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信じたいけど

菜穂は頭が真っ白になり、どこから話していいか分からなくなった。

美優ちゃんの話?宮村くんの話?嫌がらせの話?

あれ、何を話せばいいんだろう。

光くんは怒ってる?泣いてる?この表情はなんだろう?

あれ、何で宮村くんは急に私によく話しかけてくるようなったんだろう?

何でもっと早く光くんに相談しなかったんだろう?

はるちゃんや、えっちゃんに「最近なんかあった?」って聞かれた時、どうして頼れなかっただろう?


菜穂がそんなことを考えたまま無言でいると、光は「…何で何も言わないの?」と菜穂を見た。


「…健斗に聞こうと思った。だけど、怖くて聞けなかったのもあるし、菜穂の口から聞きたくて。それに、言えないままでいたら健斗、部活の合宿であと2週間は帰ってこないって聞いて…」


光はボソボソと話し始めた。


「これは…ただ、宮村くんが、私の頬の汚れを取ってくれて…何で写真があるのかは分からないけど…」

菜穂が言うと、光は「…そっか」と呟きスマホをしまった。


「…それと、言われたんだ。菜穂が俺とのことで悩んでるって…別れようと思ってるって言ってたって…」


光に言われ、菜穂は勢いよく顔を上げた。


「え…?!誰がそんなこと…?!私言ってないよ!」

菜穂がそう言うと、光は「俺だってそう信じたいよ」と呟き、河川敷の階段をに腰を下ろした。


「…でも、じゃあ何でそんなこと俺に言う人がいるの?菜穂が…相談したからじゃないの…?」

光がそう言うと、菜穂は光に駆け寄る。


「言ってない…!絶対に言ってないよ!この写真のことだって、誰がこんなことしたのか分からないの…!私は…私は…!」


菜穂は必死にそう言って光を見つめた。

光は菜穂を見て、今にも泣きそうな表情を浮かべた。


「…分かった。でもごめん、ちゃんと双方の話を聞かないと俺も判断できないから。ちょっとだけ、時間くれないかな…」


光がそう言い、菜穂は「…分かった。でも私は本当にそんなこと言ってないし、宮村くんとも何もない…!信じて!」と光の腕を掴んだ。


「…分かったよ」


この日は、ここから無言で家に帰った。



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