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称えられる者

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 非常に大きな声援に包まれて入場するメアとは対照的にエクスキューショナーが入場した時には場内は静まり返っていた。

 俺にとってはメアの人気がある事は非常に良い事なんだが、ちょっと可哀想だな。



 越後屋の話しだと、エクスキューショナーは自分が人なのだと確信を得る為にこの大会に出場したみたいな事言ってたし、観客のこの反応だと完全に化物扱いだもんな。

 両者が中央に立ち、試合開始の合図と共にメアへの完成の声が場内に響き渡る。



 間合いに入ると、エクスキューショナーがゆっくりと剣を振りかぶった。

 メアはすぐに後ろに回りエクスキューショナーの後ろから強烈な一撃を放ったが、エクスキューショナーは振り返り様に高く掲げた右腕を振り下ろす!



 メアは更にその背後を取って攻撃を加えていく。



 かなりレベルに差があるみてえだな。

 ダメージが通ってねえわけじゃないとは思うが、エクスキューショナーは何事も無く平然としている。

 そして、先程と同じようにゆっくりと剣を振り上げ、ただその剣を振り降ろすと言う攻撃のみを繰り返していく。



 しばらくして何故かメアが距離を取り始めた。

 この行動をする意味は俺には分からねえが、やっぱり目の前に立つとエクスキューショナーのプレッシャーとか凄いんだろうな。

 物怖じしている訳じゃねえとは思うが、何度攻撃を加えても平然と武器を叩きつけてこようとするエクスキューショナーを相手にしたら一旦距離を取りたくなるのは分かる。



 メアは遠距離から前の試合で使っていたチャクラムみたいな武器で攻撃をする。



 五条睦月(ごじょうむつき)との試合の時は一度も当たる事無く分からなかったが、着弾すると他のやつとチェーンの様なもので繋がって移動を阻害する効果もあるみてえだな。

 それでもエクスキューショナーは気にせず平然と歩いてメアの方へ近づいて行く。



 メアの方が圧倒的にスピードがあるので、ずっと距離を取りつつ攻撃を加えていく事が出来ている。

 しかし、観客の悲鳴と共に状況は一変した。



 エクスキューショナーが走りだした。

 剣を振り上げたまま走って、間合いに入ると同時に思い切りその剣を叩きつける!

 間合いに入るまではずっと剣を振り上げたまま追って来るし、その時にメアが攻撃してもまるで怯む事も無い。



 攻撃をする事で生まれる一瞬の(すき)が命取りになりそうだ。

 メアもそれを把握して、攻撃モーションを見てから距離を取って攻撃をする様になった。



 死にゲーのプレイ動画見ているみたいな心境になって来たな。

 場内の観客も息を呑んで二人の戦いを見守っている。

 まだメアが優勢だと俺は思っているが、ついにエクスキューショナーの周囲を例の青い火の玉が(まと)わりつき出した。


 

 エクスキューショナーがメアの方へ走っていくと、(まと)っていた青い火の玉がメアにも(まと)わりついていく。

 さっきの試合の羅刹殺し(らせつごろし)と違ってメアはかなりこの青い火の玉を嫌がっている……



 なんかメアが「怖い怖い」って叫びながら青い火の玉を斬っていってるな。

 一応攻撃は出来るみたいだが、青い火の玉はエクスキューショナーから無限に出て来る。

 メアには青い火の玉に構っている暇は無く、エクスキューショナーの無慈悲な一撃がやってくる!



 エクスキューショナーの一撃が当たりそうになり、静まり返っていた場内から悲鳴が上がった。

 悲鳴の後からはメアを応援する大きな声が聞こえ始める。



 メアが右腕を振り上げて何かのスキルを使った。

 闘技場の中央に大きな竜巻が現れ、青い火の玉と共にエクスキューショナーを攻撃している。

 シックルアサシンっぽく無いスキルだな。



 見た感じ範囲攻撃で周囲の敵を巻き込んでノックアップする感じのスキルだし、狩り用に自分で作ったのかもしれねえ。

 エクスキューショナーは相変わらず何事も無く、メアの方へ走って行って剣を振り降ろしているが、チャクラムみたいな武器の行動阻害と、竜巻のノックアップ効果を受けている様で若干移動速度が遅い。



