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桐山家の兄弟

練習が終わるなり菜穂は急いで着替え、下駄箱で光を待っていた。

すると「あ、菜穂先輩」と声が聞こえ、振り返ると楓がいた。


「あ、桐山くん。本当に話しかけてくれた。はは」


菜穂はそう言って軽く笑った。楓は菜穂の前に来るなり菜穂の顔をじーっと見た。


「な、なに!?」


菜穂は鼻毛でも出ているのではと懸念しながら言った。


「いや、汗やっばと思って。前髪びちゃびちゃっすよ」


楓は表情1つ変えずに言う。


「な~んだそんなこと。いや、てか失礼な??」


菜穂が楓を睨むと、楓は「そうですか、すみません。いや、練習頑張ったんだなあと思って」と菜穂を見た。


「え、見てたの?」


「見てたってか見かけました。めっちゃ転んでるとこ」


「うわ最悪」


「力強いのに運動は苦手なんですね。うける」


「いや全然うけてない顔してんだけど....」


菜穂は無表情な楓の顔を見て言った。


すると「あれ、楓?」と声がした。

2人が声の方を見ると、キョトンした表情の光が歩み寄ってきた。


「あ、兄ちゃん」


楓の言葉に、菜穂は勢いよく2人を見た。


「兄ちゃん!?」


菜穂が言うと、光は「菜穂、楓と知り合いだったの?」と菜穂を見る。


「知り合いっていうかバイト先が一緒で」と菜穂。


すると楓は菜穂を見て言った。


「あ、そっか菜穂先輩兄ちゃんと同じ学年ですよね」


「楓は俺の弟だよ」


光はいつものように爽やかに微笑んだ。


「えっあっ、そうなの!?いや確かに苗字一緒だなあとは思ってたけど。そうだったんだあ」


菜穂はそう言って2人を見た。


「あ、楓。俺今日出掛けるから母さんに何か聞かれたら言っといて。俺からも連絡はするけど母さん見ないし」


光は楓を見て言った。楓は「わかったー」と緩い返事。

光は「じゃ行こっか」と菜穂を見た。菜穂が「あ、うん!」と言うと、楓は少し2人を見た後「え」と呟き、「あ、出かけるって菜穂先輩と?」と光を見た。


「うん」


光は迷いなく頷く。菜穂は若干恥ずかしそうに2人を見上げた。


「あ、おけ。仲良いんだね」


楓がそう言うと、光は「仲良いって言うかまあ..菜穂は俺の彼女」と微笑んだ。

菜穂は嬉しくもあり、恥ずかしそうな表情。


「あ、そうなの。母さんには?友達って言っとく?」と楓。


「あーうん、今はその方がいいかな。ちゃんと紹介したいし」と光。


「わかったー」


楓はそう言って歩き出し、光は「ごめん、よろしくね」と微笑んだ。



それから光と2人になると、菜穂は「びっくりしたあ」と微笑んだ。


「はは、俺もびっくりした。菜穂と楓が普通に話してる何か変な感じ」


光はそう言って苦笑した。


っていうか♡

ちゃんと紹介したいしって言った?????♡♡♡♡

きゃーーーーーーーー♡♡それってそれって♡まるで結婚の挨拶みたいじゃーん♡♡♡


菜穂は1人浮かれながら「あ、他に兄弟はいるの??」と光を見上げた。


「うん、楓の下にもう1人弟がいるよ。1年生。同じ学校だよ」


「へえ、そうなんだ!!てか、私って光くんのこと何も知らないな...」


菜穂が苦笑すると、光は「そういえば弟の話したことなかったもんね」と微笑み、菜穂を見た。


「これからたくさん話そう。時間はたっぷりあるんだしさ」


好き~~~~~~~♡♡


光くんの弟って、桐山君(楓)も確かに端正な顔してるし、1年生の弟もイケメンなんだろうなあ~~~~~~♡

今度探そ。


お父さんもお母さんも超絶美形だろうし、家なんか行ったら芸能人の家みたいで鼻血出るかも....♡♡♡

え、そしたらそしたら♡

私と、桐山B(楓)の彼女と、桐山C(1年生の弟)の彼女とかとも仲良くなれちゃったりして♡♡♡


妄想を膨らませていると、2人は目的のマックに到着。

そこでしばらく喋ると、あっという間に時間が過ぎ、20時を越えたあたりで2人は帰路についた。


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