1.最初の記憶
いや、やはり深夜のカップラーメンほど美味しいものはないな。そんな事を思いながら、今日バイトを頑張った自分へのご褒美である夜食を頬張った。
俺は藤井拓。16才、高校2年生で柔道部に入っている。小学生のころ親にすすめられ中学受験をし、中高一貫の学校に入学した。小学生の頃勉強がつらすぎた反発で中学の頃に成績が大暴落した俺は、親から見捨てられ、激安アパートに住み、学校から見つからぬようバイトで稼いだ金でなんとかやりくりする毎日。
そんな俺の唯一の楽しみがこれなのだ。
カップラーメンを完食した俺はそのまま気絶するように寝た。
「おはよー」
「悠か。」
「また夜勤か?ちゃんと寝ろよ」
こいつは俺の親友、悠。
「バカ、でかい声で言うなよ。」
まあ俺自身そこまで人見知りではないので、学校に友は多い。学校生活はある程度充実しているが、2つほど問題があるのだ。
1つ目。小学生の頃はいつも周りに異性がいた。が、今はいない。小学の頃なんとなくこの学校に決めたからである。学校に不満はないが、女がいないというのは厳しい。まあ、俺はそこまで容姿がいいわけではないので、縁がないかもしれないが。
「おいおい、うるせえぞ。」
2つ目。これが本当に厄介だ。担任の大野である。こいつは厳しいというレベルではない。クラスを自分の国だと思っているのだろうか。理不尽な事で怒ってくる。
「すいませーん」
少し皮肉っぽく返事をした。その後無事怒られた。
放課後、悠を含め仲のいい友達と新作映画の話をしていた。今日はバ先が定休日なのである。
その時、突如目の前にスクリーンのようなものが現れた。
そこには、
[Hello master]
と書いてあり、右に矢印のようなものが書いてあった。
「!?、なんだこれ」
「何がだよ」
「いや、これだよ、これ、このスクリーン、」
「おいおい、幻覚まで見てるのか、さすがに寝たらどうだ?」
これはどうやら他の人には見えないようだ。
ってんなわけあるか。相当疲れてたみたいだ。今日はバイトないし、早く寝よう。
「ごめん、そういや今日予定あるんだわ」
と友に告げ、足早に帰路に着く。
「今日はバイトないって言って...ま、あいつにも色々あるんだろ」
さっきからずっと目の前にある本を見つめる。
好奇心が恐怖心を上回った。スクリーンが見てみる。
「この矢印はなんなんだろう。よし押そう。押すぞ...えい!」
[職業:異世界転移者
異世界転移とは、異世界に赴き、「ミッション」を攻略することで報酬を手に入れることである。]
転移?なんだよそんな。非現実的な。まあ、興味がない訳でもないがな。どうやら矢印を押すと、次の画面に飛ぶことができるようだ。
また矢印があるので、次のページに飛ぶ。
[アルト王国 攻略難易度★1
報酬:100万円
詳細]
アルト王国というのがどこかはわからないが、報酬100万か。100万!?これは魅力的だ。これでしばらく深夜のラーメン生活が続けられる。いや、それどころの額ではないな。ぐへへ。でも本当にもらえるのか?うーん。うーん。まあ考えていてもしょうがない。
よし、そうなったら善は急げだ。詳細詳細っと。
[詳細:
任務:アルト王国でクリス=セルーラと会う。
では、転移しますか?
YES NO]
なんだよこれ!詳細が詳細じゃないじゃないか!しかもクリス=セルーラって誰だよ!てか、これいつまであるんだよ。
もう、情報量が多すぎる!試しに心の中で消えろと念じる。すると、本当に消えた。
次は心の中で出てこいと念じてみる。本当に出てきた。便利なものだ。こいつは大手企業の発明かなんかなのか?もう、わからん!
その後色々試したのだが、この本は心で念じたり、声に発する事で消す、出す、画面を切り替える、という操作が可能だと知った。おそらく、選択することも可能だ。とはいっても、転移なんていう馬鹿げた話は信用できない。
まあいい、今日は早く寝て明日考えよう。
「んあーよく寝たー」
おっと、手足が動かないな。金縛りにでもあってるのかな?ってここどこだよ、これだから俺は運が悪い。手足を縄で縛られてる。解くのは難しそうだ。
見たところ転移、ではなさそうだな。これが転移なら俺は悲劇のヒロインにでもなれそうだ。
「やっと起きたか」
「ここはどこなんだ?」
「あぁ、ここはある村の倉庫だ。お前、あの藤井家の息子だろ?今すぐ親に電話しろ。ま、要するに誘拐だ。」
これが現実です。だから現世はうんざりするんです。
「すまないが俺はとっくのとうに親から縁を切られている。残念だが他を当たってくれないか」
「なるほど、だからあんなボロアパートに住んでたのか、じゃあ仕方ねぇ、顔を見られたんだ、殺すしかねぇよなあ」
「待ってくれ。絶対誰にも話さない。まだ俺は死にたくないんだ」
「人にものを頼む態度を知らないのか」
「どうかお願いします。なんでもしますから。」
「残念だな。それはできねぇよw」
あぁ、なんて運が悪いんだ。
銃口を突きつけられた。そんな死に際彼は思い出した。現世か。現世ねぇ。
一抹の不安はあったが、そんなこと言っている場合ではない。
「”出てこい””YES”」―
初めまして。初作品の初投稿ですね。私はモチベーション維持するのが苦手な方なので、読んでくれると投稿意欲が湧きます。よろしくお願いします!




