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料理人対決

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 よし!

 あれから町を一つひとつ見直して、ちょっとした金策も拾い集める様に加えていく事でかなり収入も得られる様になった。

 結局丸一日と少し掛かってしまってしまったが、まあいいだろう。



 雪之丞(ゆきのじょう)は今の所奴等を発見出来ていない様だが、あいつの足ならすぐに見つけられるだろう。



 さて、今日は料理大会の日。

 審査員は俺一人。

 一応俺が来るまでに予選は終わらせて、残った三人で勝負してもらう。



 全部俺が食って審査したい所だったが、流石に一人で食べるのにも限界がある。

 時間も掛かっちまうしな。

 


 そう言う訳で、早速大会を始めて料理を作って貰う。

 作って貰う料理は三だけ。

 自分の得意料理、卵焼き、チャーハンの三品。



 この三つにした理由だが、卵焼きには色々なバリエーションがある。

 俺の好みに近い奴の方が評価は高くなる。

 チャーハンも同じような理由だが、香りが強いからそれによるメリットとデメリットをどう使い分けるのかも評価に影響する。



 最後の得意料理だが、自信のある料理で口に合わないとなれば、他の料理も期待出来ないからな。

 


 開始の合図と共に、料理は出来上がる。

 初めて見たけど、やっぱり調理すんのは一瞬だったな。

 それでも個人差があるって事は、このゲームの料理で重要なのは経験、知識、気持ち、レベル辺りか。



 まあいい。



 早速審査に取り掛からせて貰う。

 ふむ、残った三人全員が職業料理人か。

 一応料理屋を営む町民とか、女中も混ぜていたんだが、やっぱり専門職の方が強いか。



 一人目の料理人の品に目を通す。

 卵焼きの見た目はシンプルだが、七味唐辛子が振りかけられている。

 チャーハンは黒っぽくてシーフードが入ってあるのか。

 そして、得意料理にはコンソメスープか。



 得意料理のコンソメスープを口に含む……馬鹿な!?

 正直日葵(ひまり)を越える腕の者はいないと思っていたが、流石は料理人と言った所か……



 一掬(ひとすく)い口に入れた瞬間に、いくつもの食材が頭に浮かぶがそれが一つの味となっている。

 完全な調和から生まれたその味を何と表現していいのか……

 それに風味も非常に上品な味わい。

 一つの不純物も無く完璧に、しかも手間暇を惜しむ事無く作り上げられた完璧なコンソメスープ。

 素晴らしい!



 次はチャーハンを試してみるか!

 成程、少し黒いのはイカスミか。

 見た目と違って味はあっさりで口当たりが軽い。

 チャーハンと言えば油の香りがズシンと来るイメージだったが、悪く無いな!

 全く油臭さもないし、それどころか薄く味付けされた出汁からは芳醇(ほうじゅん)な海の香りが(ただよ)ってくる。

 特にイカスミのこってりとした旨い風味がほんの(わず)かに主張してアクセントとなっている。


 

 このチャーハンも素晴らしいな。

 卵焼きはどうだ。

 ふわっふわだがしっかり(はし)で持てるぞ。

 うん、薄い味付けだが塩気のある少し甘い出汁で味付けされているな。

 それに食感が素晴らしい。

 ふわっふわで柔らかいがしっかり卵を噛みしめる感触。

 均一(きんいつ)に火を通しながらも幾重(いくえ)にも重ねた(そう)にによってこの食感を演出しているのか。

 更に七味唐辛子!

 薄味の卵焼きにこれ程合うとは思っていなかった。

 ピリリと舌を刺激する辛みが良いアクセントになっているし、香りも良い。



 うむ。

 100点!



 二人目の料理と行くか。

 こっちの卵焼きも見た目は普通に見えるが大根おろしが乗っかっている。

 パクリと口に入れていきなり驚かされた!



 非常に冷たく食感はチーズケーキの様だ。

 それに大根おろしが凍っているだと!?

 歯にシャリシャリとした食感と、舌の上で溶けていく感触がある。

 味付けは甘めなんだが……

 鼻孔を(くすぐ)っているのは卵と牛乳?

