思わぬ同行者。
ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!
卵も持ったし、懐に入れて置けば温まって孵化するかな?
城の庭にバタカフェを見つけたので声を掛ける。
「バタカフェ、出掛けるぞ」
「ラジャダ。
何処へ向かう?」
「東に行った先に砂漠の国ロンティオールがある。
お前のフェニックスに乗せて行ってくれ」
バタカフェがフェニックスを呼び出すと何故か二人乗りを嫌がる。
「カプチーノがGMを乗せるのを嫌がっている。
なんとかならない?」
「俺の何を嫌がっているんだ?」
「……見た目」
「…………」
この鳥公め……
カプチーノって名前なのか。
散々トカゲ状態のバタカフェ乗せてたってのに、俺の見た目が気に入らねえのか。
仕方ねえ。
バタ影になるか。
ギルド長アバターになると、すんなりフェニックスは背中に乗せてくれる。
バタカフェも話には聞いていたはずだが、初めてバタ影バージョンの俺を見て少し驚いていた。
カプチーノが羽ばたくと、いっきにロンティオールのある東の空へと飛び立つ!
結構乗る場所が狭いなぁ。
フェニックスはかなり大きいんだが、翼の部分を除くとショコラのペットのメロンよりも小さい。
カプチーノの速度は空を飛んでいるせいで良く分からねえけど、間違いなく早い事だけは確かだ。
空を飛んでいるのは気持ちが良い。
空気抵抗とかでやべえ事になるんじゃないかと思っていたが、軽く風が靡くだけでそれ程でもねえな。
「これどれくらいの速度が出ているんだ?」
「上昇する時は時速で100キロくらい。
下降する時なら400キロを越えられるけど、その分高さが必要。
真っ直ぐ飛ぶだけなら250キロくらい。
スキルを使った本気の急降下なら音速を越える」
「そうか、急降下は止めてくれ」
ん?
なんか後ろから飛んで来るんだが!?
こっちの速度よりも早い!
俺はポンポンとバタカフェの肩を叩き、それを知らせると追って来るのはニースの様だ。
不味いな。
あいつ絶対声かけて来るし、なんだあの馬……
足が光り輝いて炎の車輪が付いているんだが?
そんな事より、本当に不味い。
バタカフェそっくりな俺が何なのか伝えるのはリスクがあるだろう……
とりあえず、双子の姉妹って事で押し通そう。
「カフェタソーーー」と叫びながらニースが追い付いて来やがった。
こっちの世界で会ってみると良く分かる。
なんか光る装備をしているし、明らかに俺よりも優遇されてそうだ。
必要以上に警戒するのも馬鹿らしいが、真正面から戦った時点で敗北するくらいには思っておこう。
「カフェタソが二人!?
どういう事!?」
「「双子の」」
予めバタカフェと打ち合わせていたから被っちまったな。
まあ、双子っぽくていいか。
俺が率先して話さない方が良いと思うし、バタカフェの背中に顔を埋めて話を進める様に促す。
「双子の妹。
一緒に初めて支配者となった私の影武者をして貰っている。
戦闘能力は私に比べると低め。
名前はバ夕カフェ。
タの部分が夕陽の夕」
「双子ちゃん!?
挟まれたい!
ヘイ! カワイ子ちゃん達! 一旦地上に降りて私のホルスに跨りなよ!」
こいつテンション高けえな!
しかも一緒に着いてくるつもりか?
ボロは出したくねえし、領地を奪いに行く所だから今は一緒に行きたくねえんだけどな……
「妹は超人見知り。
ニースは強いプレイヤーだし怖がってるから、今度ゆっくり出来る時に改めて紹介する」
「怖がらせちゃった!?
ごめんね妹ちゃん!
お姉さん怖く無いから、着いて行っていいかしら?」
ライバルと接触するのもいい機会なんだけどな……
あんまり拒絶すると次に会いづらくなるし、今日は偵察程度に止めて支配者をゲットするのは今度にしておくか。
バタカフェに耳打ちして今後の行動の指示を出す。
「分かった。
それじゃあ、一旦地上に降りてホルスに乗せて貰う。
目的地はロンティオール。
支配者が不在の場所と思うから偵察しに行きたい」
「なるほどね!
もし敵が現れたら私がちょちょいのちょいでやっつけるから、カフェタソは妹ちゃんを守って!」
地上に降りた俺達はホルスに跨る。
一番前がバタカフェで真ん中のニースが手綱を持ち、その後ろに俺が乗っている。
本当に挟まれるのかよ……
欲望の塊みてえな奴だな。
見た目は褐色の肌に顔は少し童顔に見えるが、胸がやたらでかい……
服装は腰巻とブラだけって感じで、あと腕に籠手みたいなのを付けている。
他にも装飾品とか付けていて、エジプト神話っぽいイメージだな。
と言うか、ニースもホルスもエジプト神話か。
全員ホルスに跨ったので、ニースが走らせる。
全然揺れないし、風も完全にシャットアウトしてやがる。
それに、なんか見えない力で腰の辺りをホルスが支えてくれているみたいだし、普通にこのまま立っても落ちる事は無さそうだな。
ん?
直線的な移動を始めると、景色が変わってワープ空間のエフェクトが!?
こいつ自由にワープ出来んのかよ……
あっと言う間に砂漠の中央にあるロンティオールに着いちまった……
空から人が下りてもロンティオールの人達が驚いてしまうと言う事で、近くで下りて歩いて向おうとバタカフェが提案したので、その通りにする。
歩きずれえ……
三人で腕を組んで歩かされているんだが、当然真ん中はニースだ。
バタカフェのフェニックス効果で暑くはないが、砂漠の砂に足を取られるから歩きずらい。
くそっ!
真ん中のニースがこっち見たりあっち向いたりで、その度に可愛いと言って一言二言話しかけてきやがる。
「この前の話し考えてくれた?」
ん?
バタカフェや雪之丞から何か約束したりってのは聞いていないな。
何かあんのか?
「その場で答えた通り、断る。
ゲームの中とは言え、流石に結婚は無理」
ニースの本命ってショコラだろ?
バタカフェにアプローチしてるって事は推しが変わったのか?
「でもでもでも、一人くらいは心変わりしたかもしれないじゃない!
そうだ!
妹ちゃんは私と結婚してくれないかな?」
「えっ……?」
何だこいつ!
言動的に全員と結婚するつもりなのか?
本当に欲望の塊みたいな奴だな!
「妹が引いている。
ひょん太郎で我慢して」
「ひょん太郎ちゃんはちょっと違うのよね!
可愛い子がいいのよ!
カフェタソとか、妹ちゃんみたいな!」
いちいちスキンシップが激しい奴だな!
なんで俺男なのに胸揉まれてほっぺにキスされなきゃいけねえんだ……
ちょっとドキっとしただろ……
「いい加減にして欲しい。
私はいいけど妹を怖がらせないで」
なんかちょっとだけバタカフェ怒ってるな。
空気を察してニースが「ごめーん。 でも言質とったから」と言ってバタカフェのほっぺにチュッチュしてやがる。
バタカフェは……気にしてねえのか……
実はこの二人結構いくとこまでいってんじゃねえだろうな?
不安になるわ。
途中砂の中に居た蠍に刺されたが、フェニックス効果でなんとも無かったし無事にロンティオールへと辿り着いた。




