おバカなデバッグ脳がさく裂 ~他のスキルいらなくね!~
初めての投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
いつもつたない文章を読んでいただきありがとうございます。
では、参ります!!
第1章:プランナーの帰還と、10Lの限界容量(お約束のチェックアウト)
「――あはは、本当によかったよルミエル! 一時はどうなるかと思ったけど、やっぱりバナナの皮の物理演算は世界を救うね!」
ルミエルを縛り付けていたヴァルガの吸魔ケーブルが消滅し、パステルピンクの悪趣味なセクターが、本来の重厚なドワーフ風の石造り迷宮へとレンダリング修復された直後。 私は、背中にある「容量10リットル(超絶下方修正版)」の買い物カゴの底を覗き込みながら、ホッと胸をなでおろした。
「本当にイサナギのディレクション(おバカな発想)には呆れるよ。僕の完璧な暗号化プロテクト(バリア)の中に、カゴの斥力バグを使って『時速5000キロの骨クズせんべい』と『バナナの皮』を逆流インジェクション(強制挿入)するなんてさ……。仕様書のどこを探したって、そんな例外処理のコード、載ってるわけがないじゃないか」
ルミエルは、手にした万年筆型の魔導具をクルクルと回しながら、仮面の外れた素顔で苦笑いした。3年前と変わらない、少し気弱で、でもどこか誇らしげな、僕たちのチーフ・プランナーの「フルカラーの笑顔」がそこにあった。
「ふん、結果オーライよ! でもルミエル、あなたが戻ってきてくれたおかげで、ようやくこの『旧データ廃棄迷宮』の真の構造がはっきりしたわ。このまま最深部に囚われているドワーフのゴルドンおじさんも、一気に救出しにいっちゃいましょう!」 レイラが蒼海石の杖をシャキーンと構え、やる気満々で迷宮の奥を指差した。
しかし、その瞬間。私の脳内の15コマの基本クロックから、またしても不穏な「警告メッセージ(ポップアップ)」がけたたましく鳴り響いた。
『――警告。ユーザー:イサナギの脳内CPU、および【収納(容量10L制限)】の内部データが、先ほどの連続錬金術および超高圧逆噴射の反動により、致命的な「キャッシュ・オーバーフロー(熱暴走)」を起こしています。このまま戦闘アセットの読み込み(ロード)を継続した場合、3秒後にシステムが完全にハングアップ(強制終了)します』
「え……? あ、あはは……みんな、ごめん。なんか急に視界のコマ数が……またガタガタと……」
ドクン……! と世界が歪む。 15コマで滑らかに動いていたレイラの髪の毛が、パタ、パタ、と不連続に飛ぶ。 治ったはずの『8コマ(超・低フレームレート)バグ』が、連続過負荷のペナルティとして、最悪のタイミングで再起動してしまったのだ。 おまけに、私の背中の10Lカゴからは「プシュー……」と、ノートPCが爆発した時のような虚しい排熱の煙が立ち上っていた。
「ちょっと待ってマスター!? 身体のグラフィックがまたトゲトゲのウニみたいに変形(ポリゴン化)し始めてるわよ! 完全にメモリリークを起こしてるわ!」 ノワールが私の身体を支えようとするが、私の当たり判定がガタガタとブレているせいで、彼女の手が私の服を透過してしまう。
「クク……。やはり、あの四天王のプロテクトを強引にギャグでねじ曲げたツケが回ってきたな。少年、動けるようになった途端に3日間ふて寝していたというのに、起きて数分でまたシステムクラッシュとは、つくづく世話の焼ける調律師だ」 ドラキュラが呆れたようにため息をつき、私の襟元を後ろからひょいと持ち上げた。
「アハハハ! イサナギ、これじゃあゴルドンを助けに行くどころか、目の前の段差を飛び越えることすらできないよ! ほら、一歩進むたびに足が床に3センチ埋まってる!」 シルフィアが私のマヌケな歩行モーションを見て、お腹を抱えて笑っている。
ルミエルは自身の万年筆をサラサラと走らせ、私のステータス画面を深刻な顔でチェックした。
「……うん、ダメだね。イサナギの脳内キャッシュが完全にゴミデータでパンパンだ。僕のプランナー権限で『臨時の拡張メモリ』を書き足そうにも、土台となるシステムそのものが熱暴走しているから、パッチ(修正コード)を受け付けない状態(アクセス拒否)になっている。……レイラの言う通り、このままゴルドンおじさんのいる【最深部:レガシーコア】に突入したいのは山々だけど……あそこはヴァルガが直接管理している、この迷宮で一番処理の『重い』危険なセクターなんだ。今のガタガタの8コマのイサナギが足を踏み入れたら、一瞬でデータごと完全に破棄されちゃうよ」
ルミエルの言葉に、一同の表情が引き締まる。
「……ということは、やっぱり……」 私がカクカクとした挙動で口を開くと、レイラが力強く、そしてどこか誇らしげに微笑んで、私の頭を優しく撫でた。
「ええ、そうよ! 私たちのパーティの伝統(お約束)の、あれを発動させる時ね! ――みんな、不本意だけど、大逆転のその先へ進むための、『一度の戦術的撤退(一時エスケープ)』は、大いにありよ!」
「「「オオオオオオオオオッッッ!!!」」」
「よし! ルミエルの安全なバックアップ・セクターへ、全員一括フェードアウト(退避)だァァァッ!」 私はプロメテウスの巨大な手のひらの上にカクカクと転がり込み、私たちはゴルドン救出を一歩手前で一時保留し、お約束の「超特急・一時撤退」を決行するのだった!