 いや、生クリームか。

 それにバターの香ばしい香りが奥に潜んでいる。

 それらが卵の風味を最大限に押し出してくれているのか……

 儂の中にある卵焼きの概念がぶち壊してくるとはやりおる!



 得意料理にはフライドポテト?

 いや、これは何かの生地を巻いて揚げたものか……

 成程、これはチーズか。

 熱々だがしっかりと揚がっていて、カリカリとした食感がいい感じだな。

 噛みしめるとチーズの柔らかさと濃厚な味が広がり、程よい塩気がチーズの味をしっかりと主張させてくれている。

 しかし得意料理にこれを持ってくるとは意外だったな。

 


 次はチャーハンか。

 ふむ。

 パラパラの黄金チャーハンといった見た目だが所どころでお焦げがあるな。

 一口食べると濃厚な中華の香り!

 それにお焦げの部分からはそれがより濃厚に……!?

 この細かいのはピーナッツか!?

 それに、大蒜(にんにく)の香ばしい強い香りが食欲をそそる!

 これは……いけるな!

 悪く無いが少し味は薄めか……先程のチーズフライがあって丁度いい感じだな。

 


 なんだと!?

 さっき食べた物とは別物!?

 チーズフライが少し時間を置いた事で別物となっておる!

 チーズが少し固まって食感も変わった事は言うまでも無いが、チャーハンの強い香りをチーズの濃厚な味と風味で全てを包み込み……

 何と言う深い味わいだ。

 さっきの卵焼きはどうだ!

 うむ!

 これも先程とはまるで違った味わいとなっておる!

 塩気のあるチーズフライの後に食べると、甘さが際立ち卵の香りがより一層引き立てられている。


 

 うむ。

 100点。



 このままでは全部食べきってしまいそうだからな。

 この辺りで三人目の料理と行くか。



 まずは卵焼きか、こいつも見た目は普通だな。

 どれ、パクリ。

 ……おふくろぉ。



 いや、これは見事だ。

 味は薄いと言うか、ほんの微かにしか味付けはしていないようだが、物凄く卵の香りがいい。

 これは特別な卵を使っているのか?

 それに食感は柔らかくて口の中で(ほどけ)けていく。

 これぞ本当の卵焼きと言わんばかりの完成した卵焼き。

 単独でも十分旨いが、大根おろしでも(ねぎ)でも生姜(しょうが)でも、合わせればなんでも合いそうだな。

 無限のポテンシャルを感じる。



 チャーハンも見た目は普通だな。

 ふむ……ふむふむ!

 パラパラではなくしっとりとしていて、ごま油の香りが香ばしい。

 それに、これはラードを使っているのか。

 味の奥から濃厚で上品な油の香りが旨い。

 それに後から乗せた(ねぎ)が鼻孔をスッキリさせてくれて、食感もシャキシャキとしっとりしたチャーハンに合っている。



 得意料理はスープか……

 和風だしの香りがする。

 手を付けようとすると、うどんの麺とかき揚げを乗せてくれる。

 成程、うどんであったか。

 どれどれ……

 良い和風出汁だな!

 主張しすぎない薄い塩気のある味と、香り豊かな上品で和風な味わい。

 鰹節(かつおぶし)の香りがしっかりしていて、他にも色々と混ざっておるな。

 かき揚げも旨い。

 山菜(さんさい)や舞茸、シャキシャキしんなりと言った感じの食感は成るほど、豆苗(とうみょう)か!

 それに、かき揚げの上に振りかけられていた緑はパセリかと思ったが、青のりと大葉を刻んだものだな。

 うどんの麺は縮れていて少し細めだが、旨い出汁が絡んでいい感じだ。

 それにコシもしっかりとしていて、滑らかだ。



 うむ。

 100点!



 結果は甲乙(こうおつ)つけ難し!

 好み的には三人目の料理人だが、一人目の料理人の味も見事だった。

 二人目の料理人は味も旨いが、意外性もあって素晴らしかった。



 結局全員俺の専属料理人として雇う事に決めた!

 贅沢すぎる?

 儂、闇皇帝ですから!

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