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下剋上の旅

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 一色重盛(いっしきしげなり)はショコラを助けに来たんだろうし、危険は無い。

 俺があいつをどう裁くのかと言うだけの事。

 急ぐ必要は無いが……

 安息の時間を与える必要も無い。



 雪之丞(ゆきのじょう)とひょん太郎が帰って来たらすぐにでも追いかけて(しば)り上げてやる。

 その後の事はショコラに任せるとするか。

 忍者を呼び出し、二人に帰って来るよう伝言を伝えた。



 ◇



 帰って来ねえ……

 何してんだあいつ等、不貞寝(ふてね)してたら朝になっちまった。

 とりあえずご飯。



 いつもの(ごと)日葵(ひまり)を呼んで朝食にする。



 なんだか、いつもより質素(しっそ)な感じだな。

 焼いた秋刀魚(さんま)に大根おろし、玄米のご飯に味噌汁。 

 味は文句のつけ(どころ)が無く、相も変わらず旨い!


 

 しかし……いつも手心(てごころ)を加えてくれていたのに、なんか普通なんだよな。

 もしかして、ショコラが(さらわ)われたから心配しているのか?

 


 「日葵(ひまり)よ、安心せい。

  必ずショコラは戻って来る」

 「はい、信じております。

  私達の家族を取り戻して下さい」



 優しい奴だな。

 朝食を食べ終わるとやっと二人が戻って来た。



 「遅かったな。

  それで、何を得られた?」

 「ボクは三人代官を暗殺したっす!

  残るは四人だけっすね」



 「そうか、これより国を落としに行く。

  代わりの代官は後回しで良いだろう」

 「我の仕上がりは万全。

  この国に敵は無し」



 「悪く無い返事だ。

  忍者にも伝えさせたが、ショコラが一色重盛(いっしきしげなり)(さら)われた。

  危険は無いと思うが所在(しょざい)はまだつかめていない。

  忍者達に捜索させながら将軍の首を取りに行くぞ」


 

 俺達は将軍のいる城がある方へと旅立つ。

 自分の納める土地を出る事は出来ないが、将軍の城へは無条件で行ける。

 元々将軍から呼び出すイベントなんかがあったかもしれねえな。



 まあ、いまから首落としに行くんだけど。



 将軍の城までは二日ほどで辿り着く。

 途中で雪之丞(ゆきのじょう)が暗殺した代官の町があったので、そこにいつもの替え玉となるNPCおき、俺達が有利になるように戦況を整えようと思う。

 丁度将軍のいる城の手前の町だしな。



 その土地の代官が酒好きで女癖の悪い代官だったので、替え玉には三影酒女改みかげさかすけあらためと名付けた。



 最短で往復四日も日葵(ひまり)の料理が食えない事に絶句しながらも、旅の歩を進める。

 町から町へと移る間に、けっこうMOBの湧いている場所がある事に驚かされる。

 ずっと自分の町で引き籠ってたから外は新鮮だな。



 ついでにMOB狩りも楽しみつつ、先を急ぐ。

 プレイヤーもちらほら見かけるなぁ……



 一応全員正体が割れない様にしているから大丈夫だが、PKプレイヤーが現れたりしたら面倒だな。

 このゲームは町中も含めて全域でPK出来る。

 


 盗賊プレイとか出来るのは個人的には嬉しい。

 いっその事そう言う奴等がいたら懐柔(かいじゅう)するのも悪く無いか。

 まあ、こっちの情報を漏らしたくないからよっぽどの奴等じゃないと相手にしないけどな。



 救済処置として4Lv差以上ある場合は、Lvの低いプレイヤーから攻撃しない限りPKする事は出来ない仕様となっている。

 この辺りのMOBは俺達からすれば格下だし、襲って来たとしても雑魚ばかりって事だな。



 日が暮れるまで歩き続け、見知らぬ街で一番高い宿を取る。

 草臥(くたび)れた!

 ようやく休める!



 その前に飯を食わないと餓死してしまうな。

 


 宿の主人に食事を持ってくるよう手配すると、すぐに持ってきてくれた。

 牡丹鍋(ぼたんなべ)か……ふむ。

 なんかウンチ臭くね?



 食べて見ると味噌の聞いた出汁はまずまずなんだが、肉が臭くて駄目だ。

 まあ、これも旅の(きょう)じか。

 日頃俺がどれだけ恵まれているのかを教えてくれたのだと感謝して食おう。



 雪之丞(ゆきのじょう)とひょん太郎も普通だと言って喜びもせずに食べていた。

 この店の主人が料理下手なだけかもしれん。



 「そう言えば、ボク例のやつ登録したっすよ!

  イベントの時はボクいないので気を付けて下さいっす!」

 「ん?

  何に登録したんだ?」



 「アイドルっすよ!」

 「お前……野良パーティーで一言もしゃべった事ねえじゃねえか!

  アイドルなんて出来るわけないだろう……」



 「出来るっす!

  ボク需要あるっすよ!」

 「アイドル舐めてんのか?

  見てくれだけでやっていける世界なら苦労しないんだよな。

  しかも、その見てくれもキャラメイクすっから他と大差なんて付けれないしな」



 「ダンスには自信あるっすよ!」

 「んー……ダンスが上手けりゃ見栄えは良くなるだろうけどな。

  客が求めるのはそこじゃねえと思うんだよな。

  ショコラならその変まだいけそうなんだけどな」



 「なんで今ショコラさんの名前が出て来るんすか!」

 「俺達の仲間他にショコラしか比較対象いねえだろ!」



 「そっすね! そっすね!

  ショコラさんならワンチャンあるっすね!

  ボクがトップアイドルに選ばれたら結婚で決まりっすね!」

 「()ねるなよ。

  分かった、それじゃあ上位三位以内になれたら……」



 ん?

 雪之丞(ゆきのじょう)が上位三位以内になるとは思えんし、どんな約束をしても構わない。

 だが、慣れなかったらなれなかったで妙な事になるんじゃないのか?

 変な空気になって距離を置かれるのも嫌だぞ……



 「とりあえず、(めと)る事にしてやる。

  今からフォローの言葉を考えておくから安心して惨敗して来い」

 「言質(げんち)は取ったっすよ!」



 「この分だとショコラも登録してそうだな。

  俺はそっちの応援に着かせて貰う」

 「ボクが……ボクが傷つかないと思ってるっすか……?」



 「思ってねえよ。

  お前は俺と同類だ」

 「何ちょっと時めかせようとしてるんすか!

  デレるならもっとスキンシップの取り様もあるっすよ!」



 「デレてねえ。

  明日も長い旅になるんだし、そろそろ寝るぞ」

 


 明かりを消して三人川の字になって寝る。

 寝心地が悪いが、外よりはマシか……

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