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闇皇帝はギルド長を兼任する

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 城の外は血の海となっていたが、戦闘が終わったせいか元通りになりつつある。

 戦闘も終わってるし、中へ入って行き違いになると面倒なので俺達は入り口で待つ事にした。



 しばらくすると、中からひょん太郎とショコラ、そして一色重盛(いっしきしげなり)日葵(ひまり)と陽太郎も一緒に出て来た!?

 無事だったのか!



 玉藻前(たまものまえ)に捕らえられたが、城の牢で監禁されていたみたいだ。

 冷静になって考えれば当然の結果とも言える。

 一西政宗(いちにしまさむね)(たぶら)かして使っていたんだし、それ程酷い事は出来なかったんだろう。



 それに、捕らえた時はフレンドリーファイアが無効になっていたはずだしな。

 態々(わざわざ)殺すのも手間だ。

 隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)玉藻前(たまものまえ)が目的だったわけで殺す理由はない。



 ショコラの機嫌も直っているみたいだし、これにて一件落着だな!

 結構長い間戦っていたので外は夕暮れ。


 

 今日はこのまま一西(いちにし)の国で、久しぶりに日葵(ひまり)の料理で宴を開いた。



 城で皆でバカ騒ぎしているが、なんか酔えねえな。

 胸の奥がじんわりしていて妙な気分だ。

 日葵(ひまり)達が無事で安心しているが、総大将の二人が死んでちょっと寂しい気がする。



 それに、櫛名田雪姫(くしなだのゆきひめ)許乃波奈佐久夜(このはなさくや)玉藻前(たまものまえ)に殺されちまったしな……



 いくら感傷に浸った所で、闇皇帝である俺は悪の道を突き進むしかねえ。

 それでもちょっと疲れちまった。

 当分の間は内乱は御免だな。



 一西(いちにし)の国はとりあえず一色重盛(いっしきしげなり)を将軍においておこう。



 ◇



 翌朝。

 捕らえた姫達をクラスアップさせて闇姫へと変えて玉藻(たまも)の国の城主にした。

 闇姫達は記憶や能力はそのままだが、性格が変貌している。

 俺への忠誠心も高いので、裏切る心配は無い。

 


 隠神(いぬがみ)の国は城主不在のままにする。

 姫達のスキルが有用だったので、他の国の将軍達にも新しく生産した闇姫達を送った。



 バタカフェだが、ギルド長にはなれなかった。

 資格ってのが何なのか分からないが、もしかしたらお茶会に呼ばれた支配者達じゃねえと駄目かもしれねえな。

 


 と言う事で、今度は俺がギルド長になれないのか聞きに行く。

 今日はひょん太郎の大百足(おおむかで)に乗せてカルトリアまで連れてきて貰った。



 「大百足(おおむかで)すげえな!

  揺れもあんまりなかったし、移動も結構早い」

 「戦闘も強い」



 「なんか捕食とかしてそうでちょっと見たくねえな。

  名前とか付けてんのか?」

 「コンソメだ」



 「コンソメって名前なのか?

  まあ、理由は聞きたくねえから言わなくていい」

 


 ひょん太郎は「そうか」とだけ返事して、俺達は冒険者ギルドへと辿り着いた。

 さっそく受付嬢にギルド長の事を聞いてみる。



 「ギルド長のお仕事を引き受けて下さるんですか!?」

 「ああ、引き受けてやる。

  何か手続きとかはあんのか?」



 「大丈夫です。

  資格のある方でしたら問題ありません!」

 「そうか、それじゃあ早速仕事を始めたい」



 それなら最初に訪れた時に話をしてくれればいいのにと思いつつ受付嬢から説明を聞いて、ギルド長の仕事はある程度把握した。

 カルトリアの国でプレイヤーにクエストを出すのが主なんだが、NPCの住民から色々と依頼が来ているんだな。



 こんなのでこの国の支配者までやれるのかは疑問だが、とりあえず適当にクエストを整理して出しておくか。

 自分でも報酬さえ払えばクエストを出せるのか……



 それじゃあ、武器やアイテムの素材を集めるクエストを作り、倉庫にアイテムを溜める様にする。

 合成や精錬などの職人スキルを上げるのに使う素材をギルド内でプレイヤーに購入させる事で消費した金も取り戻せるし、報酬もそこそこ高く設定してあるから初期プレイヤーには美味しい内容となっている。



 ショコラと話していた通り、この国では新しい施設の設置なんかは出来ねえみてえだな。

 まあ、地下をいじる事は出来るみたいだが。

 以前のギルド長もなんか地下に作ってるみたいだけど、ちょっと覗いて来るか。



 ギルド長の部屋から地下へ降りる隠し階段があるので、地下へ降りていくと……

 なんか変な店があるな。

 見せの名前は冒険者ギルドの名前と同じく、出会って三秒でヘブンズゲイト。



 ふむ……

 危険な匂いがする。

 もしかしたら非常に危険な施設かもしれねえ。

 いや、危険な施設に違いねえ!

 今回はひょん太郎と二人で見に来て良かったかもしれない。

 他の奴等をこんな危険な場所へと連れて行くわけにはいかねえからな。



 「ひょん太郎」

 「分かっている。

  我等にしか出来ぬ事だ」



 二人で気合を入れてから店のドアを開くと中には……



 腐臭!?

 なんだここは……

 店内は綺麗だが、殺風景であまり物が置かれていない。

 一応、椅子とテーブルはあるが――ヒイッ!



 なんかカサカサ動いてこっちに近づいて来る奴がいる!?



