また俺じゃなかった
遥と菜穂と帰りながら涙を拭った。
「...絵里奈のことは色々、思うとこあると思うけど、気にしなくていいよ。菜穂は何も悪くないから」
遥がそう言って微笑むと、菜穂も苦笑して「ありがとう」と呟いた。
「でも...」
菜穂が俯くと、遥は菜穂を見て言った。
「菜穂には私がいるよ。桐山も...楓っちもね」
言われ、菜穂は少しハッとした表情を浮かべてから「...うん」と苦笑した。
「..いやあ、しっかし!今日の楓っちはヤケにイケメンだったね??ほ、ほら桐山とは違ったイケメンだな〜〜〜〜〜って思ってたけど、あれはあれでイイよね〜〜〜グッときたなあ〜〜」
遥は空気を変えようと笑いながら言った。
そして先ほどの楓のことを思い出した。
菜穂は「...そうだね」と苦笑し、遥を見た。
そんな菜穂を見た遥は苦笑した。
「...あんなに真っ直ぐ信じてくれてるなんて知らなくて、びっくりしちゃった」
菜穂が言うと、遥は「....だね」と微笑んだ。
「...なんか、はは..なんだろうね...こんなのって...」
菜穂は苦笑しながらそう言った。
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楓と光は別々に家に帰り、帰宅するなり互いにすぐに部屋に入った。
そんな2人を見た湊は「え....????」と呟き、階段の上を見上げた。
湊は「今回はちょっとガチ過ぎない....?ええ〜〜〜...?」と1人呟いた。
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翌週、菜穂が学校に行くと絵里奈の姿はなかった。
すると遥が来て「絵里奈、今日休みだって」と呟いて絵里奈の席を見つめた。
菜穂が「そっか...」と呟いた。
「桐山とは?ちゃんと話せそう...?」と遥。
「...少し、落ち着いたらにしようかな。えっちゃんのこともまだ分からないし」
菜穂は苦笑した。
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【少し落ち着いたら連絡するね。それまでは1人で帰りたい。ごめん】
菜穂からのメッセージを見て、光は溜息をついた。
ーーーー何で俺は菜穂を信じてあげなかったんだろう。
どうして事実がどうとか、状況がどうとか、そんなことを考えたんだろう。
楓に言われた時、何も言えなかった。
後から考えれば、そんなの楓は彼氏じゃないからそんなことが言えるんだ、とか。
楓は第三者で、冷静にみることができるからだ、とか。
そんな言い訳はたくさん思いついた。
それでも全部、言い訳以外何ものでもなかった。
そんなの自分でも分かってた。
あの日、あの時、あの状況で正しかったのは絶対に楓だった。
俺じゃなかった。
ーーーーまた、俺じゃなかった。