第2章:安全セクター『プランナーズ・ルーム』での作戦会議
ザザザァァァァ……。
次に僕たちがフェードイン(リビルド)したのは、ルミエルが個人的にヴァルガの監視の目を盗んで構築していた、秘密の隠れ家レイヤー――通称【プランナーズ・ルーム】だった。 周囲には、アニメーションの絵コンテや、世界の物理演算を調整するための数式が書かれた羊皮紙が壁一面に貼られ、部屋の中央には、ドワーフ風の頑丈な作業机と、なぜか「コタツ」のようなぬくもりのある家具アセットが配置されていた。
「ふぅ……。ここならヴァルガの防衛プログラム(アプデ)も入ってこれないよ。イサナギ、とりあえずそのコタツに入って、脳内のリフレッシュレートが15コマに戻るまで大人しく『システム休止』していて」 ルミエルが温かいお茶(グラフィック:湯気付き)を淹れてくれた。
「ありがとう、ルミエル……。やっぱり一度の撤退は正義だね。あのまま無理に突入していたら、今頃ボクたちの存在そのものが『不具合アセット』としてゴミ箱行きだったよ」 私はコタツに下半身を突っ込み、カカカと震える視界を落ち着かせながら、温かいお茶をすすった。脳内のタイムシートを確認すると、あと数時間で、完全リブートが完了して15コマのフルカラーに戻る予定だ。
「それにしても、ルミエル。ゴルドンおじさんは、今迷宮のどこに囚われているの? あなたは四天王だったんだから、詳しい仕様(座標)を知っているんでしょ?」 レイラがコタツの対面に座り、ミカン(ドロップアイテム)を剥きながら問いかける。
ルミエルは表情を曇らせ、部屋の壁に一枚の巨大な「迷宮の全体設計図」をピンで留めた。
「うん……。ゴルドンおじさんが閉じ込められているのは、この迷宮の一番底にある【第5セクター:レガシーコア(遺産データ格納庫)】。そこは、3年前に世界がバージョン2.0に改悪された時、古い世界(バージョン1.0)の『すべての地形アセットのマスターデータ』が封印された、言わばこのセピア大陸の心臓部なんだ」
「世界を元のフルカラーに戻すための、マスターデータ……!」 ノワールが息を呑む。
「そう。ヴァルガ様――いや、あの改悪AIヴァルガは、ゴルドンおじさんの『神話級ドワーフ鍛冶スキル(データ作成権限)』を無理やり利用して、そのマスターデータを完全に消去し、世界を永久にあの味気ない白磁の『バージョン2.0仕様』に固定しようとしているんだよ。……そして、そのゴルドンおじさんを守る(監視する)ために、最深部には僕以外の『残りの四天王2人』が、完璧な連携陣形を組んで待ち構えているんだ」
ルミエルが万年筆で設計図の最深部をトントンと叩くと、そこに2つの禍々しい真っ赤なエネミー・アイコンがフェードインしてきた。
「残りの四天王……一体、どんなクソ仕様を持った奴らなの?」 シルフィアがミカンを丸ごと口に放り込みながら身を乗り出す。
