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あの日の裏側で

クラス替えが近づいてきた時だった。


【橘に話があるんだけど明日ちょっといい?】


夜に桐山から連絡が来た。

この日は嬉しくて眠れなかったし、飛び跳ねて喜んだことを覚えてる。

正直告白だと思った。


そこそこ仲良くなったし、みんなでだけどたまに遊んだりもする仲になった。

やっとだ。やっと桐山と付き合えるかも知れない。


それで翌日、恥ずかしそうにキョロキョロと周りを見渡す桐山に呼び出された。

あたしの心はかなり踊っていたし、なぜか確信までしていた。

でも、言われた言葉は予想に反したものだった。


「あ、あのさ…橘って汐崎と仲良いよね?汐崎って好きな人いるとか、聞いてる?」


ーーーーーは?


「その…もう言っちゃうけど俺ね、汐崎のこと好きなんだよね…その、橘に協力して欲しいなあと思って…!」


恥ずかしそうに顔を赤らめてそう言う桐山を見て、頭が真っ白になった。

そして心底菜穂が憎くなった。



******



桐山が菜穂のことを好きなら今は変えられない。

ならもう、あたしのすることは1つだ。

付き合ってみて、菜穂の嫌なとこを知って嫌いにさせればいい。

そうしないと気持ちがあたしに向くことはない。

良き相談相手になってやろう。


実際、菜穂が桐山のことを好きなことも知っていた。

八方美人のこいつと桐山が上手くいくだなんて思ってなくて高を括っていた。


菜穂なんかのどこがいいんだか。


それから2人が付き合って、どう邪魔してやろうかと考えていたとき、弟の桐山楓と菜穂が仲良くしているところに目をつけた。

それで桐山が不安になっていることも見ていたら分かる。


そんな時、菜穂の妹と楓の会話を偶然耳にして、菜穂が桐山に嘘をついたことを知った。


だからあたしは桐山に【菜穂相当具合悪いみたいだからお見舞いにでも行ってあげたら?弟くんが菜穂のこと家まで運んでくれたんだよね?弟にもちゃんとお礼言いなよっ】とメッセージを送った。


案の定、そこに気づいた桐山は相当不安になってる様子だった。




それでも別れずに仲良く一緒に帰る2人を見て、作戦が失敗したことを知った。

それで思いついたのがバッティングさせること。


文化祭の後、着替えてる時に菜穂が置いていたスマホを後で机の中に入れておいた。

その後花火の会場まで移動させ、スマホがないことに気づいた菜穂は桐山と連絡が取れないまま教室に戻る。


あたしは遥にトイレに行くと言ってからまず、2年のところへ行って偶然を装って楓に「菜穂がさっき怪我しちゃって保健室に行ったんだけど、連絡も繋がらないしどこにいるか分かんないの...!桐山も電話に出ないし、あなた菜穂と仲良いよね?教室の方見て来てくれない!?」と伝えた。


折を見て桐山に【菜穂が教室の方に戻って行ったから迎えに行ってあげて!】とメッセージを送った。

そうすれば、菜穂が桐山に黙って楓と2人で落ちあっているような状況を作れる。


桐山の不安は相当溜まっていた。

そんな状況を桐山が見れば、確実に2人の間に亀裂が入る。



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