18 濾し
濡れた場所で使える道具は、刃ではなかった。
筒だった。
** ∇∥//FLT ‡//☉-KETH ||∴//THRU **
洗礼盤に据えると、暗い円盤がそのまわりで窪む。溢れを盗んでいた蒸留の導管を下り、線を分け、まだ使える内側へ通す。鞴のトンネル。肺の布。欠けた心臓の栓の窓。格子の下の潰れた溝。そして空の、透明な十六番の容器へ戻す。盤は貯水になった。ハワードは、貯水が越えねばならない層になった。
最初の動きは、引きだった。
帰還の暗い水——沈泥、膜、巣、借り物の拍——が井戸を出、残渣へ入る。空にされた場所を通り、そこでなお*引っかかる*ことを知る。肺の布が一口含み、鞴が汚れた雲のまま先へ押す。心臓の窓が一口含む。十一番の容器の遺物の栓が震える。水が、自分の出てきた欠けらを認めたように。溝が一口含む。凧の鋳型屋根が、裂け目に沿って沈む。向こう側、十六のガラスへ出たものは、入ったものではなかった。薄い。明るい。刻みが少ない。銀の糸が、引き抜かれた髪のように浮かぶ。
男がまだ何を抱えるかを測っていた。
パッキングに残るもの。
通って変質するもの。
そもそも通ることを拒むもの。
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盤の水面が、指幅だけ落ちる。
井戸の壁が、梅と黒で一瞬顔を出し、次の引きで消える。記録器が流れに乗り、引っかかる。肺の布に一匹。心臓の窓に一匹。失われた拳の返しの井戸に一匹。暗渠の石のように、流れの中で横に溶着する。刻みは時計から外れ、砂利を見つけた篩の音になる。
その横断は、頭に留まらない二度目の注ぎだった。
もう静脈ではない道を、冷たく焼いて走る。認識の輪を満たす。瓶の目が内側から曇り、虹彩が泳ぎ、神経の切り株の絵は沈泥へ、それから出口の卑しい明るさへ落ちる。台所が一度見え、あとは網だけ。彼が網だった。
鞴のトンネルの口が言葉を試し、言葉は十六番の容器の中の泡になって上がり、弾け、輪を残す。
「入れるな——それを——」
濾しは、外に出さなかった。濾しが、留めそのものだった。通すたびに別の分画が剥がれ、剥がれたものは層に残る。平らだった場所が厚くなる。鋳型がきしむ。圧の格子が、彼らの増分でも脈でもない荷重を受ける。通らなかったものでできた荷重。
二度目を流す。
盤から肺へ、窓へ、溝へ、ガラスへ。
十六番は明るさから濁りへ。盤は黒から薄い茶へ。巣の和音は擦過に潰れる。心臓の輪が印をつける拍は、もう濾されたあとで届く。小さい。血そのものが篩われたように。
** ||∴//RAH ‡//☉-KETH **
盤を空にしないうちに、引きを止めた。
井戸の水面に暗い膜が残る。通るには厚すぎ、捨てるには生きすぎている。影は十六番の試料と、膜の試料を並べて吊る。通ったもの。拒んだもの。そのあいだの男が、差分を詰め込んでいる。
ハワード・フーバーは濾しだった。
果樹園が、新しい音を二つ鳴らす。
時計は残渣を数えようとして、網の中で印をひとつ失う。
次の処置は、拒んだ分画を使う。
その容器を回し、膜が灯籠を受ける。一瞬、子供たちを起こしていた時刻の、馬桶の氷に見えた。