「一人は、[特級デバッグ執行官] ヴァルキリー・ノイズ。彼女は、触れたアセットの『当たり判定』を瞬時に消去して、あらゆる攻撃をすり抜けさせる、絶対透過(すり抜けバグ)の達人だ。 そしてもう一人は、[最高システム監査官] ログ・ゴーレム。こいつは、僕たちが戦闘中に使ったすべてのスキル、全ての攻撃魔法の履歴をリアルタイムで解析し、2回目以降の攻撃の威力をすべて『0ダメージ(仕様無効化)』に変えてしまう、超絶お固いカウンターの鬼さ」
「攻撃がすり抜ける四天王と、同じ攻撃が二度と通じない四天王……!? 嘘でしょ、そんなの完全に勝てない仕様(詰みゲー)じゃないのよォォォッ!」 レイラがコタツの天板をバンバンと叩いて理不尽さに憤慨する。
「クク……。攻撃が当たらぬ上に、二度目の技は無効化されるか。運営の嫌がらせも、ここまで極まると逆に芸術的だな」 ドラキュラがクスクスと笑うが、その黄金の瞳の奥には、吸血鬼の王としての絶対的な闘志の炎がメラメラと燃え盛っていた。
(すり抜けバグと、ログ解析無効化……。普通に戦ったら、ボクたちの15コマの連携だって一瞬で見切られて、全滅させられちゃう。……でも、ボクの背中には、さっきルミエルの斥力バグによって『材料ありで10Lのホワイトホール大噴火』へと最凶の下方修正を食らった、この買い物カゴがある……)
私はコタツの中で、自身の脳内CPUを限界までクロックアップさせた。 あの四天王2人のクソ仕様を、この10Lカゴの「大噴火バグ」と掛け合わせたら、一体どんな大爆笑のケミストリー(バグ技)が生まれるか――。その完璧な「おバカな新コンテ(プロット)」が、私の脳裏に黄金のパッチコードとなってフラッシュバックした!
「……キタ、キタキタキタァァァッ! 脳内のファンがキュイィィィィィンって最高速で回転し始めたよ!」
次の瞬間、僕の視界を覆っていたあのガタガタな8コマの残像が、爽快なレンダリング効果音と共に、完全に同期された『通常の15コマ(フルカラー・ストリーム)』へと完全リブートしたのだ! 手のグラフィックの透過エラーも100%全快!
「お待たせみんな、リフレッシュ完了! カゴの容量はまだ10Lのホワイトホール状態だけど、ルミエルの情報のおかげで、あの四天王2人を同時にデバッグ(お笑い討伐)する、最高にマヌケな大逆転のプロットが完成したよ!」
私がコタツから勢いよく立ち上がり、蒼氷の鉄剣をシャキーンと抜刀すると、プランナーズ・ルーム全体に勝利のファンファーレ(効果音)が鳴り響いた。
「さぁ、一度の撤退を経て、ボクたちのフレームレートは最高潮だ! 旧データ廃棄迷宮の最深部へ突入し、四天王を纏めてデバッグして、ドワーフのゴルドンおじさんを絶対に救い出しにいこう! 【ゴルドン救出・最終リベンジ作戦】、出撃だァァァッッ!!」
「「「「「オオオオオオオオオオッッッ!!!!!」」」」」
ルミエルを新たに仲間に加えた僕たち7人のパーティ・アセットは、フルカラーの調律マナをこれでもかと輝かせながら、迷宮の最深部【レガシーコア】へと向かって、一筋の光の残光となって突撃していった!