 「お客様――ハァハァ……やっと来てくれたなの」

 「なんだお前……立てないのか?」



 カラッカラに痩せこけた変なのが出て来たかと思えば、床に()いつくばって立つ事も出来ない程疲弊している様だ。

 それでも接客しようとしているとは、なかなか根性のある奴だな。

 蝙蝠(こうもり)みたいな羽が生えているし、種族は亜人で蝙蝠女(こうもりおんな)とかかな?



 「お代はいりません……精気を吸わして下さいなの。

  とても、気持ちの良い夢にご招待するなの」

 「精気を吸う?

  それに夢を見せるのか……

  お前……もしかして夢魔とかサキュバスの類なのか?」



 「サキュバスなのなの。

  どちらの方から夢の中へご招待するなの?」

 「ひょん太郎……逝け!」

 「いいのか!?

  ならば、是非!」



 テーブルの上に寝転がったひょん太郎にサキュバスが一生懸命魔法で眠らせようとしている。

 あれ?

 一応フレンドリーファイアも有効にしたんだけどなぁ……

 この国自体が非戦闘区域になってるせいか、サキュバスの攻撃手段の眠らせる魔法は効果を発揮出来ねえみてえだ……



 なんでギルド長が不在になったのか分かって来た気がするぞ。

 たぶんエロい事をしようとしたけど、肝心のサキュバスが使えなくて()えたんだろう。

 工夫次第でなんとでもなりそうなんだがな。



 俺はアイテムで快眠薬を生成して、ひょん太郎に飲ませた。

 これは攻撃判定じゃねえし、気持ちの良い夢を見て来い。

 一応地下なら金の力でいじれるみたいだし、この部屋だけ非戦闘区域を解除した。

 これで大丈夫だろう……

 本当に大丈夫なのか?



 不安を抱きつつも俺はひょん太郎に万が一がないかと見守る。

 眠りについたひょん太郎にサキュバスが(またが)ると、全身から白い湯気の様なものが立ち昇り始めた。

 サキュバスはそれをジョボボボボ!

 と凄い音を立てて口から吸い上げていく……



 喉の奥をゴキュゴキュ鳴らしながらゾンビみたいな声を出して……うっ気持ち悪くなってきた。



 ひょん太郎の精気を吸って立ち上がれる様になったサキュバスは小さくて可愛らしい少女の姿だった。

 まあ、サキュバスだし干乾びてなければ美人なんだろうけど、幼いなぁ……

 精気を吸い続けたら成長するんだろうか?

 それでもあんなもん見てからじゃ、俺はお世話にはなりたくねえ。

 


 ひょん太郎が目を覚ますと、(うつ)ろな表情をしている。

 大丈夫なのかこれ?

 


 「有難う御座いますなの!

  生き返ったなの!

  しばらくは精気を吸われた影響でぼうっとしてるけど、時間が経てば意識ははっきりするので心配には及びませんなの」

 「そうなのか。

  ちなみにそのまま殺す事も出来るのか?」



 「出来るかもしれないなの。

  けど、サキュバスは人を殺すほどの力は本来持ってないなの。

  この方をサキュバスの力で殺すには、数万人のサキュバスの力必要なの」

 「一応攻撃の類になるんだな。

  サキュバスは他にもいるのか?」



 「いるなの!

  ちょっと生き残りがいるのか見てくるなの」



 ずっと客が来なかったわけだし、飢え死にしちまってるんだな。

 ちょっと可哀想だな。

 まあ、自国のNPC殺しまくってる俺が言えた事じゃねえけど。



 しばらくすると、瀕死のサキュバスを連れてきてはひょん太郎の上に乗せていく。

 そんな事していいとは言っていないが、ひょん太郎は死にそうにないし、別にいいか。



 複数のサキュバスから精気を吸われるひょん太郎を見て、俺はとうとう胃袋の中身をぶちまけてしまったので、店の外に出て事が終わるのを待っていると、店の中から最初に居たサキュバスに呼ばれて再び店の中へと戻った。



 ひょん太郎はまだ虚ろなままだな。



 他の干乾びていたサキュバスもひょん太郎から精気を吸って元気になった様だな。

 見た目が戻ったからと言って俺はお世話にはなりたくねえが……

 それにしても、小さな子ばかりだな。



 「皆元気になった見てえだな。

  俺はギルド長をやっているんだが、以前のギルド長もここへ来た事があると思うんだが何か情報はあるか?」

 「以前のギルド長なの?

  確か、三回来てそれから来なくなったなの……

  何をやってもサービスを受けられずに、仕方なく帰っていってしまったなの」



 「そうか……

  言っちゃなんだが、直接抱いたりも出来たんじゃねえのか?」

 「直接!?

  相思相愛であれば分かりますが、流石に体だけの関係は私達にはちょっと……なの……」 



 ん?

 そう言えばサキュバスって割にこいつ等の服は露出とかあんまりねえな。

 もしかして、このゲームのサキュバスってビッチ系のキャラじゃねえのか?

 むしろ俺的にはそっちの方が良い!

 しかし、こんな小さな子達相手に欲情はしねえからな。



 「つまり、お前達は全員処女なのか?」

 「えっ!

  そう言うお話はちょっと……出来ないなの。

  それとも、しなければいけないなの?」



 「いや、いい!

  とりあえず、お前達の面倒は俺が見てやる」

 


 サキュバス達は喜んで俺の事を受け入れてくれた。

 なのなの五月蠅(うるさ)いが、みんな小さいし可愛いので許す!

 とりあえず安定した食料が必要だろうし、ひょん太郎にこの子達の面倒をしばらく見て貰うか。



 正気に戻ったひょん太郎に説明すると、(こころよ)く引き受けてくれた。

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