本当小さい
翌日菜穂が自販機に飲み物を買いに行くと、自販機の近くには楓と和葉、そして知らない女の子2人。
菜穂は「あっ」と呟き引き返そうと振り返った。
すると「あ、菜穂せんぱーいっ!いや、お姉さんっ♡」と言って和葉が手を振ってきた。菜穂は無視するわけにもいかず、笑顔を作って振り返った。
「お、おお~~和葉くん!ってか弟~~!礼実とは順調ー??♡」
菜穂はハイテンションで和葉を見た。和葉も微笑み続ける。
「はい!あと一押しですね!(LINEでも会っても無視されてるけど)」
「まじかっ!礼実何も言ってくれないから今度聞かせてね~~♡」
そんな会話をしていると、後ろにいた楓はどこか気まずそうな表情をして、隣にいた女の子と話しながら教室へ戻って行った。
和葉は振り返り「あれ、楓行っちゃった。今日は楓に用ないんですか?」と菜穂を見た。
菜穂は「えっ?いや別にいつも用があったわけじゃ...」と苦笑。
「あーまあ確かに?お2人、ただ楽しそ―に話してたって感じでしたもんね!ちょっかいかけてるって言うか?」
和葉は考えるようにそう言うと「あ、じゃ俺も戻りますね!また!」と言って教室に戻って行った。
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そこからまた2週間、同じような日常を繰り返し、菜穂はこの日光の家に来ていた。
玄関に立ち入るなり、一応楓がいないかどうか靴を見た。
光は足元を見ている菜穂の手を引き「行こ」と微笑んだ。菜穂は「あ、うん!お邪魔します!」と言って光の部屋へ。
「菜穂のクラスは文化祭、何するの?」
光に言われ、菜穂は「んっとね、カフェ!」と微笑んだ。
「へえそうなんだ!菜穂は何か着るのー??」
「私はねえ着物!和風カフェなの」
「着物いいね!菜穂似合いそう~」
「えへへ、そうかな。光くんのクラスは?」
「俺のクラスもカフェ~」
「え!何着るの??♡♡」
「女子がメイド服、男子は執事」
光は恥ずかしそうにそう言って苦笑した。
「執事っ!!光くん背高いし絶対似合うんだろうなあ~~!!♡♡写真撮ろうね♡」
「うんっ、またロック画面ししちゃお」
光は嬉しそうに笑った。
「ふは、私もロック画面にしちゃお~~」
菜穂がそう言ってスマホを見ると、【菜穂ちゃんごめん!明日バイトのシフト替わってくれないかな?】とバイトの友達からメッセージが来ていた。
「あ、ごめん見ちゃった」光は苦笑して目を逸らした。
「ううん大丈夫!返信してもいい?」
「もちろん」
菜穂はスマホを開き、【いいよ~~~】と返信すると、すぐに既読がついた。
【明日桐山くんも一緒だったから、桐山くんには私から伝えておくね!ありがとう!】とメッセージが送られてきた。
この1ヵ月、奇跡的に楓とはシフトが被っていなかったのだ。
被っていても他の人がいる時だった。
菜穂の指の動きが止まり、光が「終わった?」と菜穂の方を見ると、菜穂は「あ、うん!」と反射的にスマホを裏返しに置いた。
一瞬メッセージが見えてしまった光は、「...そっか」と微笑んだ。
「いやあ、文化祭楽しみーーーーーーー」
と菜穂が微笑み、光の方を見ると光は菜穂にキスをした。
菜穂は一度ビクッとしてすぐに受け入れ、目を瞑る。
数分経って、菜穂は一瞬唇が離れた瞬間に「まって..!苦しいよっ..!」と顔を引いた。
光は無言でまた菜穂にキスをして、また時間が過ぎた。
しばらく時間が経ったあと、光は唇を離し、少し菜穂を見つめてから菜穂の肩に手を回し、菜穂の首にキスをした。
菜穂はビクッとして「えっ」と声を出した。
光は菜穂を無視してそのまま菜穂の首にキスをして、そのままカーペットの上に菜穂を優しく押し倒した。
菜穂は「えっ...!ちょ、まって!」と言い、光は菜穂のシャツのボタンを1つ開けた。
菜穂は驚いた表情を浮かべ、「ちょっと...!光くん!」と言ってどうにか起き上がった。
咄嗟に光を突き飛ばしてしまい、菜穂は「あ、ごめん...!」と光に駆け寄った。
「...ううん、ごめん俺も」
光はそう言って菜穂を見た。菜穂は「あ、あの...私別にその、嫌とかじゃなくて!!えっと、私こういうの慣れないからついその...!ごめん!!」と光を見た。
どこか寂し気な表情の光を見て、菜穂は目をぱちくりして更に口を開いた。
「えっと、その、もうちょっと、ゆっくり進みたいなあなんて...!!ごめん..」
菜穂もうそう言って俯き、光はそんな菜穂を見てゆっくり抱きしめた。
菜穂も光に腕を回す。
「ごめんね、菜穂。俺、本当小さい」
光がそう呟き、菜穂は「え?」と聞き返した。
「ううん、なんでもない」




