迷惑かけたくない
それからまた30分ほどして、ようやく菜穂は落ち着いた。
鼻をかむと、菜穂は目は真っ赤だがいつものように微笑んだ。
「ごめんね..!急にこんな...泣いちゃって本当ごめん。楓にはいつも、迷惑かけてばっかりだね....はは」
「いえ..何度も言いますけど別に迷惑とか思ってないですって。もう大丈夫ですか?」
「うん...!大丈夫!超元気になった!ありがとう。ごめんね??」
そう笑う菜穂を見つめ、楓は困ったような表情を浮かべた。
「...大丈夫じゃないですよね。俺には話せませんか?」
楓が言うと、菜穂は少し堪えるような表情で微笑んだ。
「ちょっと...私、色々間違えちゃったみたいで...」
「間違えた?」
「うん...そのせいで光くんにも嫌な思いさせちゃって、クラスの子たちにも嫌われちゃったみたいでさ。何か...私が悪いんだけど辛くなっちゃって...」
菜穂は苦笑しながら俯いた。
「...何があったのか分かんないですけど、兄ちゃんは何て言ってるんですか?ちゃんと話したんですよね?」
「話した。でも..ちょっと心の整理に時間がかかるって。今は1週間くらい話してない」
「え?どういうことですか?誤解なんですよね?」
楓は顔をしかめた。菜穂は苦笑した。
「うん...でも、光くんも混乱してるみたいだったし、無理もないの。仕方ないって言うか...」
菜穂の表情を見るなり、楓は頭の中に文化祭の時の絵里奈を思い浮かべた。
まさかアイツがまた何かしたんじゃーーーーーー。
「何があったんです?詳しく教えてもらえませんか?」
楓の言葉に、菜穂は「ううん..!また楓に迷惑かけるわけにはいかないし」と苦笑した。
「それに、大丈夫!ごめん、こんな時間取らせちゃったのに...はは」
そう言う菜穂を見て、楓は何も言えなくなってしまった。
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【何かあったらいつでも言って下さい。俺にできることがあれば何でもするので】
家に帰り、菜穂は楓からのメッセージを見てため息をつくと頭を抱えた。
飛鳥ちゃんがいるのに私のことで迷惑をかけるわけにはいかないーーーー。




