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第88話 愛の共闘


オニキス 正門前 深夜(ユウ視点)


「……まあ、ちょうどいいか……」


俺は夜空を埋め尽くすプテラノドンの群れを見上げながら呟いた。


「なにが!?」


隣にいたナツが声を上げる。


「昨日言ってたチームで戦うんだよ」

「天使戦前の腕試し」

「西京都のティラノよりマシだろ?」


ナツは拳を握りしめ、プテラを睨んだ。


「確かに……」

「これから天使と戦うってのに、恐竜にビビってられないよな」


マサキがプテラ達を見上げながら呟く。


「1チームあたり、四体討伐か……まあ行けるか」


ミツルが冷静に口を開いた。


「どこまで増援が来るかわからないからな」

「力は使いすぎるなよ?」

「持久戦を想定して戦えよ?」


「んなもんわかっとるわ!」


アキラはイラつきながらが答えた。


俺はみんなを見回した。


「正面は俺とレイナがやる」

「ベルゼブブ、遊撃隊頼むぞ?」


『オッケ~、任せて~』


ベルゼブブが軽い返事をした。


「よし……全員、六方向に散れ!」

「行くぞ!!」


全員が一斉に散開する。


俺とレイナは正門に残り、

迫り来るプテラの群れと対峙した。


「レイナ、怖いか?」


「ちょっとね……でも!」


レイナは一歩前に出た。


「負けるつもりなんてないから!」


その瞬間、レイナの身体から魔力が溢れ出す。


「妖化」


頭に猫耳が生え、

腰のあたりから二本の尻尾が伸びる。


両手の爪も鋭く変化し、

月明かりを受けて妖しく輝いていた。


「…………」


『……なに?』


俺は思わず見惚れてしまった。


「……可愛い……♡」


『そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!』


「ふぅぅぅ……わりぃ、集中するわ」


俺は咳払いをして意識を切り替える。


竜化(弱)。


武器具現化。


俺は刀の柄を握り、鞘から引き抜く。


「行くか……」


俺はレイナに視線を向けた。


「レイナ、右の一体をやってみろ」

「正面と左は任せろ」


『あんまり、あーしを舐めないでよね!!』


レイナは地面を蹴り、

右側のプテラへと突っ込んだ。


その身体が宙へ舞い上がる。


飛んでいるわけじゃない。


レイナは空中を駆けるように移動していた。


「へぇ……」


俺は感心しながらも、

正面のプテラノドンへ向かって飛び出した。


プテラノドンが巨大なくちばしを突き出してくる。


俺は刀を振るい、その攻撃を弾いた。


甲高い音が夜空に響く。


「とりあえず足止め出来ればいい……」


攻撃を受け流しながら、

俺は視線の端でレイナの動きを追っていた。


レイナはプテラの攻撃を紙一重でかわし、

着実に距離を詰めていく。


『幽影咆哮(ゆうえいほうこう)!!』


レイナの咆哮が夜空に響き渡った。


ギャアアアッ


プテラノドンの動きが止まる。


『よし!』


レイナは一気に距離を詰めた。


動きを止めたプテラを見据え、

レイナが両腕を交差させる。


『幽冥双爪(ゆうめいそうそう)!!』


両手の爪が魔力によって巨大化する。


爪を覆うのは、深い闇の魔力。


レイナはプテラをバツ印に切り裂いた。


ズバァッ!!


斬撃が走った瞬間、

傷口から亀裂のように傷が広がっていく。


次の瞬間、

プテラの巨体が四つに分かれ、

地面へと落下した。


『やった!』


「やるじゃん」


俺は思わず笑みを浮かべた。


どうやら、幽月との修行は相当な成果があったらしい。


ギャアアアアアッ!!


目の前のプテラが耳をつんざくような咆哮を上げた。


「うるせぇ!!」


俺は踏み込み、刀を一閃。


スパッ!!


プテラノドンの首が胴体から離れた。


巨体が力を失い、地面へと落ちていく。


俺は刀を振って血を払い、鞘へ収めた。


すると、レイナが俺の隣に降り立った。


『ユウ!』


「レイナ、まだ行けるか?」


『もちろん!』


レイナは満面の笑みで答えた。


俺は拳を握る。


レイナも拳を握った。


コツンッ。


俺たちは軽くグータッチを交わす。


「よし、行くぞ!」


『うん!』


俺とレイナは、プテラへ再び突っ込んだ。

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