表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/70

第67話 七大天使


天界


ドクン。


六つの人形が鼓動する。


ドクン。


ドクン。


空いていた六つの玉座。


そこに存在していた白い人形達が、

次々と光を放ち始める。


眩い光。


天界全体を包み込むほどの神聖な力。


やがて、光が収まり、

そこに座っていたのは…。


六体の天使。


ガブリエル。


ラファエル。


ウリエル。


ラグエル。


サリエル。


レミエル。


七大天使、

全てが揃った。


……はずだった。


『……』


ラファエルが拳を握ろうとする。


しかし、

思うように動かない。


『これは……』


ウリエルも自分の身体を見る。


『身体が……』


レミエルが呟く。


『動かない』


六人の身体は、

まるで自分達のものではないようだった。


ミカエルは静かに目を細め、

一瞬で理解した。


『そういうことですか……』

『神が仰っていました…』

『七大天使が揃っても、まだ動いてはならない』


ミカエルは自分の翼を見る。


『依代と魂が完全に馴染んでいない』

『今、我々はこの世界に存在しているだけ』

『戦える状態ではない』


ガブリエルが苦笑する。


『随分と不便なものですね』

『神の力を借りても、適応できないとは……』


ミカエルは玉座へ向かう。


『ですが』

『これは好都合』

『我々には話し合う時間が与えられた』


大天使達がミカエルを見る。


『現在の状況を共有します』


ミカエルが語り始める。


『人類は』

『自らの兵器によって大きく数を減らしました』


沈黙。


ラファエルの表情が曇る。


『……』


『そして』


ミカエルは続ける。


『我々が排除対象としている存在』

『イレギュラー』

『竜種契約者達は生存し』

『さらに』

『魔王達も生存』

『そして現在』

『その二つの勢力は接触した可能性が高い』


ウリエルが眉をひそめる。


『魔王と竜が手を組んだ……?』


サリエルが呟く。


『ありえない』

『本来なら敵対する存在』


ミカエルは淡々と答える。


『ですが…』

『現実として』

『彼らは同じ場所にいる』


空間に映像が浮かぶ。


七つの浮遊城。


火、水、風、土、雷、光、闇。


七つの属性を宿した城が、

一つに連結している。


『現在、イレギュラー達はここにいる』

『神の許可が降り次第』

『我々七大天使と我らの眷属』

『全戦力を持って排除します』


静寂。


その言葉に。


ラファエルが反応する。


『……排除』


ミカエルを見る。


『彼らは本当に、そこまで危険なのですか?』


ミカエルは振り返る。


『神の計画を狂わせた存在です』

『それだけで十分です』


ラファエルは黙る。


ガブリエルが口を開く。


『ミカエル』

『あなたは迷いがないのですね』


ミカエルは答える。


『当然です』

『我々は神の使徒』

『神の意志を遂行するために存在する』


ウリエルが頷く。


『ならば迷う必要はない』

『世界を正しい形へ戻すだけだ』


しかし。


ラファエルは目を伏せる。


正しい形。


その言葉が。


なぜか引っかかった。


人類は確かに過ちを犯した。


多くの命を奪った。


それでも。


全てを消すことが。


本当に救済なのか。


『……』


ミカエルがラファエルを見る。


『どうしました』

『ラファエル』


ラファエルは首を振る。


『いえ……』

『何でもありません』


しかし。


その胸の奥には。


初めて生まれた疑問があった。


神は……。

なにを救おうとしているのだろうか。


ミカエルは疑問に思いながらも続ける。


『とりあえず、今は神の仰る通り』

『動かず、戦いに備えることに専念しましょう』

『魂と依代が馴染む時間を考えると……』

『おそらく七日といったところでしょうか…』


大天使達は頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