22 『ライブラ・ステーション』パンフレット
『ライブラ・ステーション』
『概要』
こちらは軌道衛星『ライブラ・ステーション』です。
この施設では様々な体験型アトラクションを通じ、地上の文化を楽しめるものとなっております。地上での生活を体験するため、全施設に重力装置を備えており、普段から重力を感じながら生活をしていただける仕組みとなっております。また、宿泊施設も完備しておりますので、どうぞごゆっくりと地上の生活を体験しながらお楽しみください。
『ルール』
こちらの施設におけるあらゆる物質、部品は地上への持ち出しが制限されております。『転送術』による移動の際、制限に違反されたお客様には罰則が与えられますので、ご注意ください。
(多分、地上の他の人はアクセス権なくてここにはこれないからあまり言いふらさない事! 頭が狂ったと思われるわよ! と手書きで書かれている)
『営業案内』
9:00 ~ 22:00(昼は寝てるかも! と手書きで書かれている)
『スタッフ』
(すべて斜線が引かれ、『アスカ』とだけ手書きで書かれている)
「このパンフレットじゃ、とくになんもわかんないよね」
「……気になっていたのですけど、あの場所、あの人以外の人はいらっしゃらない様子でしたが、一体、誰が何のために作ったのでしょう」
「というか色々ありすぎて感覚マヒしてたけど、宇宙に行ってたって相当やばくない? なんか自慢したいんだけど」
「あくせす権? がないから他の人はこれなくて、わたくしたちが変人扱いされるだけだからやめるようにと釘を刺されてますわよ」
「んー。残念……。なんか師匠と出会ってから目新しいものばっかり見せられてきたけど、それで摩訶不思議現象に耐性ついてたのかなー」
「たしかに、この文明が滅びかけた世界でこんな高度なものと触れる機会、普通ではありませんわねー……」
帰還時に飛ばされた先は遺跡の地上出口、パンフレットを開いて見ながら、ふたりはクノール村へと歩いて戻った。
無理心中の心配をしていた村人たちに泣きながら出迎えられたのは、また別の話である。




