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バカかお前

放課後、絵里奈が職員室から出ると「おい」と声をかけられ、目の前の壁に楓が寄りかかっていた。


絵里奈は微笑み、楓を見た。


「..思ったより時間かかったね。彼女作ったせいで菜穂に距離置かれてた?それとも自分から距離置いてた??」


絵里奈がそう言うと、楓は絵里奈を無視して「ちょっと来て」と言って絵里奈の腕を引っ張り階段の陰へ。


「ちょっと〜、可愛い彼女に怒られない?」


絵里奈は笑いながらそう言った。

楓は怒った表情で絵里奈の腕を乱暴に離した。


「ねえあんた、また菜穂先輩に何かしたの?それとも振り向いてもらえないからって兄ちゃんに何かした?」


楓がそう言うと、絵里奈はまたクスッと笑った。


「本当、菜穂のことになるとすーぐ怒るよね、君。なに?菜穂が泣きついてきた?あいつ本当男好きだね〜」


絵里奈の言葉を聞いた楓はため息をついて言った。


「やっぱお前が何かしたんだ。何したんだよ?」


「別に?前回もだけど、あたしはただ事実を伝えただけ。まあ、菜穂があたしに相談してくれないから想像も入っちゃってるかも知れないけど?」


絵里奈にそう言われ、楓はイラっとした表情で絵里奈の横の壁をドン!と叩いた。


「おお、今時壁ドン?」と絵里奈は笑った。


「ふざけんな。いつまでそんなことしてんだよ。兄ちゃんは菜穂先輩が好きなんだよ、お前のことなんか一生好きにならない」


楓に言われ、絵里奈は楓を睨むようにして言った。


「はあ?あんたには関係ないでしょ。あんたこそ、いつまで菜穂にしつこく付き纏ってんのよ?あたしにこんなことして、桐山が知ったらあんたの気持ち、バレちゃうね?」


絵里奈にそう言われた楓は表情を変えることなく言った。


「そうだね、でも今そんなことはどうでもいい。お前が兄ちゃんに嫌われてくれるなら何でもいいよ」


楓がそう言うと、絵里奈は少し意外そうに楓を見た。


「あら、意外。桐山にあんたの気持ちがバレたらあんたもやばいんじゃない?桐山との関係は?彼女には何て説明するの?菜穂とは?まさか付き合うの?」


「....いいからお前が何したのか言えよ」


楓はそう言って絵里奈を睨んだ。


「んーまあ、これだけは教えてあげる。あたしは桐山に、菜穂が桐山と別れようと思ってるって言っただけ。って言うのも菜穂、B組の宮村とキスしてたんだよね。だから桐山の為を思って伝えてあげたの」


「は?」


楓が顔をしかめると、絵里奈はクスッと笑ってスマホの画面を楓に向けた。

絵里奈は例の写真を楓に見せた。


「結局さあ、あんたも遊ばれてたってこと。菜穂、男なら誰でもいいんだよ」


絵里奈がそう言って笑うと、楓は写真を見たあと絵里奈に視線を戻し、また表情1つ変えることなく言った。


「菜穂先輩がそんなことするわけない。これだって、どうせお前が誰か使って撮らせたんだろ。健斗先輩がお前に利用されて、無理やり菜穂先輩に迫った可能性だってある。それに、こんな写真だけじゃ判断できないだろ。バカかお前」


楓に言われ、絵里奈は驚いた表情で楓を見た。


「もういい。兄ちゃんに嫌われる覚悟しとけよ」


楓はそう言うと絵里奈から目を離し、絵里奈の廊下の方へ歩いて行った。



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