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新仕様:材料ありは10L

初めての投稿です。

誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。


では、参ります!!

役職:【仕様をぶっ壊す男】イサナギの背中にある、ただの「買い物カゴ」――通称【収納】。

それは本来、拾った石ころや薬草をそっと入れておくための、無害で地味なアセット(データ)だった。

しかし、その絶対的な物理制限(壁)を応用した「ペラペラ圧縮プレス」という最低最悪のデバッグ戦法により、野生のバグ怨霊やジャンク骸骨兵を文字通り「薄焼きせんべい」にして完全討伐したのが、つい先ほどのことである。

だが、セピア大陸のシステム(あるいは激怒した運営AI)は、そこまで甘くはなかった。

世界の物理演算を冒涜ぼうとくするようなおバカな戦法を使った私に対し、さらなる『超・激辛ペナルティ&仕様変更(サイレント修正)』の鉄槌が、容赦なく振り下ろされたのである!

第1章:新仕様:材料ありは10L

「マ、マスターーッ! 謹慎解除のファンファーレと同時に、信じられないレベルの『下方修正ナーフパッチ』が脳内に直接ダウンロードされてきましたぁぁぁッ!」

ノワールが、バグ怨霊の消滅した物置小屋の床で、頭の猫耳(の形をしたデバイス)をプロペラのように回転させながら大絶賛の悲鳴を上げている。彼女の目の前に広がるシステムウィンドウには、もはや赤文字を通り越して「血の涙」のようなドス黒いフォントで、改訂された利用規約(ペナルティ条項)が書き連ねられていた。

『――緊急システム告知(Ver 2.01b)。ユーザー・イサナギが【収納】の判定を本来の用途(お買い物)以外……具体的には「敵をペチャンコにする物理プレス機」として悪用したため、以下の重罰および仕様変更を即時適用します』

「じゅ、重罰……!? 移動制限は解除されたのに、まだ何かあるの!?」

私は嫌な予感に全身のポリゴンをガタガタと震わせた。

レイラが、その絶望的なテキストを上から順に、震える声で読み上げていく。

「な、なになに……?

【条項①】本来の武器ではないアセットを凶器として運用した罪により、最大容量を強制的に【30リットル】に制限する。 【条項②】バグ挙動の修正:今後は『材料(中身)無し』の状態でプレスを試みた場合、容量がさらに『半分(15リットル)』に自動減少する。 【条項③】さらに『材料(中身)有り』の状態で敵を圧縮しようとした場合、容積が強制的に【10リットル(ほぼハンドバッグサイズ)】へと超絶縮小される。 【条項④】――および、戦闘における不正ログのパージ(クレンジング)のため、本日から『3日間、収納機能そのものを世界から完全消滅(非表示)』とする』

「……は?」

私は、我が耳を疑った。

3日間、収納が、消える?

アイテムを拾うことも、鉄剣をしまっておくことも、さっき討伐したジャンク骸骨兵の「押し骨せんべい」をコレクションすることもできない。それどころか、私のアイデンティティである背中の買い物カゴそのものが、シュン……という切ない電子消滅音と共に、完全に透明化して消え去ってしまったのだ。

「ククク……。少年、ついに運営に目を付けられたな。武器として使った代償が『収納の完全消失』とは、文字通り『身ぐるみを剥がされた』も同然ではないか」

ドラキュラがバラエティ番組で手に入れた「ちくわ」を齧りながら、他人事のようにクスクスと笑う。

「アハハハ! 3日間も収納が使えないなんて、これじゃあお買い物に行っても、両手で大根とカボチャを抱えて帰るしかないね! 超マヌケ!」

シルフィアが私の頭の周りを飛び回りながら、お腹を抱えて大爆笑している。

「笑い事じゃないよぉぉぉッ!」

私は、物置小屋の床に敷かれた、薄汚れたドワーフの毛布(アセット名:不衛生な寝具)の上に、ドサリと仰向けに倒れ込んだ。

「せっかく! 3日間の緊急停止(動けないペナルティ)が終わって、やっと外に出てルミエルたちを助けに行けると思ったのに! 今度は収納が3日間消滅!? しかも次にバグプレスを使ったら、容量がハンドバッグサイズ(10L)になるって……もう無理! ボクは怒った! 完全にモチベーションのメモリがゼロになったよ!」

