夏の鬱イベント
今年もこの季節がやってきてしまった。
せめて暑いから冬にして欲しいと思うスポーツ大会。
運動音痴な私からしたら地獄の行事.....。
今年はできもしないバレーに配属され、早速放課後の練習に参加させられた。
「菜穂そっち行った!」
クラスメイトにそう言われ、ボールを追いかけるももちろん空振り。何度やっても空振りだし顔面に当たるし、転ぶしで最悪。
楓が体育館の横を通ると、中から笑い声が聞こえてきた。
ふと中を見ると、菜穂がボールを顔面に受け転んでいるところだった。
楓は吹き出すように笑った。
「あれ、あの先輩この間俺らがボールぶつけちゃった先輩じゃね?」
「楓、仲良いんでしょ」
言われ、楓は「仲良いってか、バイト先が一緒なだけ。あの人超力強いかんね。転んでっけど」と笑い、「まじで?」と話しながら体育館を通り過ぎた。
「もう~~~~~~~つらいし痛いし~~~~!!!」
休憩を取り、ポカリを飲みながら菜穂は嘆いた。
「菜穂って本当運動音痴だよね。怪我してない?」
絵里奈は笑いながら菜穂を見た。
「大丈夫...心は大丈夫じゃないけど」
菜穂は泣きそうな顔で肩を落とした。
すると「なーほっ」と声が聞こえ、菜穂と絵里奈が顔を上げると、爽やかに微笑む光がいた。
菜穂はすぐさま表情を戻し「光君!!!!」と微笑んだ。
絵里奈は「桐山、菜穂のこと慰めてやって」と笑い、立ち上がって別なクラスメイトの方へ。
光は菜穂の隣に座った。
「大丈夫?さっき転んでたけど」
光が苦笑し、菜穂は「あ、うん、まあ...」と苦笑。
「はは、無理しないようにね。はい、これあげる」
光はそう言って手に持っていたポカリを菜穂に渡した。菜穂は「ありがとう~~~」と言ってポカリを受け取った。
「まあ菜穂には悪いけど、どんくさくて可愛いなーって見てた」
光はそう言って笑いながら菜穂を見た。
菜穂は「ええ..それは褒めてる?」と苦笑。
「褒めてるよっ。なんか小動物みたいっていうか、そういう可愛さ。はは」と光。
「えーお恥ずかしいところを....」
菜穂がまたそう言って肩を落とした。
「まあ、本当に無理しないでね。暑いし」
「うん、ありがとう。光くんは何の種目に出るの?」
「俺はバスケと陸上」
「え!2種目!さすがスポーツ万能....!」
「流れでそうなっちゃっただけだよ。ねえ、今日バイトある?」
「ううん、今日はないよ」
「本当!」
光はそう言うと辺りを見渡してから菜穂の耳元に近づき、「じゃあ練習終わったらデートしよっか」と微笑んだ。
菜穂は顔を真っ赤にして「する!絶対する!!!」と微笑んだ。
「決まりだね。じゃあまた後で」
光はそう言うと立ち上がり、笑顔で菜穂に手を振ると自分のクラスの方へ戻って行った。
はあ、好き~~~~~~~~~~!!!!!!




