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第66話 天使の計画


オニキス ダイニング


俺はルシファーと握手を交わした。


神という共通の敵。


本来なら交わるはずのない存在が、

同じ場所にいる。


「共闘が決まったんは、めでたいけど……」


アキラが腕を組む。


「このあとどうしよか?」


「……」


ミツルが真剣な顔になる。


「情報が少なすぎるんだよな……」


マサキも頷く。


「相手が天使だけなら戦力はこっちが優勢だとは思うが……」


サイが呟いた。


「問題は神がどう動くか…」


その言葉で空気が少し重くなる。


神。


俺たちがまだ知らない存在。


すると。


『七大天使も来てたのミカエルだけだったしなぁ』


ベルフェゴールがソファにもたれながら言った。


「そういえば」


ジュンが首を傾げる。


「七大天使って誰なの?」

「俺、四大天使しか知らないんだけど」


アモンが笑う。


『俺達の名前知ってたくらいだもんな』

『天使についての伝承もあるか』


マモンが静かに口を開く。


『七大天使は』

『ミカエル』

『ガブリエル』

『ラファエル』

『ウリエル』

『ラグエル』

『サリエル』

『レミエル』

『この七体だ』


「最初の四人は知ってるけど」


ジュンが考える。


「後半の三人は聞いたことないな……」


「それは仕方ない」


ミツルが答える。


「宗派や文献によってかなり違うからな」


その会話を聞いていたナツが俺を見る。


「そういやユウ」

「よく魔王の名前分かったな」


「ん?」


俺はニヤけながら言った。


「そりゃあ俺、漫画とかでも悪魔が好きだったからな」

「逆に天使は嫌いだったから何も覚えてねぇ」

「名前にエル付けすぎなんだよ」


一瞬の沈黙。


アキラが笑った。


「でもすごいやろ」

「俺、アモンって名前初めて聞いたぞ?」

「憤怒はサタンやと思ってたわ」


「それは……」


俺はルシファーを見る。


「俺の好きな伝承がな」

「ルシファーが悪魔になった姿がサタンっていう話だったから」

「アモンの予想で当たったってだけ」


すると。


『ユウって悪魔好きだったんだぁ♡』


声の方向を見る。


アスモデウス。


いつの間にか俺の目の前にいた。


『言ってくれればよかったのに〜♡』

『私はいつでもいいよ〜♡』


顔が近い。


「……」


次の瞬間。


レイナが俺とアスモデウスの間に割り込んだ。


「おい」

「人の男に色目使ってんじゃねぇぞ」


レイナが睨む。


アスモデウスは楽しそうに笑った。


『ん〜?』

『でも〜』

『男の子だもん』

『一人の女じゃ飽きちゃうでしょ〜?』

『私だったら飽きさせないけどね♡』


そして。


俺の腕に抱きつく。


「……」


部屋の温度が下がった気がした。


レイナの目が怖い。


「てめぇ……」

「天使の前に消してやろうか……」


「はぁ…」


俺はため息を吐く。


「悪いな、アスモデウス」

「昔だったら喜んでただろうけど」


レイナを見る。


「今の俺は」

「レイナ一筋だからさ」


沈黙。


次の瞬間。


「「「「「「「ヒューヒュー!!」」」」」」」


周りから声が飛ぶ。


『そっか〜』


アスモデウスは笑った。


『ざ〜んねん』

『でも気が変わったら言ってね♡』


そう言って離れる。


すると。


今度は。


レイナが俺の腕に抱きついて来た。


耳まで赤い。


「……レイナ?」


「ほっといて……」


「あ〜……はい」


また周りから。


「ヒューヒュー」


「仲良いなぁ」


「ごちそうさま〜!」


俺は無視した。


……まあ。


悪くない空気だった。


世界が滅びかけていても。


こういう時間があるなら。


まだ守る意味はある。


俺はそう思った…。






天界


雲の上に七つの玉座が並んでいる。


だが、座っているのは一人だけ。


『まだ依代は見つからないのですか』


ミカエルは静かに拳を握った。


予定通りなら、

すでに七大天使は揃っているはずだった。


『も、申し訳ありません…』


『おそらく魔王と竜がつながった』

『このままでは……』


《ミカエル…》


天界に響く声。


ミカエルは玉座から飛び降り、

下級天使とともに膝をつき、

小さな光に頭を垂れた。


『神よ…申し訳ありません』


《ミカエル、良いのです…》

《……悲しいことですが》

《彼らは自ら滅ぶことを選んだのです》


『……』


《依代は私が用意します…》


すると、空いている玉座に六つの白い人形が顕現した。


『ありがとうございます…』


《…力を使いすぎました……》

《ミカエル…、あの子たちが揃っても…》

《まだ動いてはなりません…》

《指示を待ちなさい……》


『わかりました、神よ…』


神の気配が消える。


ドクンッ


玉座の人形が鼓動を始めた。

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