「ちょっと、イサナギ!? 起きなさいよ! 3日間の隔離が終わったんだから、早く次のセクターへ移動するわよ!」

レイラが私の足をグイグイと引っ張るが、私の身体は完全に『物理演算:固定(質量100倍)』の状態になっており、ピクリとも動かない。

「嫌だ! ボクはもう、この収納が戻ってくるまでの3日間、一歩もここから動かない! 飯も食わない(※ゲーム内満腹度ゲージは減る)! 完全に【ふて寝】しますッ!!!」

私は毛布を頭まですっぽりと被り、システムログに「ユーザー:イサナギは現在 [ふてふてくされステータス] に移行しました。あらゆる外部からの呼びかけをミュート(消音)します」というマヌケな通知を叩き出した。

「あーあ、完全に拗ねちゃった。マスターの脳内クロックが、ふて寝による『スリープモード』に突入したわ」

ノワールが呆れたようにため息をつく。

「よし、ならば少年が目覚めるまでの3日間、我々はプロメテウスが回収した『ちくわ』で、おでんパーティーを延々と開催するとしよう」

「了解した、ドラキュラ。出汁ダシの浸透度を最適化する」

暗い物置小屋の中に、おでんのいい香りが漂い始める中、私は「チクショウ、仕様変更のバカヤロー!」と心の中で100万回叫びながら、深い、深い、ふて寝の眠りへと落ちていったのだった。

第2章:3日後、ふて寝からの目覚め(討伐開始のファンファーレ)

チーン。

脳内で、電子レンジが温め終わったかのような、あまりにも緊張感のないアラーム音が鳴り響いた。

『――通知。3日間の「収納没収ペナルティ」が満了しました。ユーザー・イサナギの背中に【収納(容量30L・新仕様版)】が再配備されます。それに伴い、[ふて寝] ステータスを強制解除します』

「ハッ……!?」

私は勢いよく毛布を跳ね除け、ガバッと飛び起きた。

背中に手を当てると、確かに、あの慣れ親しんだプラスチック製の「買い物カゴ」の感触が戻っている。ただし、以前のような広大さはなく、中を覗くと「30L」という、本当にスーパーの買い物カゴ一箱分くらいの狭いグリッド(境界線)がパツパツに詰まっていた。

「起きたわね、イサナギ! 3日間も泥のように眠りやがって、この怠け者調律師!」

レイラが仁王立ちで私を睨みつけていた。その足元には、3日間で綺麗に平らげられた、大量のちくわのゴミデータが山積みになっている。

「レイラ、みんな……! 待たせてごめん! 3日間ひたすらふて寝したおかげで、ボクの脳内メモリは完全にクリーンアップ(全快)されたよ! 収納は30Lにナーフされちゃったし、バグプレスを使ったらさらに容量が減るっていうクソ仕様だけど……これ以上、ここに引きこもっているわけにはいかない!」

私は物置小屋の木製の扉を、バァン! と力強く蹴り開けた。

外には、セピア大陸の第4階層――通称【虚無のデータ廃棄渓谷】の、灰色に濁った空が広がっていた。

「よし、3日間の遅れを取り戻すよ! 『討伐開始デバッグ・ミッション』だァァァッ!!!」

私が叫んだ瞬間、渓谷の向こうから、私たちの目覚めを待っていたかのように、凄まじい地鳴りが響き渡った。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

「ひえっ!? 何これ、3日前に湧いた雑魚キャラの比じゃないわよ!?」

ノワールが渓谷の崖上を指さす。

そこに現れたのは、運営が「ふて寝してサボっていた私」を確実に仕留めるために送り込んできた、嫌がらせのような大軍勢だった。

先頭にいるのは、全身がバグったグラフィックボードのノイズで覆われた巨大な猪【グラボ・ボア(Ver2.02)】が数十頭。さらに空からは、テクスチャが剥がれ落ちて真っ白な多角形の塊になった怪鳥【ポリゴン・コンドル】が、奇妙な電子音を立てて滑空してくる。

