29 鋤
尽きてはいない、と決めた。
尽きていれば権利書だ。肘の小板だ。乾いて拭かれた盆だ。桟へ持ってきたのは、刃だった。
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皮を取った針金のような薄さではない。鋤床だ。鈍い銀の、生きた曲面。畝に面する縁は研がれ、影に面する縁は鈍い。倉の足元から入る。足首の返しが最初にヒトデを教えた場所。格子は持ち上げない。その下を行く。鋳型を。濾しが残した詰め物を。革化した布と乾いた導管と、記録器が捨てた空の墓を。
音は、土を引きずる納屋の扉。
その溝は、残響が忘れた言語で書かれる文だった。有用な厚さが新しい線で割れる。蝶の古い口ではない。より深い口。硬化した乳が帯になって剥げる。残渣が黒と灰と、盤の最後の皮の色で返る。休耕が隠していただけの湿り。鋤床がその湿りを上げ、畝を返す男のように伏せる。霜に見えるものを殺させるために。
吊るされた実が鉤の上で揺れる。
残響の線が眼窩から外れ、乾いた絵を倉の空気へ散らす。テーブル。門。名はない。神経の切り株が鋳型の粉を飲み、溺れた輪は静電気になり、踏まれている感覚になる。
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鋤床を、彼の長さだけ走らせる。
手首の井戸から手首の井戸なら短い畝だ。長いほうを取る。留められた足から溝を上がり、心臓の窓を過ぎ、盤の下、井戸の下、開いた腔の下を通り、灯籠の棒の横、冠の座から出る。棒は立つ。井戸の板が裂け、粉が見逃した暗い珠を漏らす。作物を抱いた袋が割れ、切られた虫のような根の端を見せる。
鋤が返したものは、土だけではなかった。
古い竪琴の弦の、腸だった長さが、ジャーキーのように硬く溝に乗り、折れる。凧の桁が、皮をつけたまま乳から立ち、倒れる。拳の化石の記憶——空の井戸——が、タールのような赤を一匙ほど出し、あとは粉だけ。従属を解かれた鞴の首輪が、鋤床の跡で転がり、横になる。仕事のない輪。
口が、返された畝で満たされる。
吐き出す唾はない。地面が硬くなったときに農場を動かした言葉がある。
「湿りが——遅い——遅すぎる——」
背の高い影が格子に関節のある足を置き、最後の一手が終わるまで倉を押さえる。乾した三つの実の刻みが速くなる。返された土が天候であるかのように。記録器が十九の桟で起き、新しい黒に縫い目を開く。味見。休みのあとの畑の等級。背の高い影の顔の坑のフレアは短く、人間の意味では満足していない。
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鋤床を上げる。
溝は開いたまま。踵から冠まで暗い郡境。隠していた最後の水を銀へ蒸させる。
ハワード・フーバーは、春の最初の通しのあとの畝だった。割れ、蒸れ、名があってもなくても、また播けるか、焼かせておけるか。
影は刃を倉の桟に掛ける。
次の処置は、溝へ種を落とすか、権利書を落とすか。
そう考えるとき、見ているのは井戸だった。裂けた板、珠、切り土の岩盤のように見える古い起源。




