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悪将軍のお仕事はまだまだ続く

 日葵(ひまり)はまだ到着してないが、忍者達の話しではもうそろそろと言う事だ。

 そんじゃ先にショコラに話しておくか。



 忍者に確認するとすぐに居場所は分かった。

 プライバシーもへったくれもあったもんじゃねえ……



 城の中にある部屋の(ふすま)を開けると仏頂面(ぶっちょうづら)のショコラが居た。



 「ショコラ、あいつは俺の下に着いた。

  それで仕事なんだけどな。

  とりあえず何もねえからお前のボディーガードって事でいいか?

  んん!?

  どうした? なんで抱き着いて来てんだよ!?」

 


 なんかショコラ泣いてるんだけど……

 理解出来ねえ……

 前からヤバイヤバイとは思っていたが、情緒不安定すぎるだろう……

 


 「あいつが私を守ってくれる?

  わかった……」

 「えぇ!?」



 てっきり文句言われんのかと思ったが、意味が分からん。

 なんなんだよ、こいつ。

 怖えぇ……

 俺に抱き着いたショコラがじっと俺の顔を見上げて視線も合っていて見つめ合ったままだ。

 どうすんだよこれ?



 「そろそろ離れてくれ。

  もう少ししたら日葵(ひまり)も到着する。

  そしたら皆で飯を食うぞ?」

 「わかった」



 俺から離れたショコラは何を思ったのか、すぐにピョンと跳ねて首の方に抱き着いてこようとした!

 どんどん顔が近づいてくる!



 しかし愚直(ぐちょく)過ぎる!

 俺は腰を落とし足を後方から抜いて、そのまま華麗(かれい)にダッキングして(かわ)し、更に後ろへと回り間合いを取って身構える。



 「ちょっとぉ!

  なんで(かわ)すのぉ!」

 「甘いぞショコラ!

  俺にプロレス技仕掛けるつもりなら不意を突くんじゃなく技術を磨け!

  俺の隙を突こうなんて百年ははええ!」



 「んもぅ!

  いいんだもん!

  プンプン!」

 「またプンスコしてんのか?

  とりあえず飯にしようぜ」



 広間で待っていると日葵(ひまり)も到着して、昨日に引き続き今日も昼間から(うたげ)が始まった。

 毎日が楽しい!

 ご飯が美味しい!

 もっとこのゲームを楽しみたい!



 金は有り余るほどあるが、代官の時と違って何をどうするのかってのがはっきりしねんだよな。



 とりあえず城から俺の理想通りの形に作り変えていくか!

 時代劇とか詳しくねえけど、まずは武士が居なきゃ始まらねえ。



 NPCで二十人程武士を生産する。

 多分貴族って扱いだろうし、本来なら色々と国の事で口出しとかもしてくんのかもしれねえが、俺の国にそんなのはいらねえ。



 求めるのは兵士を率いる統率力と戦場で生き残る力、それにカリスマなんてのもあった方が良い。

 そう言う訳で、城の敷地内の地下に設置した巨大な施設に入って貰う。

 それぞれに五人の兵士を付けて特定のオブジェクトを破壊させて争うと言う戦いを永遠に繰り返させる。



 細かい内容はまんまMOBAマルチオンライプレイヤーバトルアリーナなんだが、Lvがリセットされたりしねえし、ゲームの仕様上色々と異なってしまう。

 とりあえず特定のMOBとなるNPCを狩る事でバフを得られる様にしたり、この戦いでのみ使えるゴールドと言う通貨を作って自陣にいるNPCから有利になるポーションなどのアイテムを買える様にしたりして、ゲームとして成り立つ様に作っていく。



 試しにルールを説明して一戦やらせて見たが中々ゲームになっている。

 問題は魔法使い的な奴もいないし、CC(クラウドコントロール)が無い事だな。

 ならこうするか。



 代表となる武士を半分の十人にしてそれぞれにリングネームをつけ、最終オブジェクトとして戦って貰う。

 その為のスキルは俺が金の力で揃えてやった。

 武士達は自陣の一部でしか行動出来ないルールにして、そこから兵士達に指示を出させる。



 兵士達の数は最初五人だったが、こいつ等をそれぞれ武士達の味方につかせるのではなく、二手に分けた。

 つまり、武士一人につき五人の味方としていたものを、五十対五十の形にする。



 どうせ一回に戦えるのは二人の武士だけだ。

 更に別のNPC達を生産する。



 こいつ等は武士に雇われる傭兵(ようへい)みたいなもんで、メイジ、ハンター、ウォーリアー、ガーディアン、アサシンの役割を持たせ、武士と同じくリングネーム付ける。

 大変だがそれぞれ五人づつ生産して合計二十五人作った。



 しかも見栄えの良い種族を選んでイカしたリングネームまで考えてたから時間も掛かってしまった。

 対戦開始すると、武士が味方として好きな傭兵を五人選んで戦うシステム。

 


 もう一戦やらせてみると、いい感じの戦いになっている!

 よし、あとは経験を積ませていけば良い見世物になるぞ。



 審判役のNPCに解説と実況用のNPCも配置する。

 こいつ等にも役割を持たせて、経験を積ませればスポーツ観戦みたいに出来て盛り上がる事だろう。


 

 あとは永遠に戦う様に指示をだして、使えると思った奴等から俺の軍へと正式採用していく。

 その際にはちゃんとした名前と役割を与えてやろう。



 そう言えば運営の公式イベントの締め切りは今日までか。

 どうせ雪之丞(ゆきのじょう)がイベント参加中は行動に制限がつくし、ショコラにもアイドル活動して貰おう。



 俺は忍者に聞いてショコラに会いに行く。

 今度は庭にある庭園か。

 庭園まで行くと一色重盛(いっしきしげなり)と二人で仲良くおしゃべりしているなぁ……

 なんで仲良くなってんだ?



 「ショコラ、一色重盛(いっしきしげなり)にはもう話したのか?」

 「うん♪

  ショコラの護衛なんだぞ♪

  って伝えたよぅ♪」



 「一色重盛(いっしきしげなり)、そう言う事だ」

 「殿のお気遣いに感謝申し上げます。

  この一色重盛(いっしきしげなり)、必ずやその(つと)め、果たしてご覧に見せます」



 「うむ!

  ところでショコラは公式のイベントに参加するのか?」

 「アイドルのやつぅ?

  興味ないかなぁ♪」



 「雪之丞(ゆきのじょう)が登録したんだが、イベント中は動けねえだろ?

  どうせならショコラにも参加して欲しいんだが、嫌なら無理にとは言わねえけど」

 「んーそれじゃあ優勝したらショコラのお願い聞いてくれる?」



 「いいけど、俺に出来る事だけだぞ?」

 「ショコラが出ちゃうと優勝間違いないしぃ♪

  一日デートして貰おうかな♪」



 「そんなんでいいのか。

  わかった、優勝したら一日デートしてやる」

 「楽しみにしてるね♪」



 全然優勝する気ねえじゃねえか。

 まあ、トップ100に入れば報酬は貰えるみたいだし、三位以内は諦めとくか。

 雪之丞(ゆきのじょう)は本気みたいだし、楽しんでもらわねえとな。



 しかたねえ、応援してやるか。



 忍者に日葵(ひまり)とひょん太郎を俺の前まで連れて来て貰い、変装して陰ながら応援する事を伝えると……



 「我も登録した」



 ひょん太郎の衝撃発言に俺は頭を抱えた。

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