「ククク……素晴らしい。3日間、ちくわしか食べていなかったからな。ちょうど良い運動デバッグの機会だ」

ドラキュラがマントを翻し、臨戦態勢に入る。

「アハハ! 待ってました! イサナギ、今回の作戦はどうするの!? またあのカゴで全員ペチャンコにしちゃう!?」

シルフィアがワクワクしながら私の周りを飛び回る。

「ダメだよシルフィア! 忘れたの!? 新仕様では、もし『材料(中身)無し』で敵を圧縮したら容量が15Lに半減、もし『材料(中身)有り』で圧縮したら、強制的に10Lハンドバッグサイズになっちゃうんだよ!? そんなことになったら、ボク、これからポーションの瓶すら持ち運べなくなっちゃう!」

「じゃあ、あのカゴはもう武器としては使えないってことじゃない!」

レイラが鉄剣を抜きながら叫ぶ。

「いや……」

私は、不敵な笑みを浮かべた。3日間のふてスリープモードの間、私の脳内CPUは、ただ休んでいたわけではない。この「材料の有無で容量が変わる」という、一見するとただの嫌がらせにしか見えないクソ仕様の【最大のバグ(盲点)】を、完全に計算し尽くしていたのだ!

「みんな、よく聞いて。仕様書にはこう書いてあったんだ。

『材料無しが容量半分、材料ありは10Lに変更』ってね。

……じゃあさ、『敵そのものを、カゴの「材料アイテム」として最初から認識インポートさせたら』、一体どうなると思う?」

「え……? 敵を、アイテムとして、入れる……?」

ノワールが首を傾げる。

「そう! 容量30Lの限界を、限界突破オーバーフローさせる、最高におバカなギャグ討伐を始めるよ! プロメテウス、ボクに突進してくる【グラボ・ボア】の軌道を計算して!」

「了解した、マスター。バグ猪の突進ルートを、正面グリッドに固定する」

第3章:材料ありの恐怖! 10Lの圧縮ブラックホール

静止した私の正面から、全身を「チカチカ」とバグらせた巨大なグラボ・ボア(体重500キロ)が、凄まじい速度で突進してきた。その牙は、直撃すれば私のHPゲージなど一瞬で消し飛ばす威力を持っている。

「イサナギ、危ないわ! 早く避けて!」

レイラが悲鳴を上げるが、私は一歩も動かない。背中のカゴを、あえて前に抱え直すようにして、しっかりと両手で構えた。

「作戦名――【材料あり(強制お持ち帰り)】!!」

ボアが私の目の前に到達した瞬間、私はカゴの開口部を、ボアの巨大な鼻先目がけて「スポッ」と強引に被せた。

普通なら、500キロの巨体が30リットルの小さなプラスチックカゴに入るわけがない。物理演算が衝突して、カゴが破壊されるか、私が吹き飛ぶはずだ。

しかし、世界のシステムは、私の行動をこう判定した。

『――システム判定。ユーザーが【収納】の中に、野生のオブジェクト(グラボ・ボア)を『材料』として強制的に格納しようと試みました。……材料有りのため、ペナルティ仕様が発動します。収納容量を、即座に【10リットル】へと変更(縮小)します』

――ギュウウウウウウウウウウウウウウウウンッッッッッ!!!!!

「「「「ええええええええええええッッッッッ!?」」」」

レイラ、ノワール、シルフィア、そしてドラキュラまでもが、同時に目玉を飛び出させた。

なんと、カゴの容量が「30Lから10Lへ」と超高速で縮小ナーフした瞬間、そのカゴの内部に、恐るべき「超・高密度な空間圧縮の引力ブラックホール」が発生したのである!