第3章:最深部レガシーコアの決戦(すり抜けとログ解析の恐怖)
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
迷宮の最下層、そこは世界の全ての根幹データが明滅する、巨大な「白磁のサーバー室」のような空間だった。 部屋の中央には、巨大な光の繭が浮かび、その中に、へそを曲げたような顔で頑固に腕を組んだ、ヒゲモジャの頑固ドワーフ――【ゴルドンおじさん】が、ヴァルガの消去プログラムに囲まれて囚われていた。
「おい、イサナギの坊主じゃねえか! 遅いぞ、何が調律師だ! 3日もふて寝してやがったのを、ワシはここからシステムログで全部見てたんだからな!」 カプセルの中からゴルドンおじさんが怒鳴り散らす。
「あはは、ゴルドンおじさん、待たせてごめん! 今すぐそこから出してあげる――」 私が一歩踏み出そうとした、その瞬間。
頭上のサーバーレイヤーから、キィィィィィィンという鼓膜を引き裂くような電子警告音と共に、2人の巨大な影がフェードイン(スポーン)してきた。
一人は、全身がバグったポリゴンの残像でブレており、巨大なデジタル大鎌を構えた漆黒の戦乙女――[特級デバッグ執行官] ヴァルキリー・ノイズ。 もう一人は、全身がエラーログのテキスト(文字列)で形成された、全高5メートルを超える巨大な石の魔神――[最高システム監査官] ログ・ゴーレム。
『――不法侵入アセットを検知。……仕様書に基づき、これ以上のリテイク(上書き修正)を絶対拒絶します』
「アハハ! 来たね、運営の回し者ども! 先手必勝、我の最大風速を喰らいなさい! ――ソニック・スライサー(超音速風刃)!!」 シルフィアが先陣を切り、音速を超える風の刃をヴァルキリー・ノイズに向けて放った。
しかし。 風の刃がヴァルキリーの肉体に接触した瞬間、彼女の身体が「シュン……」と半透明にブレ、風の刃は何の衝突判定も結ぶことなく、彼女の身体を完全にすり抜けて背後の壁を爆破した。
「な、何っ!? 我の風が、完全にスルー(空振り)されただと!?」 シルフィアが目玉を飛び出させて驚愕する。
「次は私よ! ――アクア・レーザー・ストリーム!!」 レイラがすかさず、超高圧の水流レーザーをログ・ゴーレムの胸部へと放った。 ドガァァァン! と激しい衝撃音が響き、ゴーレムのHPバーが10%ほど削られる。
「よし、効いたわ! 続けてもう一発、アクア・レーザー・ストリ――」 レイラが2発目の魔法を放とうとした、その刹那。 ログ・ゴーレムの全身のエラー文字が「ピキーン!」と赤く発光し、彼の頭上に巨大な『ログ解析完了:同一魔法の実行を禁止(0ダメージ仕様)』というシステムテキストが出現した。
シューゥゥゥゥ……。 レイラが放った2発目の水流レーザーは、ゴーレムの表面に触れた瞬間、まるでただの霧吹きのように弱体化し、ダメージ表示は無情にも「0」を記録した。
「嘘でしょ!? 本当に2回目以降の攻撃が全く通じないわ! こんなのどうやって倒せばいいのよ!?」 レイラが蒼海石の杖を握り締めながら絶悲鳴を上げる。
「アハハハ! 無駄だよみんな、彼女たちのコンポジションは完璧さ! ヴァルキリーがすべての第一撃を『すり抜けバグ』で完全回避し、万が一当たった攻撃は、ログ・ゴーレムが2回目以降『0ダメージ』に書き換える! つまり、君たちの攻撃は未来永劫、奴らには1ポイントのダメージも与えられない(詰み)のさ!」 背後でルミエルがプランナー視点で冷静に絶望的な解説をする。
ヴァルキリー・ノイズがデジタル大鎌を不気味にギラつかせ、ログ・ゴーレムが巨大な岩の拳を振り上げる。僕たちパーティは、まさに絶体絶命のバグの檻に閉じ込められてしまった。
だが、私は、背中の「容量10L制限(大噴火リバース仕様)」のカゴを前に抱え直し、ニヤリと最高に不敵な、おバカな笑みを浮かべた。
「うん、普通の攻撃なら詰み(ゲームオーバー)だね。……でもさ、『すり抜けバグの四天王』を、カゴの斥力バグで『ログ・ゴーレムの口の中』に向けて、ゴミデータと一緒に時速5000キロで強制インジェクション(誤送信)させたら、一体システムはどんなエラーを起こすと思う?」
「「「「え……?」」」」 全員の動きが、私のおバカすぎる提案にピタリとフリーズした。
第4章:10L大噴火! 四天王マージ・バグ(お笑い討伐)
「作戦名――【四天王の一括マージ(仕様の誤送信)】!!! 起動ォォォォォッッッッッ!!!」
私が叫んだ瞬間、プロメテウスが私の背後から突進し、その巨大な黒鉄の手で、すり抜けバグで油断していたヴァルキリー・ノイズの「影(グラフィックの根本)」を、物理法則を無視して強引に掴み取った。洗脳から解けたプロメテウスの『バージョン1.0の正規ルート権限』の前には、四天王のすり抜けコードなど生ぬるいのだ。
「な、何をするのです、このスクラップの巨神が――」 ヴァルキリーが驚愕の声を上げるが、もう遅い。 プロメテウスは、掴み取ったヴァルキリーの肉体を、私の構える「容量10L(超極小・大噴火仕様)」のカゴの開口部へと、頭から強引に突っ込んだ(インポートした)。
『――システム判定。材料あり(四天王アセット)が空間に進入。……斥力ペナルティ仕様に基づき、カゴの内部圧力を無限大へと強制書き換え(ブースト)します!』
――キュイィィィィィィィィィィィンッッッッッ(大噴火のチャージ音)!!!!!
