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花火

そして何事もなく楽しく1日が過ぎ、19時からの花火に備え、生徒はグラウンドの方へ移動していた。

移動しながら菜穂は光に連絡しようと斜めにかけていたポシェットを探った。


「あれ」と呟き、菜穂は制服のポケットに手を入れる。


「どうしたの?」


絵里奈に言われ、菜穂は「光君に連絡したいんだけど..スマホがなくて」と言いながらまたポシェットに手を入れるもスマホが見当たらなかった。


「掛けようか?」


遥はそう言って菜穂のスマホに電話を掛けた。音はどこからも聞こえない。


「ありがとう。えー、どっかに落としちゃったかなあ」と菜穂。


「桐山と場所は約束してなかったの?」


絵里奈に言われ、菜穂は「うんー、お互い何時に来れるか分かんないだろうし連絡取り合おうって話してて...」と眉をひそめた。


「さっき着替えた時服に入れっぱなしになってるんじゃない?まだ15分くらいあるし教室戻ったら?」

絵里奈に言われ、菜穂は「そうだね。ちょっと見てくる!」と立ち止まった。


「あたしたちも行くよ」と遥が行こうとすると、菜穂が「あ、大丈夫大丈夫!ギリギリでも場所なくなっちゃうし、すぐ戻れるから!」と言って校舎の方へ走って行った。


「大丈夫かな、菜穂」と遥。


絵里奈は遠ざかっていく菜穂を見て「...大丈夫だよ。ごめん、あたしちょっとトイレ行ってくるね」と微笑んだ。



******



菜穂は薄暗い教室に戻り、自分の席を覗いた。

すると案の定スマホが置いてあり、菜穂は「わあ、良かった~~」と呟きスマホを見た。時刻はギリギリで、「やっば」と呟き菜穂は小走りで出口へ向かった。

するとこちらに向かってくる足音が聞こえ、菜穂が視線を向けると足音は菜穂のいる教室で立ち止まった。


「えっ」


菜穂はそう言って驚いた表情を浮かべた。


「え.....」


そこに走ってきた楓は戸惑った表情を浮かべて菜穂を見た。


「え、なんで楓が3年の教室に?」


菜穂が言うと、楓は「いや、俺は菜穂先輩が怪我して教室にいるから行って欲しいって言われて...にしてはピンピンしてますね」と困惑した表情。


「け、ケガ!?え?誰がそんなことーーーーーーーーー」


菜穂がそう言いかけた時、教室の入り口から「何やってんの....?」と声がした。



2人が視線を向けると、そこには息を切らした光がいた。

瞬間、大きな音が鳴り、窓から差し込む花火の光が3人の顔を照らした。



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