4.邂逅≪fromアリス≫
拓視点ではないパターンが登場しました!
今回からこういう時はタイトルの後に≪from誰々≫と表記します!
「なんなの、あの人...」
あ、そんなことより
「クリス兄、大丈夫?はぁ、仕方がないか、」
腹に一発叩き込む。すると、
「ぐはぁ、あぁ、アリスか。あれ?彼はどこに?」
「何も言わずに去って行ったわよ。」
「そうか。もう少し話でもしたかったんだが。彼を捕まえたのはこちら側だしな。」
「兄さん、右脇腹にあざがありますね?治してほしいですか?」
「はぁ、わかったよ、今度飯奢ってやる」
「よろしい」
魔法で兄さんの体を治す。
「ヒール」
「ありがとう」
「それにしても、彼何者なの?相当武の才能があるようだけど。それに彼エクスヒールと思われる魔法を無詠唱で発動していたわ。」
「エクスヒールって、割と高位の魔法だろ?さすがに夢でも見てるんじゃないか?」
「でも彼、戦いの後何事もなかったように帰ったわよ。」
「流石にあの攻撃が効いていないとは思えないが。そんなことあるのか?」
「とにかく彼について調べないと。」
「そうか。お前、魔法師団の次期副団長なんだろ?それぐらいは頑張れるよな。」
「これだから兄さんは恋人の一人もできないのよ。」
「うるさい。そういえば、ロンとジャックのことは聞いたか?」
「えぇ。もちろん知っているわ、彼がAランク以上の実力を持っていることは確実ね。」
「将来は西で活躍するかもな」
「そうね。」
その後私は彼のことを知るべく馬で魔法師団本部に向かい、魔法師団長を訪ねることにした。アルト王国は、主に3つの地域に分けられる。
まず、騎士団本部のある西のルーノ地方。次に、学校があり、若年層の集まる中央部のラスタ地方。最後に魔法師団本部のある東のケルロー地方である。
つまり、ケルロー地方が大陸の端ということである。大陸の端から先は海が広がっているが、少し遠くを見るとモヤがかかって何も見れない。今までにも数多くの人々が海の先を目指したが、モヤで船が見えなくなってから帰ってきた者はいない。最近は、そもそも海に行く必要がないということで、あまり航海は行われていない。
「ルーク団長、少し聞きたいことがありまして」
「なんだい?」
「エクスヒールは無詠唱で発動可能ですか?」
「僕では無理だね。脳が情報を整理できない。下位の魔術ならともかくね。西や北にはそれほどの魔術師がいてもおかしくはないが、この国でエクスヒールほどの魔法を無詠唱で発動する人はいないんじゃないかな。」
「そうですか、」
「なぜそんなことを聞くんだい?」
「実は先ほど、タクという人に出会いまして、どうも彼がBランク冒険者を2人同時に倒したそうです。その後、兄さんが彼と模擬戦を行い、兄さんが負けました。その時、彼は戦いで受けた傷をエクスヒールと思われる魔法で治療をしていました。」
「待て待て待て。君の兄さんが負けた、のか?」
「はい。」
「なるほど、武術も魔術も一流、か。アリス、彼がどこの生まれかわかるかい?」
「いえ、彼は戦いの後すぐ帰ってしまい、詳しくはわかりません。」
「なるほど。では、次タク君を見つけたら、是非私の所に連れてきてほしい。」
「わかりました」
「そうだ、少し待っていて欲しい」
団長はそう言って本棚を漁った。
「これだ。これは無詠唱魔術について書かれた文献だから、一通り読んでおくといいね。」
「ありがとうございます。」
「そういうことなら、明日は君に指導を任せるよ。明日はまだルナもトライも研修から帰ってきていないしね。その間にわたしが色々調べてみるよ」
「承知しました。団長の期待に添えるよう頑張ります」
「頼んだよ」
その後読んだ文献によると、
『そもそも魔術というのは、魔力を使って魔法を発動することである。詠唱は、魔力を使う時のメモの様なものであり、詠唱を唱えることで魔力をスムーズかつ高い練度で扱えるようになるものである。詠唱破棄は魔術の発動時間こそ短くなるものの、消費魔力、情報整理、練度などデメリットが大きすぎるうえ、相当な技量が必要なため、ほとんどの人が使わない』
らしい。これが自由自在に使えれば相当戦い方の幅が上がるだろう。
翌日。訓練が始まった。
「師団長は今から用事があるので、今日は私アリスが代理を勤める。よって、今日は私を団長と呼んでもらう。練習は先週に引き続き、初級魔術だ。」
「ということなので、私は用事に行ってくるから、アリス、後は頼んだよ」
「では、始め!」
「アリス団長、団長は無詠唱で初級魔術を扱えますか?」
「おそらく出来ないと思う。私は魔力量や魔術の練度は高いが、情報の整理は私よりトライやルーク団長の方が得意だ。」
「そうなんですね」
「あとでそれに関する文献を持ってこよう」
そう言いかけた所で大きな爆発音がした。
読んでいただきありがとうございます!
更新遅くなって申し訳ないです。反応していただけるとモチベーションになるのでこれからもよろしくお願いします!




