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悪い方のお仕事

 さて本業の仕事も(こな)しておかないとな!



 俺のポリシーとして、楽しめない事をするのはゲーマーじゃねえ!

 だから、悪行と言っても楽しめないのはNGだ。

 ドラッグばら撒いて儲かっても楽しくないからな。



 それで、歓楽街と言えば怖い話なんてのも一つや二つあるもんだし、ホラーもある意味で楽しめるコンテンツの一つだ!

 っと言う事で唄物師(うたものし)篠笛師(しのぶえし)に幽霊の噂を流させ、遊郭(ゆうかく)の裏手にボロボロの寺を建てる。



 墓場?

 俺が怖いから無理。

 まあ、寺でも雰囲気出るだろうし俺は近づかねえけどな。



 だが、このままじゃ実入りは無い。

 だからここで悪行だ。

 噂で幽霊を見た物は呪われるとか夢に出るだとか色々と怖い噂を流し、それ専用のNPCを作る。

 偽霊媒師だ。

 もちろん寺に出る幽霊は俺のNPCが演出している。

 演出するのは奇術師(きじゅつし)で、驚かせるのかじんわり恐怖を植え付けるのかは奇術師の判断に任せた。



 こういう風に設定しておかないとガチで怖いからな!

 ちなみに奇術師は見つかっても良い様に、種族は人間ではなく、狐と狸の妖怪だ。

 プレイヤーはこの種族を選んでプレイは出来ないみたいだが、ペットとしては連れて歩けるみたいだ。

 まあ、その為には霊術師とか選ばなければいけないんだが。



 ん?

 妖怪は怖くないのかって?

 ギリギリセーフだ!

 ゲームの仕様なら幽霊だってたぶん怖くないと思う。



 これでプレイヤーが楽しめる霊感商法(れいかんしょうほう)手筈(てはず)は整った。

 うん、俺悪いなぁ!



 NPC達にも悪い事しないとな。

 町の外には落ち武者と言うMOBが徘徊(はいかい)しているらしい。

 設定の上では多分国同士の(いくさ)で逃れた兵士なんだろうし、この兵士達に向けて落ち武者狩りを行わせる。



 農民のNPCで徒党を組み、週に一度くらい狩にいかせる。

 設定上報酬も出すと言う事にする。

 落ち武者は可哀想だし、農民の欲望心も(あお)るからなかなかに悪い事だ。



 これをする意味だが、(とら)えた落ち武者や農民に罪をきせて地下格闘技場を盛り上げて貰う為だ。

 なんといってもあそこにはドラマが無い。

 それで力自慢の農民チームVS落ち武者チームの構図を浮かび上がらせる。



 闘技場の戦士達は人気の無い者は徐々に消えてゆき、人気のある者だけが残っていくと言うシステムを作り上げる。

 ちなみに、人気の無くなった者は運営である綺羅星惹夏流(きらぼしひかる)の手によって永久に抹殺される。



 NPCはリスポーンするが俺が必要の無いと判断した俺のNPCは任意の判断でデリート出来る。

 その権限の一部を綺羅星惹夏流(きらぼしひかる)に与えているので実現可能となった。

 まさに鬼の所業よな!

 ガッハッハ!



 頼むぞ越後屋!

 地下闘技場に数々のドラマを作り上げてくれ。

 


 更なる悪行を俺は執行する!

 三つの町の奉行所(ぶぎょうしょ)を全て俺の傘下(さんか)に入れ、俺の悪巧(わるだく)みに口出しできない様にする。



 更に各町の税金を多めに設定して、支払えなくなったNPCを遊郭(ゆうかく)に預けさせたり、賭博場(とばくじょう)で働かせたりする。

 戦えそうな奴は地下闘技場で第三勢力として戦って貰おうか。



 飽和(ほうわ)状態で溢れ出たNPC達には死んでリスポーンしてもらい復活した金で無理やり支払ってもらう。

 その為地下闘技場の隣の地下にも施設を作り。



 専用のNPC処刑人を作り、あえてこれを人間のNPCにやらせる。

 他種族では罪の意識も薄れるだろうからな。

 あえて聖人の様な奴にと思ったが、そのギミックを作ってまでする事じゃないだろうし面倒だ。

 よっぽどやる事がなければやってもいいが、今はしない。



 これでプレイヤーには見えない水面下で悪行を行い、そしてその悪行も奉行所(ぶぎょうしょ)の人間への根回(ねまわ)しによって隠蔽(いんぺい)され続ける。


 

 更に町民は俺の悪事に気が付くだろう?

 そう言う奴等を黙らせる為の自警団(じけいだん)も作る!

 これには、越後屋の星組みも、仁帝神農(じんていしんのう)仁帝組(じんていくみ)とも違う組織を立ち上げる。



 西治(さいじ)の町にスペースが無くなってしまっているので、仕方ないから隣町に大きな自警団(じけいだん)の為の施設を立てて、西治(さいじ)の町と共に見回りをして貰う。 



 上手く治めて欲しいので、ここは信用のある上忍をクラスアップさせ免許皆伝にし、頭領(とうりょう)にする。

 忍者なら裏工作もお手の物。

 もちろん雪之丞(ゆきのじょう)とは違う派閥になってしまうが、立場的には雪之丞(ゆきのじょう)の派閥の下である。



 構成員は当然忍者達、それとこいつらの住む施設は当然唐栗屋敷(からくりやしき)で忍者を量産してもらう為の皆伝忍者師範かいでんにんじゅつしはん皆伝忍者師範代かいでんにんじゅつしはんだいもセットだ。


 

 ついでに頭領(とうりょう)には名前も付けている。

 こいつには全国で活躍する自警団(じけいだん)頭領(とうりょう)だからな、気合をいれて有名な忍者の名前を割り当て、服部半蔵(はっとりはんぞう)と名付けた。


 

 悪行に関してはこれくらいでいいだろう。



 そろそろ雪之丞(ゆきのじょう)とひょん太郎からも連絡が来るのではないだろうか?

 どんな結果が待っているのか楽しみだ。



 とりあえず屋敷にて待機。

 待ち合わせ場所も時間も決めてはいないが、ここで待っていれば来るだろう。

 そういえばショコラは何してんだ?

 いつもどおり診療所だろうか?

 


 診療所へ行ってみると……



 (もぬけ)(から)

 何かあったのか?



 ん?



 ガサゴソと探していると一通の置手紙らしき物が机の下から出て来た。

 なになに、『ショコラが消えたら一色重盛(いっしきしげなり)を疑え』と書かれていた。

 つまり、(わざ)と捕まってついていったか。



 まあ、いまのショコラだとLvも上がって一色重盛(いっしきしげなり)に勝てそうだし、プレイヤーに捕まるなんて事は無い。



 「おい忍者いるか?」

 「御前(おんまえ)に!」



 「ここで何があったのか分かる奴はいるか?」

 「はい、一色重盛(いっしきしげなり)らしき人物の手によってショコラ様は(さら)われました。

  ですが、助けに入ろうとした所ショコラ様にお考えがあった様なので手は出しませんでした」



 「ご苦労。

  下がれ」



 よくぞ俺を裏切ってくれた。

 これでお前を躊躇(ちゅうちょ)なく(ほうむ)れる!

 仲間にした所でどのみちショコラの正体がばれて微妙な関係になるのが落ちだったからな。

 張り合える敵となってくれて嬉しいぞ。




 将軍諸共(しょうぐんもろとも)叩き伏せてくれるわ!

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