰えなかったから嬉しい!

  謙虚(けんきょ)なのはいいけど、皆にも貰えるものは貰っとけって妹ちゃんからも伝えててもらえると嬉しいな!」

 「うん、伝えておく」



 全員ニースからの物は受け取らなかったって事は、こちらの情報を探るアイテムが混じってる可能性を警戒してくれてたんだろうな。

 俺だけ素直に受け取ったらちょっと欲の強い女みたいになるじゃねえか。



 まあ、俺は貰えるもんなら全部貰う。

 一応全てのアイテムに目を通してからだけど。



 しばらくすると、部屋の中にアイテムが転送されてきた。

 誰かが運んでくるのかと思ったけど、アイテムだけ転送させたりも出来るのか。

 ニースが水晶玉みたいなのを手にとって見せてくれる。



 これはペットを特殊な進化させるアイテムで、手元には五種類ある。

 ペット一匹につき、一つだけしか使えないみたいだが、折角だからと言って全部くれた。

 効果はペットのレア度を上げて属性が着くと言うもの。

 玉の色は黒、白、金、青、赤がある。

 そして、ニースの話しでは赤なら火の属性で青なら水の属性の“可能性が高い”と教えてくれた。



 確定って訳じゃねえのか。

 ニースもそれ程試した事は無いみたいだが、配下のペットに赤い玉を使って赤いダニみたいになった奴もいるらしい。

 吸血属性って感じか?



 なんか失敗したら嫌だなぁ……

 タナトスを撫でながら顔を見ると、ママの為に強くなりたいと言ってくれている。

 なんて健気で良い子なんだろうか。

 それじゃあ迷う事はねえ!



 一番相性の良さそうな黒の玉を選ぶぜ!



 黒の玉をタナトスの額に当てると玉が吸収されていく。

 ん? 特に変化は無いな。

 でも目の色が赤紫と言うか角度によって変わる感じになっている。

 まだ赤ん坊だし、成長したらどんな属性なのかもはっきり分るようになるんだろうな。



 ニースにお礼を言うと、一つひとつ他のアイテムの説明をしてくれる。

 あれば助かる感じの便利なアイテムばかりだが、めちゃくちゃ欲しいって程の物じゃない。

 だが、三つだけ注目すべき効果のアイテムが混じっていた。



 一つは、魔眼の書。

 読むとその人間に魔眼の能力が備わる。

 どんな魔眼になるかは不明。

 一人で複数使う事は出来ない。



 ニースは既に使っていて、遠くを見通す力が備わっているらしい。

 千里眼って奴だな。

 


 二つ目はマゼンダストーン。

 これを精錬して武器を作れば神話級の武器が作れるみたいなんだが、魔法職向けの素材らしいし、これはショコラに使って貰おう。



 三つ目はミナティスの栄光と言うセット装備の一部で、ミナティスサークレットと言う頭に着ける装備だな。

 ミナティスって確かカルトリアの王様が言っていた英雄の名前だよな。

 それにミナティスが沢山居る訳じゃねえし、この世界で同じ物は生成されないかもしれねえ。



 セット装備だし、他の奴等に揃えさせるくらいなら俺が一つでも保管していた方が良さそうだ。

 ニースに本当に良いのか聞くと、集める手間のあるセット装備には興味が無いらしく、新しいのが出たらまた譲ってくれると言ってくれた。



 もう一度お礼を言って貰ったアイテムはバタカフェのフェニックスに持って貰った。

 貰うものも頂いたし、地上に帰りたいんだが、アイテムだけ貰ってすぐ帰る訳にもいかねえか。

 ニースにこの国の観光を頼み、グルっと国を案内してもらう。



 ニースの国の事を(まと)めると、五つの区画があり、区画ごとに共存出来る種族で集まり自由に生活している。

 住んでいる種族は100種類以上いるらしく、ニースも全部は把握しきれていないらしい。



 中には庭園なんかもあって、太陽光を取り入れる装置なんかもある。

 広い場所には森や川まであった。

 全部あの城みたいな建造物の中にあるのが凄い。

 まるで城の中に別の世界があるみたいだった。


 

 半分も回らない内に日が沈んで来たので、ニースにホルスで送って貰い、カルトリアまで帰って来た。

 スカイサン・ドナートのでかい建造物を見た後だと、カルトリアが貧相に見えるな。


 

 地上に降りた俺とバタカフェは、歩いて冒険者ギルドに向かうと、ニースも着いて来る。 

 いい加減帰って欲しいんだが、どうしたものか。

 顔見たらめっちゃご機嫌だし、こいつは不快感とか無いんだろうな。



 俺は正直うんざりしている。

 しかし邪険にする訳にもいかなねえしな。

 


 「ニースは、帰らなくてもいいの?」

 「えぇ……帰った方が、ぃいかな?」



 あっ……

 声が凄く震えてる。

 多分誰かに同じセリフを言われた事があるんだろうな。

 その後の展開は……考えたくねえな。



 「ううん、配下のNPC達が心配しちゃうと……思うよ?」

 「心配してると思うけど大丈夫!

  私王様だから!」



 「それじゃあ、ちゃんとNPC達には定期的に連絡して上げて。

  あと、こっちにずっといるつもりならちゃんと部屋とかも用意するから……ね?」

 「一緒にいてくれるの!?

  ありがとう!

  妹ちゃん大好き!」



 これじゃ西治帝国(さいじていこく)には帰れねえな。

 他の奴等も雪之丞(ゆきのじょう)以外は偵察って感じはしないし、怪しまれる可能性がある。

 と言う訳で、俺達は一時的にカルトリアへ移住する。



 忍者を呼び出す訳にはいかないので、【号令】を使って近くの忍者にその事を他の奴等に伝えさせる。

 西治帝国領(さいじていこくりょう)の事は大将軍の中井義経(なかいよしつね)に任せて置けば問題無いだろう。



 冒険者ギルドに変えるとメイドサキュバス達が出迎えてくれる。

 心なしか受付嬢の顔もほっこりしているな。

 とりあえず全員が住む部屋を作らなきゃいけねえな。



 ギルドは拡張出来るので、最大まで拡張して、後は空いてる部屋を好きに使わせるか。

 執務室でバタカフェに仕事をする振りをさせながら待っていると、久しぶりに西治一派(さいじいっぱ)のプレイヤー全員が揃った。

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