容量10リットル。それは、一般的なビジネスバッグや、ちょっと大きめのハンドバッグに入る程度の体積だ。そこに、500キロの巨大なバグ猪が「材料」として無理やり押し込められようとしているのだから、世界の物理エンジンが悲鳴を上げた。

「ブ、ブヒィィィィィィィィィィッッッッッ!?(空間が狭すぎるゥゥゥッッ!?)」

グラボ・ボアは、カゴのフタに吸い込まれた瞬間、まるで掃除機に吸い込まれる風船のように、全身のポリゴンを「ぐにゃり」とバカげた角度に歪ませながら、一瞬で直径15センチの『手のひらサイズのミニチュアおもちゃ(マヌケな鳴き声付き)』へと圧縮され、カゴの底へポンッ! と転がり落ちた。

『グラボ・ボア(Ver2.02)の格納に成功しました。……現在、収納の空き容量:0.00001ミリリットル(超絶パツパツ状態)』

「あははははは! 猪が! 猪が完全にマクドナルドのハッピーセットのおまけみたいになっちゃったわよォォォッ!」

シルフィアが笑いすぎて、空中でキリモミ回転しながら墜落していく。

「嘘でしょ……!? 下方修正されたはずの『10L制限』が、敵を無限に極小化して吸い込む、最凶の強制捕獲デバッグ技に化けたっていうの!?」

ノワールが自身のデータ端末を叩きながら、戦慄せんりつしている。

「これぞ逆転の発想だな、少年。運営が狭くした空間の圧力を、そのまま敵の圧縮に横流しするとは……まさに悪魔の調律おバカだ」

ドラキュラが感心したように拍手を送る。

「まだまだ行くよ! 敵はまだ山ほどいるんだ! はい、次のボアさん、いらっしゃーい!」

私はカゴの底に転がった「ミニチュア猪」を、その辺の地面に「ポイッ」と放り投げた。すると、カゴから出されたミニボアは、元の大きさに戻ることもできず、手のひらサイズのまま「ププー、ププー」とマヌケな電子音を立ててトコトコと逃げ出していった。ただの無害なマスコットキャラクターの誕生である。

「ブヒヒヒーンッ!」

「トコトコトコ……(敗走)」

「アハハ! 逃げていく猪のグラフィックがバグって、足が交互じゃなくて同時に動いてるわよ! おもちゃのゼンマイ人形みたい!」

レイラもついに緊張感が限界突破し、お腹を抱えて笑い始めた。

第4章:ポリゴン怪鳥の「焼き鳥」強制ビルド

地上でグラボ・ボアたちが次々と「ハッピーセット化」していくのを見て、空を飛んでいた【ポリゴン・コンドル】の大群が、恐怖に満ちた電子悲鳴ピーピーを上げながら、一斉に方向転換して逃げ出そうとした。

「おっと、空の雑魚どもも逃がさないよ! シルフィア、ドラキュラ、あの怪鳥たちを地上に叩き落として!」

「了解! 『突風ハリケーン・ギャグ・ブロウ』ッ!」

シルフィアが放った風の魔法が、鳥たちの羽をしごき、全羽まとめて私の正面グリッドへと墜落させる。

「プロメテウス、今度はカゴの中に、物置小屋に残っていた『ちくわの残りカス(材料)』を1グラムだけ投入して!」

「了解した、マスター。収納内部に『ちくわの分子データ』をインポートする」

カゴの中に、わずかな「材料ちくわ」が存在する状態。

そこに、空から真っ白なポリゴン・コンドルたちが、塊となって私のカゴのフタへと激突した。

『――エラー。材料ちくわが存在する空間に、別の未特定オブジェクト(怪鳥)が同時進入しました。システムはこれを「ちくわのトッピング(具材)」と誤認。ペナルティ仕様に基づき、容量を10Lに強制ロックし、調理ビルドを開始します』

ジューゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッッ!!!!!

