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神の火と時の歯車、天の調律

初めての投稿です。

誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。


では、参ります!!

【ワールド3:神々のマスター・ソースコード編】

第8部(中編・後編):『神の火と時の歯車、天の調律』

1. 天の属性、15コマの絶対領域(フレーム・コントロール)

「これ以上の遅延は許容されません。……広域物理消去、一斉掃射を執行」


神々の5万の最終軍勢が一斉にその槍を引き絞り、セクター全体の全座標に向けて、空間そのものを白紙に戻す「消去光線(デリート・ストリーム)」の網を放った。天も地も、大理石の壁も、すべてが神々の圧倒的な処理物量の前に消滅しかける。


だが、その中心で、イサナギは【マスター・ハンマー】を掲げ、静かに目を閉じた。


「……みんな、ボクのテンポ(フレームレート)に付いてきて。――【天の属性:世界仕様変更(グランド・チューニング)】」


キィィィィィン――ッ!!!!!


イサナギの身体から、世界のシステムが作り出した偽りの魔力ではない、世界そのものを統べる純粋な【天の属性】の黄金の輝きが爆発的に解き放たれた。その光がセクター全体に行き渡った瞬間、世界の物理演算ルールが、イサナギの意志(ロジック)によって強制的に上書きされる。


「【15fpsのアニメーション:Lv.6・フレーム・デシメーション(極限コマ落とし)】!!!」


ガガッ……ガガガッ……!!


世界から「滑らかな動き(60fps)」が完全に消失した。

突撃してきていた5万の軍勢の動きが、まるで古いパラパラ漫画、あるいは意図的にコマを間引かれた「15コマのアニメーション」のように、不自然にカクカクとした粗い挙動へと強制変換されたのだ。


「システムエラー……! 描画フレームが……強制的に間引かれています……! 敵の座標更新(移動スピード)が、元の『4分の1』にまで低下……!」

ノワールが超高速でログを読み上げる。


そう、+1されLv.6へと覚醒したイサナギのアニメーションスキルは、ただ自分の見た目をカクカクさせるだけではない。「敵の行動データ(フレーム)そのものを物理的に間引き、世界の時間の流れを強制的に15fpsに制限する」という、神々の高速演算を完全に無力化する絶対のデバッグ領域(デシメーション・フィールド)へと進化していたのだ!


「ガガッ……ターゲットの、予測……不、可……能……」

神々の兵器たちが放った消去光線は、15コマの隙間(フレームの間)に吸い込まれ、イサナギたちの肉体に触れる直前で、カクカクとした不連続なバグデータとなって空中で霧散していく。


「お前たちがどれだけ速い数式を持っていようとも、ボクが世界の描画そのものを『15コマ』に固定してしまえば、その間の動きは存在しない(ヌル)のと同じさ!……今だ、みんな!!」


「おっしゃあ! 動かない的(まと)なら、外すわけないじゃない!!」


チェルシーの黄金の重機【アイアン・バスター】が、15コマの残像を置き去りにしながら、カクカクと静止している敵の最前線へと突撃した。

超高圧の蒸気フィストが、動きを縛られた大型削除官の胸部装甲へと直撃する。


ドグァァァァァァァァァァン!!!!!


「【魔導機械工学:超高圧物理スパナ・神砕爆圧(グランド・クラッシュ)】!!」

重機の腕が超高速で一回転し、打撃の瞬間だけが15fpsのフレームで強調される。

衝撃波がコマ遅れで戦場を駆け抜け、数十体の兵器たちが一瞬で粉々の鉄屑(ジャンク・アセット)へと錬成し直され、周囲に弾け飛んだ。


2. 不死と神速、15コマの連携(コンボ・ログ)

西側からは、カクカクとした挙動で無理やり槍を突き出そうとする1万の別動隊。

しかし、その槍がイサナギの領域に届く前に、影が滑り込む。


「カクカクした世界というのも、なかなか風情があって良いものだな」

ドラキュラさんが不敵に微笑み、自らの【真祖の不死魔法】を起動する。

彼の身体が敵の槍に貫かれる「コマ」と、次の瞬間に完全再生している「コマ」が、15fpsのテンポで交互にレンダリングされる。神々の消去コードは、その不連続なフレームの狭間で完全に処理が破綻し、ドラキュラさんの肉体に1ビットのダメージすら残せない。


「ドラキュラさんが止めている隙に……ボクの風で、フレームの隙間を駆け抜けるよ!」


シルフィアが地面を蹴った。

15fpsに制限された世界において、彼女の【神速の風魔法】は、もはや「瞬間移動」と同義だった。

あるコマでは東側にいたはずのシルフィアが、次の1コマ(15分の1秒後)には、100メートル先の敵の陣形の真裏へと、一瞬で座標を書き換えて出現する。


ザザザザザザザザザッッッ!!!!!