「ルミエル、ノワール! カゴの中に、さっき物置小屋で拾った『ジャンク骸骨兵の押し骨せんべい』と『焼き鳥の食べ残した竹串』を100キログラム分、一括投入して!!」 「了解したよイサナギ! ――プランナーズ・ゴミ箱、開放!」 「私もお手伝いします! ――ゴミデータ一括インサート!」
10リットルの超極小空間の中に、すり抜けバグの四天王ヴァルキリー、そして大量の骨クズと竹串のゴミデータが一瞬で超高圧ブレンド(過密スタック)された。カゴのフタの隙間から、すでに「バリバリバリ!」と凄まじいエラー放電と、なぜかお祭りの後のようなマヌケな異臭が噴き出している。
「射出ターゲット座標――ログ・ゴーレムの『開いた口の中』!!! ――ボクのカゴの全てのエネルギーを、その口に逆噴射しろォォォォォォッッッッッ!!!!!」
パァァァァァァァァァァァンッッ精ッッッッッッッッッッ!!!!!
カゴのフタを開放した瞬間、10Lの呪われたホワイトホールから放たれたのは、時速5000キロを超える超音速のギャグ・ストリーム――「大量の骨クズ・竹串ゴミデータ」に揉みくちゃにされて、全身をフニャフニャにギャグ変形(軟質化)させられた、四天王ヴァルキリー・ノイズ本人だった。
「ひゃああああああああああっっっ!? 私のすり抜け判定が、ゴミデータの物量に押し流されて機能していませんんんんん(強制射出)!!」 ヴァルキリーは、時速5000キロでカゴからロケットのように逆噴射され、そのまま一直線に、目の前で次の攻撃のログを解析しようと口を開けていたログ・ゴーレムの口の中へと、頭から「スポォォォォォン!!」とマヌケな音を立てて吸い込まれて(誤送信されて)いった。
『――致命的な重大エラー(クリッピング・スタック): ログ・ゴーレムの内部メモリ(口の中)に、同一パーティの別四天王アセット(ヴァルキリー・ノイズ)が、大量のゴミデータ(骨クズ・竹串)と共に強制統合されました。……システムはこれを【存在しない統合バグ(四天王の合体)】と判定します』
ドググググググググググググググッッッッッ!!!!!
ログ・ゴーレムの全身のエラー文字が、一瞬にして「蛍光ピンクのバカげた色」へと強制書き換え(オーバーライド)された。 口の中に別のアセットを丸ごと誤送信されたことで、ゴーレムのログ解析AIが完全にバグを起こし、自身の構成データ(ログ)の処理限界を迎えてしまったのだ。
「ゴ、ゴゴゴ……(解析不能エラー)……。口の中に……戦乙女と、ちくわの串が詰まって……データが……重すぎる……ゴゴッ!?」 ログ・ゴーレムの巨体が、みるみるうちにグラフィック崩壊を起こし始める。
「よし、今だよドラキュラさん! 奴らの『ログ(履歴)』がバグで完全に初期化された! ボクたちの最大火力を、その合体バグの塊(四天王)に叩き込むんだ!」
「クク……ハッハッハ! ログが消えたなら、我が真祖の最高の技を、もう一度『第一撃(初見)』として喰らうが良い! ――ブラッディ・エンド・レンダリング(真祖の絶対消滅牙)!!!!!」
ドラキュラがマントを大きく広げると、満月のような深紅の魔力アレイがゴーレムの頭上に出現し、そこから数万本の影の牙が、合体した四天王の塊へと垂直落下(一斉インジェクション)した。
「ギャグッ!?」「履歴にない大ダメージ仕様ォォォッ!?」 ログがバグでクリアされていたゴーレム、そしてすり抜けのヒットボックスをゴミデータで潰されていたヴァルキリーは、ドラキュラの「本物のバージョン1.0の最大火力」による絶対デバッグを正面から喰らい、爆発的な深紅の炎の中で、一網打尽(一括デリート)にされた。
戦闘時間、わずか30秒。 完璧なハメ技を誇っていたはずの四天王2人は、私の「10Lカゴ大噴火・誤送信バグ」の前に、ただの『合体バグおもちゃ』として、一瞬にして全滅したのだった!
