↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/112

人ならざる者の対決

血しぶき表現などが沢山あるのでご注意下さい。

 二人が歩み寄り、互いの間合いに入っただけで観客から悲鳴が漏れた。

 それ程二人は異質で、恐ろしい何かを感じさせる雰囲気を持っている。

 


 先に攻撃を仕掛けたのは、武器のリーチの長いエクスキューショナー。

 ゆっくりと無骨な剣を振り上げ、愚直(ぐちょく)にただ振り下ろす。

 ただそれだけの動作だが剣速は早く、闘技場の床を割ってその下の地面を露出させる程の威力!



 観客席にいてもこれだけ迫力があるんだ、目の前にいる奴が真面(まとも)な奴なら(たま)ったもんじゃねえだろうな。

 当然だが、羅刹殺し(らせつごろし)は真面じゃねえ。



 あの一撃を見切り、紙一重で(かわ)している。

 そして、般若の面で表情は見えないが、しっかりとエクスキューショナーをその目で(とら)えている。

 


 羅刹殺し(らせつごろし)はそのまま鬼の骨で作ったみたいな大太刀(おおたち)を横なぎにしてエクスキューショナーの横っ腹を(えぐ)った!

 血しぶきが上がり観客から大きな悲鳴が聞こえる。



 しかし、エクスキューショナーは何事も無くまたゆっくりと剣を振り上げあの恐ろしい一撃を見せてくれる。



 間合いが近いせいか、今度は(かわ)す事が出来ずに羅刹殺し(らせつごろし)はその剣を大太刀(おおたち)で受け止めるが、あまりに威力が強くそのまま押し付けられ大太刀(おおたち)(みね)の部分が胸に食い込み、エクスキューショナーの剣が肩に食い込んで、その両方から血が滴り落ちる。



 内臓をやられたのか、般若の面からも血しぶきを噴き出した。



 また観客席から悲鳴が上がるが、怖いもの見たさのせいかその声はすぐに静まり、シーンと場内は不気味な静けさを呼び込んでいた。



 なんだよこれ……

 ホラーじゃねえか!

 別に今は怖くねえけど、こいつ等が夢に出て来たらたぶんめっちゃ怖い!

 今日は一人で寝られねえな……



 エクスキューショナーは再びゆっくりと、羅刹殺し(らせつごろし)の血を滴り落とす剣を持ち上げる。

 当然の如く振り下ろされたその剣をまたも羅刹殺し(らせつごろし)大太刀(おおたち)で受け止め、同じように胸と肩に食い込ませ、今度はさっきと違い勢いよく血が噴き出す……



 うわぁ。

 もうこいつ等の戦い見たくないんだが?

 夢に出てきそうで怖いんだが?

 一人じゃ見ていられないから、とりあえず隣にいる越後屋に「やばいんだが」と言って抱き着くと「いざと成れば私が盾になりますのでご安心下さい」と言ってくれた。



 同じホラー展開を三度繰り返し、ついに羅刹殺し(らせつごろし)が倒れた。



 しかし、エクスキューショナーは再び剣を振り上げ、倒れている羅刹殺し(らせつごろし)に剣を振り降ろし、血しぶきが舞う。

 なんで試合止めねえんだと思ったら審判が失神してやがる。



 そう思った瞬間に観客席から特大の悲鳴が聞こえた。

 何が起こったのかと思えば、羅刹殺し(らせつごろし)が立ち上がって今度は大太刀(おおたち)がエクスキューショナーの左手を二つに切り裂いている。



 あの大太刀(おおたち)を素手で受け止めようとでもしたのかよ……

 エクスキューショナーはその左手を見つめ、痛がることも無い。



 今度は剣を突き上げて大きな「おおぉぉぉ」と(うめ)き声なのか雄叫びなのかよく分からない声を上げるエクスキューショナー。

 観客が息を呑み、何が起こるのか見守っていると、エクスキューショナーの周りを無数の青白い火の玉が飛び交う。



 よく見たら青白い火の玉には顔みたいに見える模様が……

 それに、攻撃スキルかと思ったが、羅刹殺し(らせつごろし)とエクスキューショナーの二人共あの青白い火の玉に(まと)わりつかれている。



 これ、あいつの殺して来た奴等の幽霊とかじゃねえよな?

 俺は「ヒィィ」っと小さく悲鳴を上げて、越後屋の後ろに隠れた。

 これ以上は見ていられないので、越後屋の実況を聞き状況を把握する。



 青い火の玉にどんな効果があるのかは分からないが、エクスキューショナーはずっと同じ攻撃ばかりを繰り返している。

 しかし、羅刹殺し(らせつごろし)はその剣を受け流し、カウンターに一撃を入れる。



 お互いが剣を交えるごとに激しく血しぶきが舞い、その度に観客席からも悲鳴が聞こえるので、俺も見ていないが一緒に恐怖体験させられている。



 エクスキューショナーの一撃を受け流してカウンターを入れ続けていた羅刹殺し(らせつごろし)だったが、最終的にエクスキューショナーがその受け流す為に使っている大太刀(おおたち)を叩き割って、勝利した。



 勝者となったエクスキューショナーは喜ぶ素振り一つせずに闘技場を下りた。



 最終戦を始める前に、司会者が気を利かせたのか、解説とさっきの試合の様子を語りながら冗談を言ったりしている。

 流石はサムライバトルアリーナでずっと司会と解説してただけあって、見事に観客席の凍り付いた空気を和らげてくれた。



 メアが出ているので最終戦はちゃんと見ておかなければならない。

 この勝負どっちが勝つか分からねえな。

 エクスキューショナーの戦い方を見ている限りじゃ、一方的にメアが攻撃し続けて勝利すると思ってはいるが、エクスキューショナーのあの青い火の玉とかどんな効果があるのか分からねえしな。



 俺としてはメアに勝って貰いたい所なんだが……

 俺がひっそりと手を貸して八百長って手もあるが、ひょん太郎に話を聞く限り、メアは対人に関して(こだわ)りがあるみてえだったしな。



 多分一対一の大会で横槍なんて入れたら、仲間に何て誘えねえだろう。


 

 メアに勝ってくれと祈りながら、司会者の誘導で決勝戦が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。