表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/43

地下セクター「未完成のアップルパイ迷宮」

初めての投稿です。

誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。


では、参ります!!

## 第15章:地下セクター「未完成のアップルパイ迷宮」


ズシィィィィン……!!!!!


「――システム・アナウンス……。ただいま、第一層のシリアス・フィールドから、地下の『廃棄されたバージョン1.0:アップルパイ建築セクター』への強制レイヤー移動エスケープが完了しました。……周辺のオブジェクトが、ひどくバグった古い3Dグラフィックでレンダリングされています。ご注意ください……」


暗黒のロード画面が明けると、私たちはひんやりとした、しかしどこか甘酸っぱい香りが漂う地下迷宮の床に放り出されていた。


「痛たたた……。ひどいリダイレクト(座標移動)だったわね。みんな、無事……?」

18歳のレイラが、蒼海石の杖の淡い光で周囲を照らしながら立ち上がった。


そこは、上層の冷酷な鉄錆の世界とは打って変わり、巨大な「四角いパイ生地のブロック」や、古くなってテクスチャが剥がれかけた「リンゴのステンドグラス」が壁を構成する、奇妙な未完成の地下空間だった。

だが、そのどれもが、過激派の神々(ヴァルガ)にアップデートを拒否され、見捨てられた残骸のように静まり返っている。


「ガハハ、何とかデータは無事のようだが……。あのアカリの嬢ちゃん、一人で大丈夫だったかのう」

ゴルドンおじさんが、半分削れたHPゲージをさすりながら、錆びたパイ生地の壁に背中を預けた。


「……アカリちゃんのグラフィックログは、現在『行方不明(拘束状態)』です。デリート・ゼロに完全消去されてはいないようですが、上層のセキュリティにロックされている可能性が極めて高いです」

ノワールが耳のデバイスを弱々しく明滅させながら、冷徹な状況を弾き出す。


私は、背中のリュックから、バラバラになった「緑色の買い物カゴ(30L)」のパーツを床に並べた。

引き裂かれたプラスチックのボディ、軸の折れたゼンマイ、引きちぎられたプログラムコードの文字列。いつもなら「おバカな大逆転」の光を放っていたカゴが、今はただの、物言わぬジャンクパーツとして転がっている。


「チェルシー……、これ、直らないかな……?」

私の声は、自分でも驚くほど震えていた。カゴが使えないというだけで、自分の『調律師デバッガー』としてのアイデンティティが、半分消えてしまったような喪失感に襲われていた。


チェルシーは、床に散らばったカゴの残骸をじっと見つめ、自慢の巨大スパナを強く握りしめて首を横に振った。

「……ごめん、イサナギ。あたしの技術パッチワークじゃ、これはもう直せない。デリート・ゼロの一撃は、ただ物理的に壊したんじゃなくて、カゴの持つ『ギャグ補正のシステム仕様コンテキスト』そのものを、根こそぎ消去(初期化)しちゃってるんだ。外見を繋ぎ合わせても、中身の『おバカな吸引力』が、もうどこにも残ってないんだよ……」


「そんな……、じゃあ、ボクたちはもう、あのシリアスなボスにギャグで勝つことはできないの……?」

レイラが絶望に瞳を曇らせる。


ギャグが通用しない。カゴも使えない。15コマのステップも、デリート・ゼロの120fpsの超高速フレームの前には、ただの「動きの遅い標的」でしかなかった。

私たちは完全に、天幻卿ヴァルガの完璧な仕様シリアスの前に詰みかけていた。


---


## 第16章:失われた「黄金比」と、おバカの原点


「――ふん、諦めるのはまだ早いわ、若き調律師たちよ」


その時、迷宮の奥に広がる「巨大なオーブン型のレンガ造りの部屋」の暗闇から、カチ、カチ、と、古風なタイマーのような足音と共に、一つの巨大な影がフェードインしてきた。


現れたのは、頭部が「巨大なコック帽」の形をした、全身が小麦粉のパーティクルで白く染まった古いドット絵のアンドロイド――【元・第五ステージ名誉シェフ:オーブン・マイスター】だった。

彼のグラフィックは解像度が低く、輪郭がギザギザ(アンチエイリアスなし)になっていたが、その瞳には、古いバージョン1.0の誇りが脈々と宿っていた。


「お前たちが上層でデリート・ゼロに敗れ、カゴを破壊されたバグアセットだな。……アカリが命を懸けてお前たちをここへ逃がした理由、よくわかるぞ。そのカゴには、かつて私たちがこの世界を作った時の『大切なコード』の匂いがする」


「シェフ……! カゴを直す方法が、この地下にあるってアカリちゃんが言ってたんだ! 何か知ってるの!?」

私は藁にもすがる思いで、オーブン・マイスターに駆け寄った。


マイスターは、部屋の中央にある古い調理台ワークベンチを指し示した。そこには、埃を被った一枚の「古い設計図ブループリント」が広げられていた。


「あのデリート・ゼロの『絶対の防壁セキュリティ』は、この世界のすべての“美しさ”と“シリアス(効率)”を極限まで計算して作られた完璧な数式コードだ。普通の方法では、傷一つ付けることはできん。

だがな……、彼ら過激派の神々が、最も嫌い、最も恐れ、そして『最も計算できない数式』が、かつてこの第五ステージの根幹に眠っていたのだ。……それが、【黄金の幾何学:180°折り返し・ダブルレイヤー・アップルパイ構造】だ!」


「アップルパイの、構造……?」

私とレイラは顔を見合わせた。


「そうだ!」マイスターの解像度が、熱弁によって少し上がった。

「本来のこの世界は、完璧に計算された折り目のパイ生地を、『180度(180°C)』**の熱風で限界まで膨らませ、その層の中に、無限の『甘さと、驚きと、おバカな笑顔』を何重ダブルレイヤーにも折り込む、超本格的かつ、最高にハッピーな建築スポーツ世界だったのだ!

