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本当小さい

翌日菜穂が自販機に飲み物を買いに行くと、自販機の近くには楓と和葉、そして知らない女の子2人。

菜穂は「あっ」と呟き引き返そうと振り返った。


すると「あ、菜穂せんぱーいっ!いや、お姉さんっ♡」と言って和葉が手を振ってきた。菜穂は無視するわけにもいかず、笑顔を作って振り返った。


「お、おお~~和葉くん!ってか弟~~!礼実とは順調ー??♡」


菜穂はハイテンションで和葉を見た。和葉も微笑み続ける。


「はい!あと一押しですね!(LINEでも会っても無視されてるけど)」


「まじかっ!礼実何も言ってくれないから今度聞かせてね~~♡」


そんな会話をしていると、後ろにいた楓はどこか気まずそうな表情をして、隣にいた女の子と話しながら教室へ戻って行った。


和葉は振り返り「あれ、楓行っちゃった。今日は楓に用ないんですか?」と菜穂を見た。

菜穂は「えっ?いや別にいつも用があったわけじゃ...」と苦笑。


「あーまあ確かに?お2人、ただ楽しそ―に話してたって感じでしたもんね!ちょっかいかけてるって言うか?」


和葉は考えるようにそう言うと「あ、じゃ俺も戻りますね!また!」と言って教室に戻って行った。



******



そこからまた2週間、同じような日常を繰り返し、菜穂はこの日光の家に来ていた。

玄関に立ち入るなり、一応楓がいないかどうか靴を見た。


光は足元を見ている菜穂の手を引き「行こ」と微笑んだ。菜穂は「あ、うん!お邪魔します!」と言って光の部屋へ。


「菜穂のクラスは文化祭、何するの?」


光に言われ、菜穂は「んっとね、カフェ!」と微笑んだ。


「へえそうなんだ!菜穂は何か着るのー??」


「私はねえ着物!和風カフェなの」


「着物いいね!菜穂似合いそう~」


「えへへ、そうかな。光くんのクラスは?」


「俺のクラスもカフェ~」


「え!何着るの??♡♡」


「女子がメイド服、男子は執事」


光は恥ずかしそうにそう言って苦笑した。


「執事っ!!光くん背高いし絶対似合うんだろうなあ~~!!♡♡写真撮ろうね♡」


「うんっ、またロック画面ししちゃお」


光は嬉しそうに笑った。


「ふは、私もロック画面にしちゃお~~」


菜穂がそう言ってスマホを見ると、【菜穂ちゃんごめん!明日バイトのシフト替わってくれないかな?】とバイトの友達からメッセージが来ていた。


「あ、ごめん見ちゃった」光は苦笑して目を逸らした。


「ううん大丈夫!返信してもいい?」


「もちろん」


菜穂はスマホを開き、【いいよ~~~】と返信すると、すぐに既読がついた。


【明日桐山くんも一緒だったから、桐山くんには私から伝えておくね!ありがとう!】とメッセージが送られてきた。


この1ヵ月、奇跡的に楓とはシフトが被っていなかったのだ。

被っていても他の人がいる時だった。


菜穂の指の動きが止まり、光が「終わった?」と菜穂の方を見ると、菜穂は「あ、うん!」と反射的にスマホを裏返しに置いた。


一瞬メッセージが見えてしまった光は、「...そっか」と微笑んだ。




「いやあ、文化祭楽しみーーーーーーー」


と菜穂が微笑み、光の方を見ると光は菜穂にキスをした。

菜穂は一度ビクッとしてすぐに受け入れ、目を瞑る。


数分経って、菜穂は一瞬唇が離れた瞬間に「まって..!苦しいよっ..!」と顔を引いた。

光は無言でまた菜穂にキスをして、また時間が過ぎた。


しばらく時間が経ったあと、光は唇を離し、少し菜穂を見つめてから菜穂の肩に手を回し、菜穂の首にキスをした。


菜穂はビクッとして「えっ」と声を出した。

光は菜穂を無視してそのまま菜穂の首にキスをして、そのままカーペットの上に菜穂を優しく押し倒した。


菜穂は「えっ...!ちょ、まって!」と言い、光は菜穂のシャツのボタンを1つ開けた。

菜穂は驚いた表情を浮かべ、「ちょっと...!光くん!」と言ってどうにか起き上がった。

咄嗟に光を突き飛ばしてしまい、菜穂は「あ、ごめん...!」と光に駆け寄った。


「...ううん、ごめん俺も」


光はそう言って菜穂を見た。菜穂は「あ、あの...私別にその、嫌とかじゃなくて!!えっと、私こういうの慣れないからついその...!ごめん!!」と光を見た。


どこか寂し気な表情の光を見て、菜穂は目をぱちくりして更に口を開いた。


「えっと、その、もうちょっと、ゆっくり進みたいなあなんて...!!ごめん..」


菜穂もうそう言って俯き、光はそんな菜穂を見てゆっくり抱きしめた。

菜穂も光に腕を回す。


「ごめんね、菜穂。俺、本当小さい」


光がそう呟き、菜穂は「え?」と聞き返した。


「ううん、なんでもない」



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