急がないと
2人がそんな話をしていると、タイミングが良いのか悪いのか、同級生の飛鳥が「あ、あの楓くん!」と話しかけてきた。隣には同じく同級生の美紗もいる。
「ん?」
楓が振り返ると、飛鳥は緊張したような表情であわあわ。
楓は和葉と顔を見合わせ、和葉は「どしたん」と飛鳥を見た。
すると美紗は「和葉はちょーっと黙ってて?」と和葉の腕を掴んだ。
和葉は「え、なに美紗っち大胆じゃーん♡俺のこと好きなの?」とヘラヘラ。美紗は「うるさ」と冷めた目で和葉を見た。
楓は「なに?」と飛鳥を見た。
飛鳥は不安そうに美紗を見つめ、美紗は頷いた。
飛鳥も頷き、「えっと、あの、今日....花火一緒に行ってくれませんか!!!!」と言った。
楓は一度目をぱちくり。和葉は「おお♡」と呟き、楓と顔を見合わせた。
楓はすぐに飛鳥に視線を戻して言った。
「いいよ」
言われた飛鳥は「えっ!?本当に!!???」と驚いた表情で楓を見上げる。
「うん、いいよ。じゃあとで連絡するね」と楓。
「いや展開早っ!」と美紗は小さく呟いた。
和葉は「飛鳥チャン、タイミング良すぎ」と苦笑し、美紗が「え?」と和葉を見ると、和葉は「いえ」と苦笑して美紗から目を逸らした。
飛鳥は顔を真っ赤にして「あ、ありがとう!!楽しみにしてるね!!!!」と言って美紗と共に去って行った。
2人に手を振り、和葉は「お前意外と乗り気じゃねえか...」と楓を見た。
「急がないと忘れられなくなるでしょ」
楓はそう言って微笑み、和葉に手錠をかけた。
「なんでだよ」と和葉は眉をひそめた。
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そしてその日の19時。
約束通り、楓は飛鳥と合流してグラウンドを移動していた。
「楓くん、今日はありがとう。嬉しい...!」
歩きながら飛鳥に言われ、楓は「ううん。誘ってくれてありがと」と微笑んだ。
飛鳥は嬉しそうに微笑み、楓はそんな飛鳥を見て少しクスっと笑った。
「楓くんはその、か、彼女とか...いないんだよね!?大丈夫だった!?」
飛鳥に言われ、楓は「いないよ」と答えた。
「そっか..!良かった!あ、その、良かったって言うのは変な意味じゃなくて、もしいたら花火とか誘っちゃって申し訳ないなって思っただけっていうか...!!」
「分かってるよ。てか、何で俺のこと誘ってくれたの?」と楓。
「えっ!?それはその...楓くんと仲良くなりたいなって前から思ってて...ほ、ほら!楓くんって優しいし!か、かっこいいし...!だからその、もっと仲良くなれたらなって思って...」
「...そっか。ありがと、そんな風に思ってくれて。素直に嬉しい」
楓がそう言うと、飛鳥は嬉しそうに「本当っ!?」と楓を見上げた。
「うん、本当。じゃあまあ、これからもっと仲良くしよ」
楓はそう言って微笑み、飛鳥を見下ろした。




