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桐山Bとの初遭遇

「ってなことがあってね~~~~~♡♡♡」


翌週、菜穂は週末の光とのデートを絵里奈に語っていた。


「はいはい、早速幸せそうで何より」


絵里奈は呆れながらも楽しそうに聞いていた。

放課後、職員室から教室へと移動しながら話していた菜穂は、体育館の脇を通った時、「あっ!危ない!」と声が聞こえ、「え」と呟き体育館の方を見ると、バスケットボールが飛んで来ていた。


菜穂は咄嗟に絵里奈の前に立ちはだかり、絵里奈は目を見開いて「菜穂っ!」と言った。

ボールは見事菜穂の腹にぶつかり「ぶえっっ...!!」と言って菜穂は尻もちをついた。


「痛ったァァ....」と呟くと、体育から男の子が3人ほど出てきた。


「大丈夫ですーーーーーーあ」と声が聞こえ、菜穂が見上げると、3人のうちの1人は先週バイトで会った桐山楓だった。


「あ」


菜穂もそう呟き、楓は菜穂の手を引き起き上がらせると、「まさか先輩だったとは」と呟いた。


「え、え、桐山くん同じ高校だったの!?」


菜穂は驚いた顔で楓を見る。


「はい」


「はいって、驚かないんかいっ」


「いやだって、この間菜穂先輩制服でバイト来たし」


「え、言ってよ」


「何を」


「いや、『同じ高校ですね~!』とか『学校で会ったら話しかけますね!』とかなんかそういう..後輩っぽいやつ!!?」


「いや別に同じだなって思っただけですけど」


「あ、そう...」


「まあ、それはどうでもいいとして、ボールすみませんでした。大丈夫ですか?」


楓はそう言って菜穂の腹のあたりを見た。

周りの男の子たちも「すみません、僕がボール投げてしまって」と菜穂を見た。


「あ、全然大丈夫!!気にしないで!」


菜穂はそう言って微笑んだ。

彼らは申し訳なさそうに「すいません」と何度か話している。


菜穂が「全然全然!」と彼らを宥めると、楓は吹き出すように少し笑った。


「っていうか、男らしいっすね。いいと思います」


「は!?」


菜穂が目を見開くと、楓は絵里奈を一度見てから菜穂に視線を戻した。


「めっちゃ強そうにあの先輩のこと庇ってたから。まあ呆気なく倒れてましたけど」


「おい。反射で...」


「まあでも、俺らのボール当てちゃってすいませんでした。それじゃ」


そう言って楓たちは菜穂と絵里奈に会釈をして体育館に戻って行った。


楓たちがいなくなり、絵里奈は「菜穂、大丈夫?ありがとう」と菜穂に歩み寄ってきた。

心配そうな表情を浮かべる絵里奈を見て、菜穂は「あ、ううん!全然大丈夫!」と笑った。


「そう...なら良いけど、ありがとね」


「いえいえ!」


「あの子、知り合いなの?」


絵里奈は体育館に戻り、またバスケをして遊んでいる楓たちを見た。


「あ、うん。バイト先が一緒で。学校一緒なのも知らなかったし、今日で会うの2回目だけど」


菜穂はそう言って教室に向かって歩き出した。


「へえ。じゃあ1日で結構仲良くなったんだ?」


「仲良く...?いや?分かると思うけど桐山くん、無表情で何考えてるか分かんないタイプじゃん?変わってる子だなあって」


「桐山?あの子桐山って言うんだ?菜穂の彼氏と一緒じゃん?♡」


絵里奈が茶化すようにそう言うと、菜穂は途端にニヤニヤ。


「そう!そうなの!!!だから自己紹介されたとき光くんが頭に浮かんで、バイトどころじゃなかったっていうか..♡♡♡」


両手を頬に当てる菜穂を見て、絵里奈は「重症だね」と苦笑した。


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