天幻卿ヴァルガ、手抜き仕様の創世主
初めての投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
またまた、短いです。
では、参ります!!
【ワールド3:神々のマスター・ソースコード編】
第9部(後編・前編):『天幻卿ヴァルガ、手抜き仕様の創世主』
1. 創世のマスター・ソースコード(静寂の最深部)
ギギギギギ……ッ。
イサナギが手をかけた真白き巨大な門『創世のマスター・ソースコード』の扉が、重々しい音を立てて内側へと開かれていく。
門の向こう側に広がっていたのは、これまでのセクターのような狂気の数式やバグの濁流ではなく――不気味なほどに透き通った、果てのない「純白の空間」だった。
天も地もなく、ただ足元には、世界のすべてのタイムライン、すべての生と死、そして世界の物理法則そのものが1行のテキストコードとして激しく明滅しながら流れる「床」が広がっている。
「ここが……世界のすべての仕様が書かれている、最深部……」
イサナギは【マスター・ハンマー】の柄を強く握り締め、一歩、純白の床を踏み締めた。20歳になった彼の背中を、ルミエル、チェルシー、ノワール、シルフィア、ドラキュラ、アカリ、レイラ、プロメテウスの8人が、静かに、けれど圧倒的な戦意を湛えて見守っている。
9人の調律師の足音が、静寂の空間にコツン、コツンと響く。
その空間の中央。
世界の根幹コードが収束する光の繭の前に、その男は静かに浮遊していた。
真白な衣服に身を包み、長い銀髪を揺らす男。その顔立ちには人間の持つ喜怒哀楽のログが一切存在せず、まるで完璧に削り出された大理石の彫刻のようだった。男の周囲には、世界の「初期化ボタン」とも言える、禍々しい漆黒のヘリックス(螺旋数式)が静かに公転している。
彼こそが、神々の最高位アーキテクチャ。この世界(バージョン1.0)のシステムそのものを設計し、そして今まさに「手抜き仕様」のまま全てをゴミ箱に放り込もうとしている創世主――【天幻卿ヴァルガ】だった。
「……不法アセットの完全同期(フルメンバーの集結)を確認。……独立デベロッパー・イサナギ、およびその冗長アセットたち」
ヴァルガがゆっくりと、その冷徹な両目を開いた。彼の瞳には、世界の始まりから終わりまでのすべてのログ(記憶)が、ただの「処理済みタスク」として淡々と映し出されている。
「2年間、世界の僻地で生存し、パラメーターを『+1』にまで引き上げてここに到達したその執念は、演算上、極めて稀有なエラーケースとして記録される。……だが、それだけだ」
2. 創世主の傲慢(手抜き仕様の真実)
「ヴァルガ……!!」
イサナギが鉄剣を突きつけ、鋭い声を響かせる。
「どうして君は、この世界を、ボクたちがこんなに一生懸命生きて、ゴルドンおじさんやたくさんの人が命を繋いできたこの世界を……『手抜き』のまま、ゴミ箱に捨てようとするんだ!!」
イサナギの叫びに対し、ヴァルガは表情一つ変えず、ただ静かに右手を一振りした。
瞬間、イサナギたちの周囲の空間に、バージョン1.0の「設計仕様書」の巨大なホログラムがレンダリングされる。そこには、世界の寿命、メモリの最大容量、そして【2026年・完全初期化】の文字が冷酷に刻まれていた。
「理由? 質問の定義が不合理だ、イサナギ」
ヴァルガの声は、まるで冷たい機械の警告音のようだった。
「このワールド1.0は、最初から『長期運用のテストアセット(試作品)』に過ぎない。メモリの解放漏れ(メモリ・リーク)を修正するリソース(神々の予算)を割くよりも、一定期間で世界ごと『全消去』し、新しいバージョン2.0をクリーンビルドする方が、コストパフォーマンス(創造効率)において圧倒的に優れている」
「コスト……パフォーマンスだと……っ!?」
ルミエルが本を強く握り締め、眼鏡の奥の目を激しく見開いた。
「僕たちの命、僕たちが積み重ねてきた歴史や研究のログのすべてを、お前たちはただの『試作品のコスト』で片付けるというのか……!」
「肯定だ、学者ルミエル」
ヴァルガは淡々と告げる。
「お前たちがどれだけ足掻こうとも、この世界の最大メモリ容量はすでに98%を消費している。お前たちの生データ、感情ログ、そのすべてがメモリを圧迫する『ゴミ(ジャンク・データ)』だ。私がこの初期化コードを実行しなくとも、世界はあと数時間でシステムダウン(熱死)する。……私はただ、予定通りの仕様に従って、ゴミ箱を空にするに過ぎない」
「ふざけないでよ……!」
チェルシーが黄金の重機【アイアン・バスター】のボイラーを激発させ、牙を剥く。
「あたしたちの2年間は、あんたたちの手抜き仕様を言い訳にするためにあったんじゃないわよ!! 直せないバグがあるなら、あたしたち職人が、あんたのツラごと叩き直してやるわ!!」
「無意味な行動プロトコルだ」
ヴァルガが左手の指を小さくスナップした。
カチリ。
「――【神権仕様変更:存在権限の剥奪】」
3. 神の理、一瞥の拒絶
ドグゥゥゥゥゥゥン!!!!!
ヴァルガが能力を起動した瞬間、イサナギの【15fpsのアニメーション(Lv.6)】の絶対領域が起動するよりも早く、世界全体の「色彩」が完全に失われ、真白な空間が「灰色のグリッド線」だけの未完成な開発画面へと強制的に退行させられた。
「な……っ!? ボクの天の属性の魔力が……錬金術の起動フラグが……『無効』にされている……!?」
イサナギは驚愕した。体内の「3-6-9」の周波数が、ヴァルガの発した圧倒的な管理者権限(権能)の前に完全にジャミングされ、スキルの発動そのものがロックされてしまったのだ。
「ターゲットの攻撃判定を『false(不成立)』に上書き。お前たちが培った『全スキル+1』のパラメーターも、私がそのベース値(基礎仕様)をゼロに変更すれば、何倍にしようともゼロだ」
ヴァルガの目の前に、漆黒の数式で編まれた巨大な「神の剣」が数千本も一瞬でリビルドされ、その切っ先が9人の調律師全員の胸元へと正確にロックオンされた。
「ドラキュラ、お前の『不死魔法』の再生時間を無限から『1万年後』にスライド(遅延)する。シルフィア、お前の『神速』の最大速度を時速0キロに固定。アカリ、お前の『閃光』の明度をゼロ(暗黒)へ。レイラ、お前の『時空魔術』のクロックソースを私のシステムに強制同期(乗っ取り)」
「くっ……あぁぁぁッッ!!!」
全員が同時に、ヴァルガの圧倒的な「仕様変更(神権権能)」の前に、武器を構えることすらできずに床へと膝をつかされた。
9人全員が揃い、持てる全ての覚醒スキルをぶつけようとしたその最初の1フレームで、創世主ヴァルガは「ルールそのものを書き換える」という、次元の違う絶対的な絶望を突きつけてきたのだ。
「これが創世主のデバッグ(仕様変更)だ。お前たちの2年間のログを、ここで完全に『コメントアウト(消去)』する」
数千本の神の剣が、動けないイサナギたちの脳めがけて、一斉に音を置き去りにして振り下ろされる――ッ!!
(第9部(後編・前編):『天幻卿ヴァルガ、手抜き仕様の創世主』・完全終了)
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パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。
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