油断大敵
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隠神刑部はこんな奴等に何をさせるつもりだ?
本人からは余り殺気の様なものは感じない。
いや、元々こいつは殺気を纏わずにここぞという時にだけ殺意を見せるやつだったか。
なんか妙だな……
こいつ等こんな感じだったか?
いや、クラスアップしている?
そして……
「俺達はあんたを裏切る!
そして、俺達が仕えるのは三人の姫様達だ!
ここであんたを倒さなきゃ、姫様達に明るい未来は無い!
ならば!
俺達の手であんたを倒す!
俺の名は竜男!
あんたを倒す者だ!」
「ほう、面白い。
貴様等の名も聞いておこう」
ドラゴンハーフの戦士、竜男と同じように、他の奴等も名乗りを上げた。
ドワーフの採掘者が髭男。
エルフのレンジャーが弓男。
トロールの歩荷が力男。
最後に鳥人のプリーストの白腕。
全員見た目通りの名前で酷いネーミングセンスだな。
弓男なんて弓持ってるだけじゃねえか。
しかし、姫達は面白いスキルを所有している様だな。
封印に名付けにクラスアップも出来るのか。
各国に姫を置く必要が出来た。
しかし、この三人の姫を失うのは勿体ない。
新しい姫を作っても同じようなスキルが仕えるとは限らないしな。
五人一斉に俺へと掛かって来るが、クラスアップしたとはいえ、俺の相手では無い。
俺の元へ辿り着く間でに盾となったトロールに止めを刺し、プリーストの鳥人と弓を構えていたエルフにも止めを刺した。
残るは二人。
鶴嘴を振りかぶったドワーフの攻撃を躱して、ドラゴンハーフの攻撃は態と喰らい、俺のカウンタースキル闇皇帝バウンドでノックバックした所に合わせて二人纏めて止めを刺した。
ん?
驚く事に俺の一撃を喰らってもなお、五人共立ち上がった。
完全に止めの一撃になると思っていたんだがな。
姫達による封印の力もあるせいか、打ち損じてしまった。
更に此処へ来て、新たな二人が敵に加わる。
清十郎と狂史郎だ。
はっはっは、良い顔になったな。
戦う男の目だ。
「どうやら城も儂の手の者達によって落ちた様だな。
ところで、お前達の母親の一華と仁帝神農はここにはいないのか?」
「さてな。
そんな事より、櫛名田雪姫と許乃波奈佐久夜の姿が見当たらない。
二人を何処へやった?」
「今しがた殺した。
その辺に転がっておるのではないか?」
怒りを露にした狂史郎が無策にも俺に真っ直ぐ突っ込んで来る。
情など掛けずに俺はそれを両手に持った銃で撃ち落し、地面に這いつくばらせた。
立ち上がりはしないが、狂史郎も一撃では倒せなかったか……
隠神刑部も控えているし、少し勝負を急いだ方が良さそうだな。
俺は狂史郎に止めを刺し、瀕死の発掘隊の五人にも弾丸を打ち込み完全に止めを刺した。
残るは清十郎只一人。
いや……確実に止めを刺したはずだが、狂史郎はまだ息がある。
「隠神殿……あれを使う」
「その意気や潔し!」
何をするつもりなのかと眺めていると、清十郎と狂史郎が異形の者へと姿を変貌させていく……
体も大きくなり、強いプレッシャーを感じる。
素晴らしいな。
俺への恨みの感情でここまでの強さを得たか!
しかし二人の様子がおかしい。
呻き声を上げながら苦しそうにしている。
それでも俺を睨みつけてはいるが、思考能力は下がっているみたいだな。
スピードとパワーは凄いが、二人の攻撃は単調なので簡単に躱して反撃ができる。
タフな奴等だ。
攻撃を躱しながら何発も銃弾を撃ち込んでいるがまだ倒れる様子は無い。
スキルを使って一気に畳み掛けても良いが、隠神刑部がこの後どう動くのか分からない。
あまり大きな隙は見せるべきでは無いだろう。
しばらく戦い続けていると、ついに隠神刑部が動き出した!
「決するぞ親父殿!
眷属達よ某に集え!」
そこいら中から狸の妖怪が集まって来て隠神刑部へと吸い込まれていく。
見た目に変化は無い。
だが、簡単には倒せないと言う事は理解している。
清十郎と狂史郎の攻撃を躱すとそこへ大太刀を担いだ隠神刑部がその隙を突いて一撃を入れて来る。
しかも、神通力を使っているのか一瞬引き寄せられたり、引き離されたりするのでやりにくい。
だがもう終わりだ。
既に清十郎と狂史郎の体はボロボロで、今にも事切れそうだ。
「十分楽しめた。
そろそろ楽になるが良い」
俺は二人に腰に添えていた刀を抜いてその首を刎ねた。
残るは隠神刑部。
さっき眷属を集めていたし、今の状態で止めを刺せば復活はしないだろう。
じりじりと間合いを詰めて来る。
カウンタースキルの警戒を止めて一撃の重さに賭けるつもりか?
「親父殿。
この一撃に全てを賭けさせてもらう」
「楽しんでおるようだのう。
いいだろう。
儂も刀で止めを刺してやる」
隠神刑部が「うおおお」っと声を上げたと思ったら一瞬で間合いに入り、渾身の力で俺の首へ一撃を喰らわせる。
カウンタースキル闇皇帝バウンドが発動し、隠神刑部はノックバックするが、もう俺の攻撃に備える仕草すらせずに待ち構えている。
言い様だ!
俺も大ダメ―ジを喰らってしまったが、構わずに大きく踏み込み、必殺の一撃を隠神刑部へと放った!
俺のHPを消耗して大ダメージを与える渾身の一撃。
どんなにタフな奴でも致命傷は避けられない。
しかし……
なんだ?
耳の奥から破裂するのではと言うくらいに大きな鼓動の音が聞こえる。
そして、目の前の景色が歪み、地面が落ちて……
くそっ!
何をされた?
何故俺に致命傷を知らせるエフェクトが……?
振り返るとそこには狐の化物が立って居た。