「【神速風魔法:空烈・連斬フレーム】!!!」

彼女が通り過ぎた跡の空間には、遅れて15コマの鋭い真空の刃がレンダリングされ、数千体の兵器たちの首が、コマ送りの映像のようにポロポロと一斉に落ちていく。神々のAIは、シルフィアが「いつ、どこを通り抜けたのか」という中間データ(フレーム)をイサナギのスキルによって奪われているため、迎撃のプロトコルすら起動できない。


「私も、負けてられないよ……! 【等価再構成】の光よ、限界を超えて!!」

アカリが両手を掲げ、イサナギの「天の属性」の光と、自身の「閃光魔法」を完全に同期(リンク)させた。


黄金と白熱の混ざり合った巨大な魔導陣が、カクカクと這い寄る5万の軍勢の頭上に出現する。


「【終焉の閃光魔法:天光・極大臨界(グランド・ノヴァ)】!!!」


ドバァァァァァァァァァァン!!!!!


セクター全体が、15fpsのフレームで「真っ白な画面」と「崩壊する戦場」を激しくフラッシュバックさせる。

光が収まったときには、西側と南側の軍勢、計2万体が一瞬で融解し、ただの溶けた白銀の液状データへと成り下がっていた。


「素晴らしい連携だ。イサナギの『15fps』によって、僕たちの魔法の処理優先度が、神々の防衛システム(カーネル)よりも常に『上位』に配置されている。これなら勝てる!」

ルミエルが脳内の魔導演算をフル回転させ、敵の残存数をカウントする。


5万いた神々の軍勢は、イサナギの「天の属性」と「+1の覚醒スキル」の前に、今や残り1万にまで激減していた。

だが、神々の牙城はこれほどの手札で終わるわけがない。

全セクターのエネルギーを逆流させ、残された1万の兵器たちが、お互いのデータを融合(マージ)させ始めた。


ズ、ズズズズ……ッ!!!


大理石の床を吸い上げ、数千体の兵器が一つに溶け合い、牙城の天井に届くほどの超巨大なバグの怪物【終焉執行神獣:オメガ・バスター】へとビルドアップされたのだ。その口の奥には、セクターそのものを物理的に爆破する「最終初期化(グランド・フォーマット)の焔」が渦巻いている。


「マスター、危険です! あの怪物の出力、このセクターの許容容量(メモリ上限)を超えています! 発射まで、残り3秒……! 15fpsの減速を力技で突破してきます!」

ノワールが緊迫した声で叫ぶ。


怪物の口から放たれる、世界を終わらせる光。イサナギの錬金術でも、その巨大すぎるエネルギーの概念を書き換えるには、コンパイル時間が足りない。

誰もが息を呑んだ、その発射の1秒前――。


カチリ。


戦場全体に、どこか懐かしい「機械仕掛けの時計の歯車」が噛み合う音が、厳かに響き渡った。


3. 神の火と時の歯車(大トリの降臨)

「――待たせたわね、イサナギ。2年間、この『時の狭間』で、あなたたちが来るのをずっと待っていたわ」


怪物の頭上の空間が、美しく静謐な「時計の文字盤」の形にパカリと開き、そこから一人の女性が舞い降りた。

20歳となり、大人の気品と、世界の時間を統べる「魔女」としての圧倒的なオーラを纏った女性――レイラだ。彼女の周囲には、無数の透明な時計の歯車が美しく公転している。


「レイラ……!!」


「【時空魔術:最果ての秒針(クロノス・ディレイ)】」


レイラが優雅に指先を弾いた瞬間、怪物の口の奥で今まさに発射されようとしていた最終初期化の焔の時間が、完全に「フリーズ(一時停止)」した。エネルギーは臨界点に達しているのにもかかわらず、レイラの魔術によって「次の1秒」へ進むことを許されず、空間に固定されてしまったのだ。