だが、ヴァルガは『パイの折り目など、データの無駄。味のグラフィックなど、処理のラグだ』として、その黄金比のコードをすべて削除し、世界を冷酷な鉄錆に変えた。デリート・ゼロの数式は完璧だが、それは**【1ミリの無駄ギャグも存在しない、完全に冷え切った数式】なのだ!」


マイスターは、私のリュックの中の壊れたカゴを凝視した。

「少年よ、お前のカゴは死んでいない。ただ、『おバカの熱量(温度)』が足りずに凍りついているだけだ。この地下迷宮の最深部に眠る、バージョン1.0の遺物【原始の180°C熱風オーブンコア】**の熱を使い、お前のカゴの残骸と、この世界の失われた『アップルパイの黄金比コード』を同時に焼き固める(コンパイルする)のだ!

そうすれば、カゴは単なるお笑いグッズを超えた、世界の理不尽な数式そのものを『サクサクのギャグ』へと上書き修正する、究極の**【調律兵器】へと進化を遂げるだろう!」


「カゴが、進化する……!? アップルパイの、黄金比で!?」

チェルシーの目が、メカニックとしての本能でギラリと輝いた。

「おもしろいじゃない! 完璧に計算された冷たい数式なら、計算の斜め上をいく『180度へし曲がったサクサクのバグ』をぶち込んで、システムエラーを起こしてやればいいんだ!」


「よし……! やろう、みんな! アカリちゃんが上層で持ちこたえてくれている間に、ボクたちの最高のおバカなアップルパイを、この世界に焼き付けてやるんだ!」


私の宣言に、パーティの全員が、カゴを失った絶望を吹き飛ばすような、最高の笑顔フルカラーを取り戻して拳を掲げた!


---


## 第17章:最深部への疾走と、迫り来る黒い足音


「――待たせるな、バグデータども。お前たちの逃げ場など、最初からこの世界のどこにも存在しない」


ゴゴゴゴゴゴ……ッッッ!!!!!


突然、地下迷宮の天井のパイ生地ブロックが「バリバリバリ!」と引きちぎられ、上層からの漆黒のデータノイズと共に、あの冷酷な騎士【デリート・ゼロ】が、120fpsの滑らかな着地で私たちの目の前にフェードインしてきた。


「なっ、もう追いついてきたの!? アカリちゃんはどうしたのよ!」

レイラが蒼海石の杖を構え、叫ぶ。


「あの演出プランナーなら、すでにシステムログの檻の中に完全ロック(隔離)した。次はお前たちの番だ。この地下セクターごと、未完成のゴミデータとして一括デリートしてくれよう」

デリート・ゼロが黒鉄の大剣を静かに引き抜くと、彼の放つ消去オーラ(デリート・ノイズ)によって、周囲の古いリンゴのステンドグラスがパパパン!と音を立てて次々と消滅(非表示)していく。


「ヒエッ! 地下の古いコードまで消し去る気かい! イサナギ、ここはあたしたちが食い止める! あんたはマイスターと一緒に、一番奥のオーブンコアへ走りな!」

チェルシーが、巨大スパナのゼンマイを限界までキリキリと巻き上げ、ノワールと共にデリート・ゼロの前に立ちはだかった。


「了解です。マスター、カゴの再コンパイルを最優先してください。ここは我がクレーンアーム(アセット強度1000倍)のすべてを賭して、15コマの防衛線を維持ホールドします」

ノワールが無表情のまま、その腕を巨大なクレーンへと変形させ、デリート・ゼロの大剣の軌道を力任せに受け止めた。


ガキィィィィィィィィィィン!!!!!!


「行くぞ、少年! 黄金比のオーブンコアは、この先のパイ生地の螺旋階段を降りた先だ! 走れ!」

オーブン・マイスターがドット絵の粉煙を上げながら先頭を走る。


「みんな、絶対に死んじゃ(デリートされちゃ)駄目だからね! すぐに、最高のカゴを持って戻ってくるから!!!」


私はバラバラのカゴを抱きしめ、マイスターと共に、地響きを立てて崩れ落ちる地下迷宮の奥深くへと、全速力でステップ(15コマダッシュ)を刻み始めた。

背後からは、チェルシーたちの怒号と、デリート・ゼロの冷酷な大剣の風圧が、迷宮の壁を容赦なく削り取る凄まじい破壊音が響いてくる。


世界の存続を賭けた「最終ベーキング(大デバッグ)」の火蓋が、地下100メートルの最深部で、今まさに切って落とされようとしていた――!


(――おバカ調律師、怒濤の中編、完全終了! 次回の後編【決戦:180°Cの熱風大爆発! カゴ新生&デリート・ゼロ完全調律(サクサク調理)編】へ、最高の焼き加減で続く!)

みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。頑張って新しいアイデアを入れ込んでいきますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