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教えてあげる

だから教えてあげた。

菜穂が弟にどんな感情を抱いているのか。


まあ、菜穂があたしにも何も話してくれないから、多少事実とは違う解釈も話しちゃったかも知れないけどね?


「…こんなこと、あたしが桐山に言うのは違うかなっても思ったんだけど、言っていいかな」


絵里奈がそう言うと、光は「ん?」と不思議そうに絵里奈を見た。


「菜穂…もしかしたら浮気してるんじゃないのかな」


「え…ど、どういうこと?」


光の表情が一気に曇った。


「あ、いや…桐山はクラス違うから分かんないと思うけど、菜穂って男子に対する態度が結構違くて。それに…」


絵里奈はそこで言葉を切り、言いづらそうに俯いた。


「え、なに…?」


光が言うと、絵里奈は「こ、これあたしが言ってたって言わないでね?あたしは…桐山と菜穂、2人の味方だから…!」と言った。


「うん…橘が嫌なことはしないよ。どうしたの?」


「あのね…菜穂…宮村と…キスしてたんだよね…クラスの子がそう言ってて…これ…」


絵里奈はそう言ってスマホの写真を光に見せた。


光は写真を見て、大きく目を見開いた。


「なに…これ…?」


「あたしにも分からないの…!でも…その子は菜穂と宮村がキスしてたって言ってたし…あたしだって信じられない。桐山に言おうか迷ったけど…でもこのまま桐山が騙されてるのも…ごめん」


絵里奈が言うと、光は動揺しながら「あ、いや…橘は悪くないよ」と言った。


「ごめんね、俺と菜穂のことで逆に悩ませちゃったみたいで」


光に言われ、絵里奈は俯きながら一瞬ニヤリと笑った。


また心配そうな表情を作り顔をあげると、「菜穂…文化祭の時桐山と喧嘩したって言ってて…それから別れようかって話もしてたの…だから宮村とこんな…」


絵里奈の言葉を聞き、光は「えっ」と声を漏らした。


「どういうこと?菜穂が俺と別れたいって言ってたの?」


「…うん。だけど、桐山って人気者だし、手放すのはもったいないかもって…だから宮村と付き合ったら…桐山と別れるつもりなのかなっても思っちゃって…それにほら、楓くんとのことだってあるでしょ?この間も2人楽しそうに話してたし…」


絵里奈にそう言われ、光は気が抜けたように息を吐いた。


「そんな…」


桐山の落胆した表情を見て、作戦が上手くいったと確信した。


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