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本当の気持ち

光と話した日からまた1週間が経ち、菜穂は1人、楓とのトーク画面を見つめた。


最後にトークしたの、結構前だなあ。

バイトも今月はもう楓と被ってない。

最近学校でもあんまり会わないし。

でも、会って何を話したいんだか自分でも分からない。

ただ、いつもみたいにくだらない話をしたい。


菜穂は溜息をつき、「おはよー」と呟いて教室に入った。

すると、教室に入るなり「菜穂」と美優たちが歩み寄って来た。


「えっ」


菜穂がビクッとして、たまたま今教室に入って来た遥は菜穂を見つけ、「ちょっ!ちょっと!何してんの!?誤解は解けたはずだけど!!??」と言って美優たちを見た。


すると美優たちは顔を見合わせ、一斉に菜穂に「ごめん!」と頭を下げた。

菜穂と遥はキョトンとした表情で顔を見合わせ、彼女たちを見た。


「全部、遥から聞いた。あたしたち、絵里奈の言うこと鵜呑みにして、菜穂があたしの邪魔する為に健斗にちょっかいかけてるんだって思い込んで嫉妬してた...本当ごめん!」


美優に言われ、菜穂は一度遥を見た。

遥は優しく微笑んで頷いた。


菜穂は美優たちを見て「あ、あの、もういいよ。過ぎたことだし、仕方ないよ」と微笑んだ。


「菜穂...ありがとう!」


美優たちも微笑み、菜穂にいつも通りの日常が戻って来た。

ただ、絵里奈がいないこと以外は。



******



「じゃあまた放課後ねっ!」


嬉しそうに微笑む飛鳥に、楓「うん」と微笑み返した。

小走りで教室の方へ戻って行った飛鳥の後ろ姿を見届け、楓は小さく溜息をついた。


「楓くん」


言われ、振り返ると「よっ」と微笑む遥がいた。


「..遥先輩」


楓は小さく呟くと、クスっと笑った。


「2年のフロアに男漁りにでも来たんですか?飢えてる先輩いるよーって呼びかけてあげましょうか」


言うと、遥は「誰が飢えてるだよっ。あ、いやちょっと呼びかけて欲しいかも...」と呟いてから「ってちがーーーう!」と言って楓を見た。


「忙しないですね」と楓。


「そんなくだらない話しに来たんじゃないわっ。いや、後から詳しく聞くけど!!!そうじゃなくてさ。聞いたよ、菜穂から全部」


遥に言われ、楓は「ああ、そのことですか..」と呟いた。


「ねえ今の子、彼女だよね。いいの?このままあの子と付き合い続けてて」


「...この間、別れようって言ったんです。でも、もう少し待ってくれって泣かれちゃって。あ、これ別にアピとかじゃないですよ」


「分かってるわ!それで?楓くんはどうしたの?」


「...放っておけなくて。そもそもは俺が巻き込んだわけですし。それに、言い方は悪いですけど菜穂先輩と兄ちゃん、仲直りしたって聞いたし、だからってわけじゃないですけど。いい子だし、好きになるかもって」


楓がそう言うと、遥は「そっか」と呟き壁に寄りかかった。


「まあ、あの子とのことは別に口出しできないけどさ。あの子もそれで納得してるならそれでいいんだろうし。楓くんがそうしようって決めたなら何も言えない。でも、楓くんの気持ち知りたいなって思って。良かったら教えてくれない?本当の気持ち」


遥はそう言って苦笑した。


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