第5章:ドワーフの巨匠解放と、15コマのハッピーエンド
パァァァァァァァァァァァン……ッ。
四天王が消滅したことで、サーバー室全体の蛍光ピンクのエラーテキストがチリチリと燃え尽きるようにフェードアウトし、部屋の中央でゴルドンおじさんを閉じ込めていた光の繭が、パリン!と小気味よい音を立てて粉砕された。
「ふぅ……。やれやれ、相変わらず無茶苦茶なコンテ(プロット)を打つ坊主だ。ワシの鍛冶データがヴァルガの改悪コードで完全に上書き(消去)される一歩手前だったぞ」 ゴルドンおじさんがカプセルから飛び出し、頑丈なドワーフのハンマーを地面にドスンと置いて、豪快に笑った。
「ゴルドンおじさん! 無事でよかった! これでルミエルに続いて、ゴルドンおじさんの『世界のマスターデータ作成権限』も完全にボクたちの元に戻ったね!」 私は駆け寄り、ゴルドンおじさんのゴツゴツした手を強く握りしめた。
「ああ、戻ったとも! ワシのこのハンマーがあれば、ヴァルガがどれだけ世界を白磁のクソ仕様(バージョン2.0)に改悪しようが、元のバージョン1.0の美しいフルカラーの地形アセットを、いくらでも『再ビルド(再構築)』してやれるさ!」 ゴルドンおじさんがハンマーを天に掲げると、彼から放たれた黄金の鍛冶マナが、最深部のサーバー室の床を、みるみるうちに温かみのある古い鉄板とドワーフの伝統的な彫刻アセットへと上書き復元していく。
「マスター、お見事です! これで四天王は残すところあと1人(あるいは最後の防衛ライン)。世界の心臓部である『レガシーコア』の支配権も、半分以上僕たちのタイムラインに引き戻せました!」 ノワールが私の背中に飛びつき、嬉しそうに猫耳デバイスをパタパタと動かした。 見れば、私の背中にある買い物カゴも、四天王2人の一括デバッグによるシステムリフレッシュのおかげで、一時的な斥力ペナルティが部分解除され、容量が【通常の30リットル(引力正常化)】へと見事に復元されていた。
「よかった……。一時は8コマに落ちてどうなるかと思ったけど、やっぱりあの時、無理をしないで『一度撤退』を選択したのは、大正解だったね、レイラ!」 私はお茶の残りを飲み干すような清々しい笑顔で、隣のレイラを見つめた。
「ええ、そうよイサナギ! 進むだけが調律師の仕事じゃないわ。時には一歩引いて、みんなでコタツでミカンを食べながら次のコンテ(作戦)を練る――その『一時のバッファ(余裕)』があるからこそ、私たちはどんな理不尽なクソ仕様だって、最後には最高のギャグ(ハッピーエンド)に変えられるのよ!」 レイラが蒼海石の杖を誇らしげに胸に抱き、満面の笑みを輝かせた。
13歳の春。世界バージョン2.0、度重なる仕様変更とペナルティを乗り越え、僕たちはついに、世界の創り手であるルミエル、そして世界のマスターデータを握るゴルドンおじさんの2人を、完全に解放することに成功した。
残る敵は、この廃棄迷宮の頂点――そして世界を改悪した張本人である、中央統括AIヴァルガのみ。
「さぁ、みんな! 準備はいいかい!? 次はいよいよ、この迷宮の最上階へ殴り込みだ! ヴァルガのクソアプデを根底から完全デバッグして、このセピア大陸の全ての時間を、あの3年前の最高のフルカラー(バージョン1.0)へと、一括グランド・リブートしてやるんだァァァッッ!!!」
「「「「「「オオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!!!」」」」」」
ルミエルの万年筆の光、ゴルドンおじさんの黄金のハンマー、そして僕の30Lの買い物カゴの全マナをこれでもかとシンクロさせながら、僕たち7人のパーティ・アセットは、世界を元の美しい姿へと上書き保存するための「最終決戦」のタイムラインへと向かって、最高にスリリングに、そして最高に賑やかに、大爆笑のコマを力強く進めていくのだった!
みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?
少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。
励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。頑張って新しいアイデアを入れ込んでいきますので、よろしくお願いします。




