侵略計画
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朝食を終えると珍しい事に、雪之丞と忍者が同時に俺の前にサッと現れた。
「おっ彼氏か?」と声を掛けると思い切り足を踏まれた。
忍者と雪之丞で持って帰って来た報告は全部で四つ。
一つは雪之丞で、ニースとの親交を深める事に成功したと言う事。
そして、凄く良い手土産も持ち帰ってきてくれた。
なんと天空から見た地上の勢力図を書き込んだ地図。
とても助かるが、不安要素が増えたな。
何と言ってもこの地図を受け取った時に、最も注意するべき相手は西治帝国と伝えて来たらしい。
そしてカルトリアに近い事もあって、先にニースが西治帝国を滅ぼすかどうかを尋ねられたらしい。
バタカフェは上手い事言ってそれを回避してくれた様だが、問題はそれだけじゃねえんだよな。
勢力図には俺の居る西治帝国の他にもう一つ。
はっきりと勢いよく発展していっている支配者がいるらしき場所を示している。
何が問題かって言えば、それが分ると言う事は俺がこの地域をいきなり攻めたりすればニースにバレちまうって事だ。
それならそれで、やり方ってのがある訳だが……
俺とバタカフェとの繋がりまでは把握してねえみてえだし、個人を追ったりする事は出来ねえみてえだな。
何処まで細かく覗き見る事が出来るか分からねえし、今からは支配者の居なさそうな空き巣狙いだな。
しかもニースにバレねえ様に、こっそりと情報を集めて俺がギルド長になったみたいにだ。
地上の支配者が俺の他にもう一人だけと考えると、ニースのいる天空の国スカイサン・ドナートの他にあるであろう三つの未知のエリアに残り三人って感じか。
多分未知のエリアにいる奴等の方が強いと見ているし、未知のエリア全部に支配者がいるんだった面白しれぇ。
纏めると、支配者達は当初の予定では十人居たと思われる。
それなら支配者達が支配する領地が十箇所なければおかしい。
しかし、お茶会に集まったのは6人だけだった。
おそらく四人は脱落したと仮定している。
地上には合計六つの領地があり、それとは別の場所に四つある。
地上の内の二つは西治帝国とカルトリアで、俺が支配者の領地だ。
そして、もう一人の支配者の存在が露となったわけだから、残り三つの領地を俺が先に支配したい。
六人の内、三人の居場所が分った。
俺とニースともう一人の地上にある領地の支配者だ。
地上にいる支配者が二人だけなら、四つの特殊なエリアに他の支配者達がいる。
その内の一人は天空の国スカイサン・ドナートの支配者ニース。
大体こんなもんか。
ニースの視点で見れば地上には三人の支配者が見えている訳だから、未知のエリアからの侵略で三人出て来たら困るな。
未知のエリアの奴等が真っ先に狙って来るのは、分りやすい地上の領地だろうし、ニースにバレた時の対処も考えておいた方が良いな。
地上の領地も一応リストアップしておくか。
①最も西側にある国カルトリア。
②その一つ東にある西治帝国。
③西治帝国の更に東に行った大きな砂漠にある国ロンティオール。
④ロンティオールから北へ行った場所にある大きな湿地帯のヤクレイン。
⑤ヤクレインの更に北へ行った場所にある海に面した領地にアンメルン。
⑥ロンティオールの南に行った山に囲まれた場所にリオフレッドがある。
もう一人の支配者の居そうな場所はアンメルンだ。
なので、アンメルン以外の三つの国の調査から始める。
まずは砂漠の国ロンティオールからだな。
雪之丞の報告で纏めた情報はこんなもんだな。
そんで後三つの忍者が持ち帰った情報を纏める。
一つはエクスキューショナーを追っていた忍者が殺され、見失ってしまったと言う事。
これについては放って置いても良い。
あれだけ強かったんだし、それくらい出来ても不思議じゃないしな。
西治帝国内にいるならそのうちまた見つかるだろうし、エクスキューショナーは元の仕事に戻るだろう。
二つ目はグレード4のIDの攻略に成功した事だ。
今の所素材は出ずに、セット装備アイテムのドロップを確認している。
他には一つだけペットだと思われる卵をドロップしたみたいだ。
セット装備は優秀みたいなのでセットが集まったら自分達で試してIDの攻略に役立てろと伝え、余り始めたら城の倉庫に集めて置く様に指示を出した。
それじゃあ、念願の最高グレード5のIDを作るか。
また金が無くなるが、急いで金が必要でもねえし問題じゃねえ。
場所はミスリル鉱山がある南場の国でいいか。
関所を立てればプレイヤーは来ねえし、新しい攻略隊も補充しておこう。
三つ目の情報は海辺に小さな村を作る事に成功。
場所は西治帝国から北へ行った場所にある海だが、結構距離はある。
他の国も支配しなきゃいけねえし、そろそろ俺も専用のマウントを用意しねえとな……
グレード4の卵でも育てるか、すぐに生まれるんだろう。
海辺の村についてだが、思惑ははずれて金で施設を建てたりは出来そうにねえ。
仕方ないのでそのまま村の発展を続けさせ、水槽に入れた人魚や魚人達をその村へと派遣させる。
生産した人魚達にも村の近くに拠点を作る様に伝えたので、本格的な海の探索はもう少し先になりそうだな。
忙しくなって来たし、楽しくなって来た。
俺の方で出来る事もまだある。
ギルド長のレベルが上がってカルトリアで新たに出来る事が増えた。
アンロックされたのはプラネットマスターの開放。
なんだ……プラネットマスターって?
惑星を操ったりぶつけてくんのか?
そう思っていたが、違うみたいだ。
種族がインヴォーカーに固定されているNPCで、別世界に惑星を生み出す能力を持っている。
これだけ聞くと飛んでもねえ能力だが、実際の用途はプレイヤー向けにハウジングする土地を提供するみてえだな。
一応プレイヤーはどこにでも自由にハウジングは出来るんだが、モンスターとかいるし国の外は危ない。
国とかで土地を買ってハウジングも出来るが、安全性の高いアウトドアな生活を求めるプレイヤー達にとってはプラネットマスターに惑星を作って貰って、そこでハウジングした方が快適だろう。
プラネットマスターを配置出来るのは一体だけか。
なんか悪代官と違ってギルド長はある程度運営にレール敷かれているみたいで面白みに欠けるな。
まあ、これはこれで楽だからいいや。
とりあえず、適当にプラネットマスターを適当な場所に配置しようと思ったが、名前つけなきゃなんねえのか。
それじゃあ非戦闘区域を開放した地下に配置したらまずいな。
街の中心あたりに配置して、一応護衛の兵士達も着けるか。
名前はプレイヤーに親しまれる事を配慮して、アメリアにしよう。
今できる事はこんなもんか。
時間もあるし、まだまだカルトリアで出来る事はありそうだが、先に砂漠の国ロンティオールに行ってみるか。
運が良けりゃ今日中に支配者をゲット出来る。
熱いし遠い地域だから今回はバタカフェを連れて行くのが良さそうだな。
あいつ傍に居るだけで熱に耐性つけてくれるからな……
呼び出した忍者に居場所を聞き、俺はバタカフェの元へと向かった。




