乙女心は分からん。
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よし、耐え凌いだ。
「おい、寝坊助。
朝だぞ」
「GM、おは。
今日は何頑張ればいい?」
「そうだな。
やりたい事とかねえのか?」
「役には立ちたい」
「今日はこれから俺は予定があるし、とりあえず雪之丞と遊びにがてら狩にでも行って来ればいいんじゃないか?」
「ラジャダ!」
「おう、程々にしとけよ?
お前FPSに移った時、飛んでもねえ時間一人でやってたからな。
お陰で助かった所はあるけど、そんな無茶はしなくていいからな。
楽しけりゃ好きなだけやればいいけど。
そうそう、暇だったら近いうちに闘技大会を開く予定だからそれのルールとか考えといてくれねえか?」
「ラジャー。
それじゃあ雪ちゃん探して遊んでくる」
「んー……」
俺はパンパンと手を鳴らして、雪之丞を読んで来る様に忍者に言おうとしたら、雪之丞が天井から降って来た。
「御屋形様何か御用で?」
「うむ、このバタカフェと一緒に遊んで参れ」
「成程、別に殺してしまっても?」
「お前それ好きだな!
駄目に決まってんだろ!
それと、俺はまた新たなステージに上がった。
一線を越えるのでは無いかと心配する事など不要だ。
分かったらさっさと遊びに行ってこい」
「了解っす。
それじゃあ今夜はボクと寝て下さいっす」
「駄目だ」
「なんで!」
「いずれお前とは一線を越えると思う。
今はその時では無い。
沙汰を待て」
「わ……わかったっす!
遊んでくるっす!」
ふん!
チョロイわ!
さて、ショコラとデートか。
ちょっとだけおめかしすっか。
日葵を呼んで、いい感じの服を選んでもらい、それなりに格好を整えて貰う。
うん、なかなか大人っぽくていい感じの香の匂いも付いている。
用意が出来たので、忍者に聞いてショコラを迎えに行く。
デートプランとか何にも考えてねえけど、確か一年中桜が満開の町があるって聞いた事あるな。
忍者に調べさせて、場所を尋ねる。
「一番東の国、ユウゲンノクニにある桜田門の町にございます」
「桜田門って代官がいるんだろうな。
わかった。
下がれ」
まだ空無河童は用意してねえけど、そんなもんすぐに用意出来る。
ハイ、出来た!
さて、ショコラはこの辺りに居るって聞いたが……
おっいたいた。
「準備は出来てるか?」
「ハーイ♪
出来てるよぅ♪」
「それでは、参るか」
「あはん♪
照れ隠し?
代官モードになってるよぅ♪」
「そうかもしれぬな」
俺の腕にしがみ付いてくるショコラを連れて、噂の桜田門の町へと飛んだ。
空無河童の小屋を出ると一面桜の花が咲き誇っていた。
毛虫居たら嫌だなと思っている俺の隣でショコラは「きれーい♪」と呑気に喜んでいる。
しばらく桜を満喫しながら会付いていると、茶屋がある。
折角なので覗いて見るか。
時代劇なんかでよく見る旅の途中で休憩してお団子を食べているあの店だ。
「時代劇みたい♪
お団子美味しいね♪」
「うむ、なかなかに美味だな。
熱い緑茶も旨い!」
楽しそうにしてくれているな。
本当に俺なんかとデートして楽しいのか?
ただ歩ているだけだし、途中に興味が湧くような店があったらそこに立ち寄ったりしてるだけだし。
まあいいか。
手土産に何か買ってやろう。
途中で見つけた飾屋を覗く。
ショコラに似合いそうな物っておいてないな。
全部和風の飾りだし……
ん?
鶴を模った瑠璃細工か。
色もいい感じに赤い柄だし、これならショコラにも似合うな。
店の主人に言って鶴の瑠璃細工を二つ購入する。
それをショコラに手渡すと「ありがとうぅ♪」と喜んでくれた。
経験がありゃもう少し楽しめるデートに出来たんだけどな。
一日中歩き回っただけだし、そろそろ俺も疲れてって事はショコラも疲れてるだろうな。
帰るか。
日も暮れて来ているし、丁度良い時間だと思う。
「さて、そろそろ帰るとするか」
「うん」
空無河童の小屋へ入ると、腕を引っ張られる。
「ん?
ショコラよ、どうした?」
「デートの終わりだよぅ?
なんかする事あるんじゃない?」
俺そんなに気の利く男じゃねえんだよなぁ。
アフターフォローってやつか?
何すりゃいいんだ?
俺が迷ってると不意にショコラが首に手を回して来た。
そう言う事か。
俺はそれを華麗に重心を移動させながらショコラの背後へと回り、チョークスリーパーを極める!
ダメージは無いはずだが、ショコラはポンポンと俺の腕を叩いてギブアップの合図をしている。
「少し上達したな、ショコラ」
「違うぅー!
離して!
動かないで!
じっとしてて!」
「んー……そんなに技を掛けたいのか。
じっとしててやる」
ショコラはまた腕に手を掛けて顔が近づいてくる……
させるか!
俺は足を払って肩を使ってショコラを投げ飛ばす。
「お前なんて事しようとしてんだよ!
ビックリするわ!」
「そういう気持ちになったんだから受け入れなさいよ!」
「そう言うのは恋人とやれ!」
「今日はデートしてるんだし、いいじゃない!
プンプン!」
「はいはい、お前とはそういう関係じゃないからお終いおしまい!」
ショコラは俺の瞳の奥をじっと除き、しだいに涙が溢れてきた。
やべーだろ……
そんなにキ、キキキ、キスしたかったのか?
いや、違うな。
こいつ何か言いたそうにしている。
そういやバタカフェもこんな顔してたんだよな。
声に出してその言葉を言うのが怖い。
俺の経験上そんな風に思ってる時の顔だな。
結局俺の中にあるその言葉ってのは誰にも吐き出す事なく消化しちまったが。
苦しんでるんだろうな。
でも、そんなの俺には分からねえ。
だから、あの時おれの望んだ言葉を伝えるしかねえか。
「ぶっ壊したいもんはぶっ壊しちまえ。
楽しけりゃ俺も乗っかってやる」
「何それ」
俺の望んだ言葉なんて伝えても分からねえわな。
でも、なんか飽きれて笑ってやがる。
俺達の距離なんてこんなもんでいいだろ。
ついでにバタカフェも何か抱えてんだろうし同じ事言ってやるか。
「んもぅ♪
乙女心が分かってないなぁ!
でも、おかえりって言ってくれたから、それでいいんだけどね!」
何か知らんが、ようやく城へと帰る事を許してくれた。
おかえりくらいならいくらでも言ってやるぞ。
さて、バタカフェと雪之丞にもついでに「ぶっ壊したいもんはぶっ壊しちまえ。 楽しけりゃ俺も乗っかってやる」って伝えて置くか。




