第78話 死亡フラグ
オニキス ダイニング 朝(ユウ視点)
ナツに追い出され、
俺たちはダイニングで朝食を取り始めた。
「ちょっとからかい過ぎたかな?」
俺の言葉にミツルがニヤニヤ顔で返す。
「こういうのは、いじってなんぼだろ?」
それにアキラも同調する。
「あいつらみたいな、ピュアなタイプはこれくらいがちょうどえーねん」
するとアスモデウスが興味津々に聞いて来た。
『ねぇねぇ♡、あの二人付き合ってるの?』
「……」
「…付き合ってないと思う……」
「多分…」
『そうなんだ〜♡、早く付き合っちゃえばいいのにね〜♡』
俺はアスモデウスの言葉であることが頭をよぎる。
「……ナツのやつ、…戦いが終わったら告白するとか言わないよな?」
「「「「「「……まさか〜」」」」」」
アキラが腕組した。
「でもナツのやつ、カナ嬢が目覚したら気持ち伝えたいってゆーとったで?」
ジュンも続く。
「確かに言ってた」
「今頃、告白してるんじゃない?」
マサキが不安な顔を見せる。
「……あいつ、いざって時に先送りにしそう…」
すると、レヴィアタンが疑問を投げかける。
『戦いが終わって、ゆっくりしてからでもいいんじゃない?』
「……それだとな…、死亡フラグがなぁ…」
ミツルが言いづらそうに答えた。
『『『『『『『…死亡フラグ?』』』』』』』
魔王たちが頭を傾げる。
「……ミツル…頼んだ」
「おい…流石にめんどいって…」
「……戦いの前に、終わったら告白するとか言った奴は死ぬって言う話さ…」
『呪いの類か!』
マモンがミツルの言葉に反応した。
「呪いとまでは言わないが、そういう考えが信じられてるんだ」
「絶対そうなるって話ではないんだがな…」
『……戦いの前に不安要素を残すべきではないよな…』
「まあ、振られたら目も当てられないけどな!」
ミツルが笑いながら言うと、
ジュンが立ち上がり、身を乗り出した。
「縁起でもない事言うなよ!」
「だってわからねぇだろ!」
「女の考えてることなんて!」
自然とみんなの視線がレイナに集まる。
「な、なんでみんなこっちを見るの?!」
「レイナがカナとの付き合い一番長いし…」
「実際どうなんだ?」
「脈アリか?」
「うーん…」
「カナが組以外の男とあんなに話してるのは見たことないけど…」
「ユウみたいに兄ポジションの可能性も……」
静寂。
すると、サイが口を開いた。
「ナツって恋愛したことあったっけ?」
「「「「「「……ない…」」」」」」
マサキが頭を抱えた。
「あいつ二次元嫁にどっぷりだったからなぁ…」
アキラが俺たちの目を見る。
「振られるかもわからへんが…」
「わいらで雰囲気作って、告白させるしかないんちゃうか?」
「雰囲気って言ったって…、どうするんだよ?」
俺の疑問にアキラが即答した。
「そんなもん、綺麗な夜景で二人にさせればえーやん!」
「夜景って言ったって…」
「薄野は石田のせいで瓦礫の山だし…」
「箱館はどうや?」
「100万ドルの夜景か……」
みんなが考え込む中、
マサキが携帯を開いた。
「今どうなってるんだろうな…」
「魔物が暴れて住人もいないんじゃ……」
ジュンも携帯を開く。
「ネットを見る限り、昆虫の魔物は出てるみたいだけど…」
「ユウが核から守ったおかげで被害は少なそう…?」
アキラが勢いよく立ち上がる。
「よっしゃ!」
「実戦練習にもなるし、魔物狩りに行って来るわ!」
「アキラちょっと待ってって!」
「行くでサイ」
「めんどっ」
俺の静止も聞かずにアキラがサイを引っ張って、
ダイニングを出ていった。
「あいつら…」
頭を抱える俺の肩に手が置かれた。
ミツルだった。
「諦めろ…、アキラがあーなったらもう止まらねぇ…」
「……箱館の状況もはっきりしてないのに…」
「まあ、ダメだったらすぐ帰ってくるさ」
『私も行ってくるわ』
立ち上がったのはレヴィアタン。
『海の魔物なら私の眷属にできるし』
『それに…』
『ちょっと暇だったのよね』
『私も行く〜♡』
『恋路は応援しなきゃ♡』
バタンッ
ドアが閉まり、二人のあとを追っていった。
「ルシファー…、止めなくてよかったのか?」
『元々、我の言う事を聞く奴らではない…』
『天使との戦いまで暇という気持ちもわかるからな…』
「あぁそうかい…」
「平穏が一番だろうに…」
俯く俺の顔をレイナが覗き込んでくる。
「まあ、ナツとカナのためなんだしさ」
「できることはやってみよ?」
「ねっ?」
「はぁ、わかったよ」
(可愛い顔して、ねっ?、とか言って来るなよ!)
(選択肢なくなるだろうが!!)
「じゃあ決まり!」
「告白大作戦!」
「開始!!」
「「「「お、おう!」」」」
(ネーミングどうにかならねぇのかよ…)
箱館 上空
「なんや、あんたらもついて来たんかい」
『私も夜景見てみたいんだもん♡』
『私は眷属探しのついでね』
「……お前ら来るなら俺、いらなくね?」




