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一対一大会開始

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 今日は一対一の闘技大会の日だったな。

 軽く朝飯を食って、闘技場のある(あずま)の国へ来ている。

 アイドル三人組はニースに会いに行っているそうなので、久しぶりに越後屋を呼んで一緒に観戦を楽しもうと思う。



 大会の時間は昼からだし、(すで)に待っているプレイヤーも居るな。

 おっ!

 俺の目当ての【夜空の星に】の面子(めんつ)も来ているな。



 前回同様に、時間になったらプレイヤー達にクエストを受けて貰い、残った四名の試合をじっくりと見れる様にしている。

 注目は【夜空の星に】の三人と、俺の配下の武将五条睦月(ごじょうむつき)だな。



 プレイヤー相手にNPCがどう勝ち抜いていくのか見ものだ。

 俺が注目している奴は他にはいないが……

 なんだあいつは?



 一際異彩(ひときわいさい)を放つ化物が一人いるな。

 切っ先の無い馬鹿でかい剣を持ち、白い革の防具を着ているっぽいがその上から血塗れのエプロンみたいなのを着ている。

 見るからに筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)っと言った風貌(ふうぼう)で、頭部から首の辺りまで幾重にも鎖がグルグルと巻かれている。

 


 あんなの前見えねえだろう……



 「越後屋、あの男、只者では無いな。

  ああ、今日はキメセリフを言う必要はないぞ」

 「あれは、西治(さいじ)の町にいる処刑人に御座います」



 「ん?

  処刑人って普通の町民じゃなかったか?」

 「ええ、永遠と借金を抱えた町民達を処刑し続けてしまい、ついには人ならざる者と成り果ててしまったようで御座います。

  今大会に出場するのも、自分が人間では無いのではないかと心を(わずら)ってしまった為、自分の意志で参加を希望したようですな」



 そう言えば地下闘技場はずっと越後屋に任せた後、ずっと放置してたな。

 越後屋の話しだと、他の戦士達も変貌を遂げてしまっているらしく、普通の人間では無いらしい。

 今度様子を見に行かねえとだな。



 今回の大会の目的は【夜空の星に】のギルドマスター“悲しみを背負う者ナイトメアアサシン”通称メアを勧誘する為のものなので、武器などの制限はしてねえ。

 前回よりも早く大会が進行出来るだろう。



 時間になり、クエストが始まった。

 今回の参加者もかなり多いな。

 掲示板で俺のイベントには参加しない方が良いって書かれていたけど、あんまり効果無かったな。



 一対一なので、試合回数が多く、この国の地下に沢山闘技場を設置しているがそれでも順番待ちが出ているな。

 試合自体はサクサク進んでいるみたいなので、問題は無い。



 そして、二時間程が立って最後の四名が決まり、トーナメント表が用意された。

 残った四名が司会者によって、トーナメント表の左から順番に紹介されていく。



 一人目は悲しみを背負う者ナイトメアアサシン。

 二人目は五条睦月(ごじょうむつき)



 いきなりこの二人が戦うのか。

 どっちも応援したいし、決勝戦じゃなくて少しだけ残念だ。



 三人目は羅刹殺し(らせつごろし)

 なんでも西治(さいじ)の国にある姉小路(あねこうじ)の町と片桐(かたぎり)の町を襲って来る小鬼と羅刹(らせつ)を殺し続けている英雄らしい。

 確か俺が将軍になってそんなクエストをプレイヤー向けに作った気がするなぁ……

 こいつは名前も無いNPCみたいだし、変貌を遂げたNPC達のうちの一人か。

 見た目はやっぱりやべえ。

 鬼の骨で作った様な鎧と武器に般若の面を被っている。



 四人目はエクスキューショナー。

 越後屋と話していた処刑人にしたNPCだな。

 四人中三人がNPCか。

 やっぱりこのゲームのNPC達は強えな……



 四人の紹介が終わると早速第一回戦が始まる。



 メアは対人慣れした対人ガチ勢のプレイヤー。

 前回の大会では自己ヒールなんかも取得していたし、裏技みたいな攻撃方法も駆使して戦っていた。


 対する五条睦月(ごじょうむつき)は、カウンターよりの武将で居合切りが得意。

 メアに取っては相性の悪い相手かもしれねえな。



 五条睦月(ごじょうむつき)はじっとして動かねえ。

 あからさまにカウンター狙いだが、神速の居合術の前ではそれを知った所で同行できるもんじゃない。



 対するメアは間合いの外からチャクラムみたいなのを投げて攻撃しているが、五条睦月(ごじょうむつき)はそれを全て刀で弾いて投擲武器が届く気配は無い。



 それを見たメアは闘技場の中で横になって眠り始めちまった……

 何してるんだあいつ?

 観客のブーイングがすげえな。

 五条睦月(ごじょうむつき)もサムライバトルアリーナで人気のあった奴だし尚更だな。



 五条睦月(ごじょうむつき)も首を傾げながら、様子を見ているが、一向に動かないメアを見て動き出した。

 寝ているメアの前まで行き、それでも動かないメアに対して五条睦月(ごじょうむつき)が刀で突き刺したその時、メアの体が爆発して散弾が飛び散った。



 そしていつの間にか五条睦月(ごじょうむつき)の背中側に回ったメアが止めを刺していた。



 カウンター系のスキルか?

 攻撃を加えた相手に爆発して、散弾による目くらましと、ノックバックの効果があったように見える。

 多分空蝉(うつせみ)の術みたいに、回避してカウンターするスキルだ。



 最後の一撃はアサシン系特有の背後からの強烈なクリティカルヒットだな。

 同レベル帯の相手を一撃か。

 その分打たれ弱いんだろうけど、やっぱりアサシンは強いな。



 ブーイングしていた観客もメアに対して拍手を送っている。

 ここまで勝ち残った実力者をほぼ一撃だからな。

 真剣に応援している客なら興奮して声も出るだろう。



 俺と越後屋も思わず大きな声がでちまった。



 司会の案内により、第二試合が始まる。

 どっちも尋常じゃない見た目をしているから、騒いでいた観客も息を呑んで二人を見守っている。



 試合開始と共に二人がゆっくりと間合いを詰め始めた。

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