 メアは反撃をせずにエクスキューショナーが剣を振り降ろした後、回復スキルを使った。



 この行動を見て観客からの声援は更に大きくなる。

 あの周りを飛び交うだけだった青い火の玉はなんらかの攻撃をしてメアはダメージを負った様だな。

 


 大したダメージでは無いはずだが、これでずっと優位に立っていたメアの優位性が崩れてしまった。

 観客もそれに気が付きメアが負けない様にと熱い声援を上げる様になったって感じだな。



 メアは遠距離攻撃を止めて、再び背後に回って攻撃をする様になる。

 エクスキューショナーも走るのを止め、元のゆっくり剣を振り上げてから振り下ろすだけの攻撃に戻った。



 メアの心境を察するに、高いダメージを与えて一気に勝負を持っていきたいんだろう。

 そうしないと青い火の玉からの攻撃で徐々にHPを削られて行っちまうからな。



 しかし、いくら攻撃を加えてもエクスキューショナーは平然とゆっくり武器を振り上げて攻撃してくる。

 徐々に静まる声援の中、メアは諦めずに攻撃の手を緩めない!



 再び場内が静まり返った後、ここに来て初めてエクスキューショナーに変化が見られた。

 観客席にいる奴等も立ち上がり、再び大きな声援が場内から聞こえて来る。



 エクスキューショナーがメアの一撃を喰らった後、蹌踉(よろ)めいて膝を付いた!

 俺も立ち上がってメアに必死に声援を送る!

 「ダメージは通ってる! いっきに叩け!」と熱いものが込み上げて叫んじまった!



 メアはここぞとばかりにエクスキューショナーの後ろから攻撃を加えていくが、場内からはまたも悲鳴が上がる。

 闘技場の床から何本も青白い腕が生えてきて、戦っている二人を掴んでいる。



 そして、エクスキューショナーの顔に巻いてある鎖が解けて中身が(あらわ)となった。

 傷跡だらけの顔に、耳は無く、目は白目で口は耳があった部分まで裂けているのを無理やり縫い合わせているみたいな恐ろしい見た目をしていた。



 メアは床から生えて来た腕に捕まれて身動きが取れないが、膝を付いていたエクスキューショナーは何事も無く掴んでいる腕を無視して立ち上がり、ゆっくりとメアに向かって剣を振り上げる。

 「逃げろお!」と叫んだり悲鳴を上げている声が響き渡り、場内は騒然とする!



 俺も目を覆いたくなっちまったが、ここまで来て目を()らすわけにもいかねえと腹を(くく)る!



 エクスキューショナーが武器を振り下ろした瞬間、今日一番の悲鳴が場内を包んだ後、すぐに大きな歓声となった。



 メアが腕に捕まれて動けずに、無慈悲な一撃を喰らった様に思えたが、その直後にメアの体が爆発して一回戦で見せたカウンターの一撃を決めた!

 更にその攻撃でエクスキューショナーは再び膝を付く。



 もう次の攻撃はさせないとばかりにメアは強烈なコンボを決めていく。

 エクスキューショナーが武器を落として、「オオオォォォ」と声を上げて勢いよく立ち上がり、頭を抱えながら全身が青白く染まっていくが、メアは攻撃の手を止めない!



 エクスキューショナーの体からは無数の小さな顔が現れ、更に沢山青白い腕が生えてくる。



 それでもメアは攻撃を止めず「成仏してくれ!」と叫びながらコンボを決めると、ついにエクスキューショナーが床へと倒れた!



 場内が一瞬静まり返った瞬間に、ここぞとばかりに司会者が大きな声でメアの勝利を宣言した!

 空が割れるのではないかと言うくらいの大きな声援が響き渡る!



 メアは優勝した賞品を受け取り、倒れたエクスキューショナーを置いて歓声の中、場外へと消えていく。

 エクスキューショナーは隻腕(せきわん)の戦士に連れられて、場外へと去っていった。



 友達か何かか?

 そんなのがいる様な感じじゃなかったけど、まあいいか。

 一応忍者にエクスキューショナー達の後を追わせて、俺はメアの元へと向かった。

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