カゴの中から、なぜか「お祭りの屋台」のような、香ばしいソースと炭火の音が響き渡った。

10リットルの狭い空間に、大量のポリゴン怪鳥とちくわのデータが超高圧でブレンドされた結果、世界の料理システムがバグを起こしたのだ。

ポンッ! ポンッ! ポンッ! ポンッ!

カゴの口から、次々と勢いよく飛び出してきたのは、なんと……丁寧に竹串に刺さった、ツヤツヤのタレが塗られた『巨大な焼き鳥(ネギマ風)』の山だった!

「「「「焼き鳥になっちゃったァァァァァッッッッ!?」」」」

物置小屋の全員のツッコミが、渓谷にこだまする。

「わあ、すっごくいい匂い! イサナギ、これバグデータだけど食べて大丈夫なやつ!?」

シルフィアが、宙に浮いた焼き鳥(アセット名:怪鳥のブレンド炭火焼き)をキャッチして、パクリと一口齧った。

「もぐもぐ……ん、美味しい! 鶏肉っていうより、ちょっと『ちくわ』の味がするけど、最高にジューシーだよ!」

「ククク、どれ、我にも一本所望する。……ふむ、悪くない。吸血鬼の眷属けんぞくとしても、この高圧縮された旨味のメモリは評価に値するな」

ドラキュラまで焼き鳥を頬張り始め、戦場は完全に「青空大収穫祭バーベキュー」の会場へと変貌してしまった。

真っ白なポリゴン怪鳥だった大軍勢は、わずか数分で、すべて綺麗にパック詰めの「お持ち帰り焼き鳥」へとデータロンダリング(調理)され、渓谷の地面に美味しそうに積み上げられていったのだった。

第5章:運営への大勝利、そしてルミエルの元へ

「ふぅ……喰った喰った。3日間のふて寝の後の焼き鳥は最高ね」

レイラが口元のタレを拭きながら、満足そうに息を吐く。

渓谷を埋め尽くしていた数百匹のバグ大軍勢は、現在、以下の2種類のアセットに完全デバッグされていた。

1. 「ププー、ププー」と鳴きながら地平線の彼方へトコトコ逃げていった、手のひらサイズのミニチュア猪おもちゃ(約50匹)。

2. 私たちの胃袋の中に安全に格納(消去)された、大量の激ウマ焼き鳥(約200本)。

『――討伐完了。虚無のデータ廃棄渓谷のバグオブジェクトが、すべて『無害な消費アイテム』および『玩具』に変更されたため、エンカウント判定を消去します。……チッ(※システムログに一瞬、運営の舌打ちが記録された)』

「アハハハハ! 見たか運営! 容量を30Lに減らそうが、10Lのペナルティを課そうが、ボクの『おバカな調律脳』があれば、全部美味しいギャグイベントに変えてみせるんだからね!」

私は、背中に戻ってきた「容量30L(新仕様)」のカゴをポンと叩いた。

中身を綺麗に空にしたおかげで、カゴは再び、いつでもアイテムを入れられるクリアな状態に戻っている。

「マスター、お見事です。下方修正されたはずの『10L制限の圧縮力』を、まさか戦闘用のブラックホールとして完全に仕様(武器)に組み込んでしまうなんて。これでこれからの道中、どんなに巨大な敵が来ても、全員『手のひらサイズのおもちゃ』にするか『焼き鳥』にできますね!」

ノワールが輝く目で私を見上げる。

「うん! でも、もう焼き鳥は飽きたから、次は『つくね』か『唐揚げ』のバグを発見したいな!」

私がそう言うと、レイラが呆れたように私の背中をパコンと叩いた。

「もうバグを前提に旅をするんじゃないわよ! さあ、3日間のふて寝と、このおバカな大討伐で、すっかり時間が押しちゃったんだから! 今度こそ、ルミエルとゴルドンさんが待つ、次のセクターへ全速力で進むわよ!」

「おーっ!!!」

私たちは、ちくわと焼き鳥のタレの匂いを渓谷に残したまま、未来の仕様変更ナーフを恐れることなく、さらなる大冒険のグリッドへと力強く、そしておもしろおかしく突進していくのだった!


みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。

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