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運が悪いね?

「菜穂先輩と仲直りしたんだ??」


一方、楓が菜穂と別れて歩き出すと、先ほどのやりとりを見ていた和葉はそう言って微笑んだ。


「え、別に喧嘩してないけど」と楓。


「えー?だってここ1ヵ月くらい喋ってなかったじゃん。今まで菜穂先輩見かけたらちょっかい掛けに行ってたのに。何かあったんかなーって思ってたけど?」


和葉が言うと、楓は「ああ、まあ、うん」と苦笑した。


「なに、無理矢理迫ったりでもした?」


和葉が茶化すように言い、「和葉じゃないんだから」と楓は笑った。


「じゃなに、お兄ちゃんに怒られた?」


和葉に言われ、楓は「んー、まあそんなとこ」と苦笑。


「へえ、光先輩って嫉妬深いんだ~~」


「別にそういうわけじゃないと思うけど、まあ俺が悪いかな。でもちゃんと線引きしよーって思ってるし」


「線引きって?」


「いや、んー、兄ちゃんの彼女だってこと忘れずに接するってことー。先輩にもちゃんと伝えたし」


楓がそう言うと、和葉は吹き出すように「なんじゃそりゃ」と笑って続けた。


「それ、自分に言い聞かせないと何かしちゃうってことじゃんっ。ふは、楓ってそんな可愛かったっけ??」


言われ、楓は立ち止まり「え?」と和葉を見た。


「いやいやいやっ!明らかにそうでしょ!これ以上好きにならないようにしますって本人に伝えたようなもんじゃんっ?」


「えっ.....」


楓は目をぱちくり。和葉はそんな楓を見てクスっと笑う。


「まァ、俺は止めないよ?恋愛は早いもん勝ちってわけじゃないから♡」


和葉はそう言って楓に腕を回し肩を組んだ。


「俺、もしかして菜穂先輩にやばいこと言っちゃってる?」


楓はポカンとして和葉を見た。


「うん、結構ってかかなり?」と和葉は笑う。


楓は和葉から視線を離し、「いや違うだろ」と言って真顔に戻り、和葉の腕をすり抜けてまた歩き出した。


和葉は小走りで楓に追いつき「いやァ~~でも相手があの完璧お兄ちゃんかあ~~楓も運が悪いね~」と微笑んだ。


「いや違うってば」


楓は眉をひそめて言う。


「え、じゃあさじゃあさ、俺が礼実ちゃんと結婚したら楓と兄弟になれるってこと?♡最高じゃんそれ♡そうしようよっ」


「いや、まず和葉は礼実ちゃんに無視されてるでしょ」


「これからだから♡」


「もう9月だけど」


「今日がダメなら明日があるってこと♡時間の問題だね♡でもさ~菜穂先輩も満更じゃなさそうだよね~~楓のこと相当気に入ってるでしょありゃ」


「いや、それこそ兄ちゃんの弟だからーーーーー」


楓がそこまで言ったところで、菜穂が以前に『楓と話すのが楽しいんだよ』と言っていたこと、前回泣きながら走ってきたことを思い出す。

和葉はフリーズする楓を見てクスっと笑った。


「...あの人俺に兄ちゃんの惚気話してるくらい兄ちゃんのこと好きだから。俺も兄ちゃんと仲良くしてて欲しいし、そういう意味での線引きってこと」


楓がそう言うと、和葉は「もうーっ、そんなムキになるなよ~~」と笑った。


「なってないわ」と楓は呆れた表情を浮かべた。



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