2.始まりの出会い
ビューン、突然と一面見渡す限り青色の世界が広がる。
目を開けると、目の前には中世のヨーロッパのような風景が広がっていた。とても幻想的だった。悠や友達には申し訳ないが、俺は悲劇のヒロインなどではなく、祝福を受けた勇者だったのかもしれない。なんつって。
本もこの世界も夢ではなさそうだ。
すると目の前に本が現れ、ひとりでに開いた。
そこには、
[デイリープレイング報酬:一日目
職業魔術師Lv.1
格闘家Lv.1
を獲得]
[現在持っている8000円をアルト王国の通貨に変換します]
[アルト語を日本語に自動翻訳します]
[魔術師の基本スキル
≪火の玉≫、≪冷凍化≫、≪岩の壁≫、≪猛風≫
≪障壁≫、≪反射≫
≪瞬間移動≫
を獲得]
[魔術師の基本スキルの攻撃力、消費魔力は職業レベルに依存します。]
[現在のステータスを確認しますか?
YES NO]
とあった。だが、ここは人通りが多いので、突っ立っていても邪魔になるだけだ。
細い路地に移動し、ステータスを確認する。
“YES”
[個体名:藤井拓
年齢:16才
職業:異世界転移者、魔術師、格闘家
職業レベル一覧
異世界転移者:1
魔術師:1
格闘家:1
攻撃力:500
体力:500
防御力:500
魔力:1000
なお、
職業 魔術師 の影響で魔力が750、
職業 格闘家 の影響で攻撃力、体力、防御力が300上昇しています]
なるほど、職業というのはステータスにも影響するらしい。なんだかワクワクしてくるな。
その時、この街の人と思われる2人組に話かけられた。
「おい、兄ちゃん、珍しい服着てんな」
「誰だ?」
「おいおい、当たりが強いぞ、有り金全部出せば許してやるからよぉ」
「俺は家もないんだ。金なんて少ししかない。やめてくれ」
この金は俺が必死にバイトして稼いだ金だ。絶対に渡さない。というか、デジャヴすぎる光景だ。俺、運が悪すぎないか?
「まあ、そういうことなら無理にでも奪ってやるよ」
その瞬間、2人が同時に襲いかかってくる。柔道部だったからか、体が条件反射のように動いた。
相手は俺の顔に殴りかかろうとしていたので、即座にしゃがみ、その攻撃を容易に避ける。その後、2人の腹に拳を殴りこむ。すると、相手は泡を吹いて倒れてしまった。しかし俺は運が悪い。その現場を通りかかったおばさんに見つかってしまった。まあ、事情を説明すればわかるだろう。
「きゃー。人がし、死んでる!」
「い、いや。これは違くて。」
「何事だ!」
「ほら、あそこ、人が死んでるんです。」
「ほ、本当だ。」
「王都の騎士団だ。お前を捕まえる!」
「いや、だから違くて...」
「言い訳は聞かん。」
ということがあり、今俺は今王都の騎士団本部で事情聴取を受けている。
「だから、あいつらが金を奪おうとしてきたんです。」
「それは本当か?」
「ああ。そもそもあいつらは死んではないはずです。あいつらに話を聞けばいいのでは?」
「まだあいつらは泡吐いて寝てるよ。しかも、あいつらはこの街では有名なBランク冒険者なんだよ」
なるほど、その街には冒険者がいるのか。冒険者とは一体何者なのか。まあいい、後で街の人に話を聞けばわかるだろう。
「Bランク冒険者ってそんなすごいのか?」
「お前、田舎の生まれか?当たり前だ。普通に頑張ってもDランク、せいぜいCランクが限界だ。街でBランクが出たら、それは本当にすごいことだ。」
「なるほど。それについて詳しく聞けないか?」
その後俺は、冒険者とは西の大陸にいる魔族や魔物の脅威からこの中央大陸を救う人々のことをいうらしく、SランクからHランクまであり、ごく稀にSSと言われる人がいると知った。そして、俺は今東の王国、アルトにいて、アルトの中でも少し田舎の街にいるらしい。王都の騎士団はここに常駐していたらしい。
「お前はそんな奴を殴り倒したんだろ?あんた何者なんだ?」
なるほど、そうだったのか。それは問題だ。でも、俺は職業レベル1だぞ?そんなことあるか?
「いや、これはだn
その時、バン!と大きな音が鳴りながら騎士団と思われる服を着た男が現れた。
「お前か、ロンとジャックを倒したというのは!」
ロンとジャックはあのチンピラのことらしい。
「はい。そうですが。」
「そうか。お前が。騎士団長が直々にお前を呼んでいるぞ。」
騎士団長?そんな偉い人がなんで俺なんかに?
「早くこい!」
「は、はい!」
連れていかれたのは学校の校長室のような場所だった。
とても緊張する。中から気配がすごい漂ってくる
-コンコンコン-
「入っていいぞ」
「失礼します」
そこにはまるで王子のような綺麗な容姿をした人が座っていた。おそらく30才ぐらいだろうか。ただ、その顔は笑ってはいなく、ただその部屋にとても強い気配を漂わせていた。
「君か。Bランク冒険者2人を瞬殺したというのは。」
「殺してはないですけどね。」
「はは。君は悪い奴ではなさそうだ。その服といい。気配といい。異質だが、とても優しそうだ。」
彼の顔が緩んだ。
「申し遅れた。私はアルト王国騎士団長クリス=セルーラだ。」
「あなたが!」
「おお、急にどうした。」
「なんでもありません」
なるほど。彼だったのか。まあ、いい。これでミッションを達成できた。さて、帰ったら現世はどうなっているのやら。そもそも帰れるのか。
そんなことを考えていると、ひとりでにスクリーンが出てきた。
[任務:アルト王国でクリス=セルーラと会う。を達成しました]
[追加任務:クリス=セルーラに勝つ。が発生しました。報酬:300万円 職業 鑑定士]
なに!?追加任務だと!これは想定してなかった。しかも、「勝つ」だと!というか、本当に俺は現世に帰れるのか?まあ、それも彼と戦ったらわかるだろう。
「そうか。君は田舎出身だと聞くからな。どこにすんでいんだろうか。まあ気になることは色々あるが、時間がないんだ。私と一戦してくれないか?」
「わかりました」
「あれ?いまなんと?」
「?ですから、わかりました」
「そんなに平然な態度を取られると、私が騎士団長であることを疑ってしまうよ。」
「あ、すみません...」
「最近事務作業に追われててあまり体を動かせてなくてね。しかも、アルト王国の騎士団は奴らの影響を受けにくいからそこまで強くない。君が気負わなくていいと思うよ。」
その後俺は闘技場と思われる場所に向かった。
「君は体術が得意なんだろう。ならば、剣は使わないね」
なるほど、騎士道とは立派なものだ。
「良い練習になるか不安ですが。」
「謙遜はしなくていいよ。では始めようか」
彼がとてつもない気配を出すと同時に俺に肉薄する。
読んでいただきありがとうございます!
まだモチベは続いてるので、引き続き応援していただけるとありがたいです!




