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眠らない町でデート。

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 他の店には興味ねえし、早速冒険者ギルドの中へと入っていく。

 んー……新人プレイヤーが入れ代わり立ち代わりで(せわ)しねえな。

 なんだかんだまだ始まったばかりだし、まだまだ初心者は増えてるのか。



 とりあえず、皆青くて丸いの触ってからどっかに行ってるし、ちょっと触れて見るか。

 部屋の中にある大きな青いオブジェクトに触れると、色々なクエストが受注出来る様になっている。



 お使いクエストが色々あるみたいだが、報酬がペットのクエストもあるな。

 内容は結構普通。

 公式にある掲示板でもストーリーがどうのこうのって言うのはあまり書かれていなかったし、メインクエストみたいなのはない感じか。



 王様も自由に過ごしてくれって感じだったしな。

 他に気になる点は特に無い。

 受付嬢もいるし、話しかけてみるか。



 「初めて来たんだが」

 「初めての方ですね。

  先程クエストスフィアに触れていた様ですが、そちらで分からない事がありましたか?」



 「いや?

  大体把握した。

  あそこに無い物凄く難しいクエストとかは無いのか?」

 「クエストはあそこにあるだけです。

  クエストが更新しなくて困ってらっしゃるんですね。

  更新はギルド長が(つと)めていらっしゃるはずなんですが……

  実は事情が御座いまして、今は不在となっております。

  御迷惑をお掛けして申し訳御座いません」



 「ギルド長が不在?

  何処へ行ったんだ?」

 「こちらの都合上お話する事は出来ません」

 


 「元々ギルド長はいたって事だよな?」

 「ええ、少し前まではいらっしゃいました。

  ですが、これ以上の事はお話出来ませんので、重ねがさね無礼をお許しください」



 「そうか、無理言って悪かったな。

  また来るよ」

 「有難うございます。

  今後とも冒険者ギルド出会って三秒でヘブンズゲイトを宜しくお願いします」



 こいつ今何て言った?

 出会って三秒でヘブンズゲイト?

 明らかにこのゲーム作った奴のセンスじゃねえな。

 違うよな?


 

 それにギルド長が不在かぁ……

 少し前まで居たんだよな?

 ギルド長が俺と同じ立場のプレイヤーだった場合、考えられるのは死んじまったって事くらいか。

 この国から出る事は出来ないだろうし、旅立ったって事は無いだろう。



 

 多分ギルド長が俺と同じ立場のプレイヤーだとすると、んー……

 この国を乗っ取るって事はギルド長になるって事か?

 メリットが無いわけじゃないとは思うが、なんか微妙だなぁ。



 だが、色々と仕事を(こな)せば国の中枢(ちゅうすう)と繋がって軍とか動かしたり出来るかもしれねえな。

 


 明日ちょっと色々やってみるか。



 あっ!

 ニースにお茶会の時、ここの支配者とか言っちまったな……

 バタカフェのセンスでどうにか切り抜けて貰うしかないな。



 とりあえず、目標は見つける事が出来たし日も暮れて来たから帰るか。



 街の入り口から、またショコラの羊のメロンに(またが)って来た道を引き返す。

 あっ……

 なんかMOBを狩っていたプレイヤーが吹っ飛んでいったぞ!



 ショコラは何にも気にしてねえな。

 絶対普段からプレイヤー引き飛ばしてるだろ……

 


 帰りはそれ以外のアクシデントも無く、西治帝国領(さいじていこくりょう)へと帰って来る事が出来た。

 早速輿(こし)力者(りきしゃ)陰陽五行(いんようごぎょう)のワープゲートを作ってみたが、なんか小さな神輿(みこし)って感じだな。

 力者(りきしゃ)(ふんどし)姿のムキムキの日本男児(にっぽんだんじ)って感じの風貌(ふうぼう)で、遠くに見えるワープゲートは五芒星(ごぼうせい)を中心にした魔法陣みたいで中々綺麗だな。

 早速乗り込み向かうは花町(はなまち)



 目標の場所を力者(りきしゃ)に告げると、「堪忍袋の緒が切れました! そうりゃあ!」っと輿(こし)を持ち上げた!



 なんでお前等がそのセリフを言うんだよ?



 ああ、越後屋は俺との最初の接点あるNPCで、ある意味この国の中心人物だからか。

 となると、あいつがこの掛け声決めてるっぽいな。

 後で変更する様に言っておかないと……

 「えんやこらー! わっせわっせ」と掛け声を賭け(なが)らワープゲートを通る。

 ワープ中のエフェクトはフェアリーロードと同じだな。



 ワープゲートを抜けるとそこは、淡く光る灯篭(とうろう)が照らす道が浮き彫りになった花町(はなまち)へと辿り着く。

 町の人は提灯(ちょうちん)を持って歩いているし、結構綺麗だな。



 「この町、夜だとこんなに綺麗なんだ♪

  ショコラも提灯(ちょうちん)もちたぁい♪

  ちょっとだけ歩こうよぅ♪」

 「すぐに城に戻るつもりなんだけどな……

  まあ、いいや。

  それじゃあ、少しだけな」



 俺は金で提灯(ちょうちん)を生産してショコラに持たせてやった。

 それと、忍者を呼んで越後屋に、最初の掛け声を「いくぜぃ! 野郎ども! あいよー!」に変更する様にと伝える様に指示を出した。



 俺とショコラは夜の花町(はなまち)を並んで歩いて行く。

 プレイヤーも提灯(ちょうちん)を持っている奴等がいるし、お祭りみたいだな。



 今度ちょっとした屋台でも出店させて見るか。

 それに神社っぽいのもあると雰囲気でるな!

