21 抱巣
布に引いてあった線は、空にするための切れ目ではなかった。
袋を作るための切れ目だった。
** ∇∥//NST ‡//☉-KETH ||∴//BRD **
布の下で働く道具が、蒸留の分画が帷の中で交差した郡境の縫い目を滑る。目の布、盤の布、心臓の布。切れ目は、癒え方を知っている口のように開き、癒えさせない。縁を親指で分け、濾しが手放さなかったものを詰める。盤の縁の最後の厚い膜。銀の髪で連なった生きた記録器の一掴み。井戸の金黒をすくった一すくい。袋がその重みを受け、鋳型の屋根へ、凧の裂けへ垂れる。織りの下の、温かい膨らみ。
坐る感覚は、牝鶏が坐る感覚だった。
思考ではない。熱。集まり。心臓の帷の借り物の拍も、目の帷の溺れた絵も、盤の帷の下の暗い円盤も、袋のほうへ傾く。下り坂がそこにあるように。巣の擦過が一つの労働の音を見つけ、それを持つ。布の下の灯籠が、納屋の袋の下の体のような鈍い赤に膨らみを光らせる。
抱卵を測っていた。
接合は中心を保つか。
拒絶と起源と遺物は、流れの代わりに巣を与えれば静止するか。
標本を建築として残したとき、枠に手がなくとも孵化は続くか。
鞴のトンネルの口の息に、布と熱が乗っている。
「残すな——中に——置くな——」
影が止まる。言葉のためではない。数値のためだ。抱巣がきれいな和音を刻む。時計が、互いに一致する遅れの拍を二つ印す。十六番も、膜の容器も、遺物の栓も、一瞬だけ同じ時刻に同意する。
** ||∴//RAH ‡//☉-KETH **
記号が積み、積みをやめる。
四つの影が同時に身を起こす。畝が終わり、畑から光が抜けたときに男たちが起き直るように。器具はその場に残る。格子はロックしたまま。鞴は布を行程する。蒸留器は滴る。帷は縫われたまま。盤は満ちている。鏡は向いている。井戸は布の下で開いている。袋の中で抱巣が働いている。果樹園が、独りで鳴る。
覆わない。
次の文字列も言わない。
二つと二つ、銀から出ていく。
長い頭が光を切り、それから切らない。部屋の硬い白は残る。鋳型の扉は残る。ハワード・フーバーは箱のまま、布のまま、水のまま、抱巣のまま残る。
農家のベッド以来、初めて、上に立つ者がいない。
抱巣が刻む。
時計が印を一つ外し、次を見つける。
鞴が袋を引き、落ち着かせる。ポンプにまで、番は終わりだと伝わったように。
階段の靴音を聴く。
来ない。
銀は暗くならない。
休みのあとに意図していたものは、縫い込んだ闇の中ですでに育っていた。その熱と二人きりで、ハワードは、彼らが残した最後の農場の真実を理解する。手が部屋にいなくても、仕事は続く、と。