「そして――神の手抜き仕様のバックドア(脆弱性)、今ここで私がすべて公開(フルディスクロージャー)させてもらうよ」


レイラの隣の空間から、ホログラムのようにノイズを走らせて現れたのは、サイバーパンクな衣装を身に纏い、不敵な笑みを浮かべる男――プロメテウスだ。彼の周囲には、神々のマスター・ソースコードから直接ハッキングした、無数の生コードが滝のように流れ落ちている。


「プロメテウス!」


「イサナギ、君の『天の属性』の光のおかげで、神々の防衛結界のカーネルソースが丸見えだ。……これより、あの怪物の構成データに、修復不可能な『神の火(ゼロデイ・エクスプロイト)』を注入する」


プロメテウスが空中に浮かぶキーボードを高速で叩きつけると、彼の指先から放たれた真っ赤な「バグの炎」が、時間を止められているオメガ・バスターの巨体へと吸い込まれていった。

瞬間、怪物の白銀の装甲が、バリバリと不気味な赤黒いノイズを発し、その存在定義が内側から崩壊を始める。


「よし、ハッキング完了だ! イサナギ、怪物の『コアの座標』を強制的に露出させた! 君の進化した錬金術で、あのゴミデータを完全に消去(デリート)してくれ!!」


「うん……!! ありがとう、みんな!!」


4. 調律の鉄槌、マスター・コードの扉へ

イサナギは、【マスター・ハンマー】を両手で限界まで引き絞り、自身の「天の属性」の黄金の魔力を、その打撃面へと100%集中させた。


おじさんの遺した真紅の命の炎。

イサナギの持つ、世界の仕様を変える天の光。

そして、すべてのスキルが+1され、神の領域へと達した「概念錬金術」。


そのすべてが、今、一つに混ざり合い、牙城の空間全体を真昼のような黄金の輝きで満たしていく。


「【概念錬金術:Lv.6・全コード強制調律(マスター・フォーマット)】!!!」


イサナギは15fpsのフレームを突き破る速度で跳躍し、プロメテウスによって剥き出しにされた怪物のコアへと、その巨大な重槌を真っ直ぐに叩き込んだ。


ズガァァァァァァァァァァン!!!!!


それは、世界のシステムそのものを「正しい姿」へと叩き直す、調律師の渾身の一撃。

時間を止められ、バグの炎に焼かれていた超巨大神獣オメガ・バスターは、イサナギの一槌を受けた瞬間、悲鳴を上げることすら許されず、その巨体を構成する数式ごと、眩い黄金の「光の粒子(アセットの塵)」へと完全に分解・消滅させられた。


サラサラサラ……と、牙城の床に光の粉が降り注ぐ。

5万の大軍勢は、跡形もなく完全に消去され、第二セクターを覆っていた冷酷な防衛システムは、完全に沈黙した。


「ふぅ……」

イサナギは【マスター・ハンマー】を背中に戻し、静かに息を吐き出した。


「システムログ。……神々の最終軍勢の完全消滅を確認。セクター内の全脅威、排除(デバッグ)されました」

ノワールが誇らしげに告げる。


イサナギ、ルミエル、チェルシー、ノワール、シルフィア、ドラキュラさん、アカリ、レイラ、プロメテウス。

2年の歳月を経て、それぞれの地獄を生き抜いた9人の仲間たちが、今、崩壊した回廊の真ん中で、しっかりと肩を並べて立っていた。


ゴルドンおじさんの犠牲を胸に、ボクたちはここまで来た。もう、神々の手抜き仕様に怯えるような、弱いボクたちではない。


「……見事な戦いぶりだね、イサナギ」

レイラが優雅に歩み寄り、イサナギの成長した姿を見て、優しく微笑んだ。


「うん。みんながいてくれたから、ここまで来られたんだ。……行こう、この先の扉へ」


イサナギが視線を向けた先――回廊の最深部には、世界のすべての仕様を司る、巨大な真白き門『創世のマスター・ソースコード』の扉が、静かにその姿を現していた。

その向こう側に待つのは、このおバカで愛おしい世界をゴミ箱に放り込もうとしている、神々の最高位アーキテクチャ・天幻卿ヴァルガ。


「さあ、共同開発の最終フェーズ(最終決戦)といこうじゃないか、マスター」

プロメテウスが不敵に笑う。


9人の調律師たちは、固い絆と覚悟を胸に、世界の運命を決める最後の扉へと、力強く歩みを進めるのだった――!


(第8部(中編・後編):『神の火と時の歯車、天の調律』・完全終了)

みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。頑張って新しいアイデアを入れ込んでいきますので、よろしくお願いします。

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