 将軍やり始めて以来あんまり町に目を向けて無かったからな。

 たまにはこうやってゆっくり見て周りたいし、時間が空いたら誰か誘って出歩いて見るか。



 「恋人同士みたいだね♪」

 「腕組んでくんじゃねえ!

  俺の見た目と、お前の見た目だと、どう見ても恋人同士にはみえねえよ!」



 「そうかなぁ?

  あっ♪

  宿があるよぅ♪

  一緒に泊まってくぅ?」

 「泊まんねえよ。

  ん?」



 ショコラが掴んでる反対の方の腕に町娘がくっついて来たぞ?

 なんだこいつは?



 「御屋形様(おやかたさま)、ニースとは上手く親交を深める事に成功致しました。

  ところで御屋形様(おやかたさま)ショコラさんと何処へ行くおつもりで御座いますか?

  先程宿に泊まるなどと聞こえましたが?」

 「お前雪之丞(ゆきのじょう)か。

  新しい移動手段が出来たんだよ。

  お前も一緒に乗って帰るか?」



 「乗っていくっす。

  でも、ショコラさんと楽しそうにデートしてたっすね」

 「お前等となら誰と一緒に居ても楽しいぞ?

  時間があれば誘うから、その時は付いて来てくれ。

  それより、ニースと親交を深めたのは良い事だな。

  ただ、ちょっと問題がでちまったんだよ。

  カルトリアの支配者って言っちまったんだけど、あそこで俺と同じ立場のプレイヤーは冒険者ギルドのギルド長っぽいんだよな……

  バタカフェに上手く話し合わせておいてくれって言っといてくれねえか?」



 「ああ、その程度の事なら全然問題ないっすよ。

  ニースさん熱狂的な【罪を背負った雪男~看板娘もまっしぐら~】のファンだったっすから。

  一瞬で正体見抜かれて、ずっと興奮(こうふん)してたっすよ」

 「ん?

  って事はひょん太郎みたいなムキムキが好きなのか?」



 「いや、ショコラさんが一番好きみたいっす」

 「なんでだ?」



 「なんでってどういう事っすか?」

 「あいつ女だろ?

  いや、そうか……あいつそう言う奴だったのか」



 「女の子でも普通に女の子のアイドル好きな人もいるっすからね?

  それに、ちょっとその()があるのは否定しないっすけど、ノーマルっすよ、たぶん」

 「たぶんなのか!

  それじゃあショコラとも会いたいだろうし、今度連れて行ってやれよ」



 「いいっすよ。

  あとニースさんがガチャで使った金額っすけど、十三億らしいっす」

 「あいつを味方に出来て良かったな。

  もし運営が課金額に見合っただけの強さを与えているとすれば、敵対したら絶望的だったぞ」



 「全員の課金額合わせても二倍以上っすもんね。

  一応スカイサン・ドナートにお呼ばれしたので、見て来たっすけど、他のプレイヤーはいませんでした。

  それでNPCもそれ程数は多く無かったっす。

  ただ、見た目だけじゃ強さは分からなかったっすね!」

 「NPCは兎も角、ニースは間違いなく強いだろうな。

  あと、天空にある国なんだし、地上を攻撃する兵器なんてのもあるかもしれねえ。

  今回は運が良かったって感じだな」



 「ところで一つ聞きたかった事があるんすけど……」

 「なんだ?」



 「無理やり御屋形様(おやかたさま)の唇を奪った女の所在は分かってるんすか?」

 「えー?

  ショコラもその話ききたぁい♪」

 「掴めてねえな。

  その話は止めてくれ、思い出したくねえ。

  それに相手は女アバターの男で、俺も女アバターだったんだよ!

  まあ、探索隊色々な場所に散って貰ってるしそのうち見つかるだろう」



 「その男はボクが必ず殺すんで所在が分かったら教えてくださいっす!」

 「その時はショコラも呼んで欲しいなぁ♪」



 「奇遇だな。

  俺もこの手で直接あいつの事はぶっ殺したい。

  見つけたら全員で止めを刺しにいくぞ」



 俺は両腕を掴まれながら、輿(こし)を使って城へと戻る。

 バタカフェが俺の部屋で報告しに待ってくれていてので、今日あった事を含めて話し、明日の朝からギルド長になれないか、バタカフェにカルトリアの冒険者ギルドに行って交渉しに行く様に伝えた。

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