何で避けるの?
それからも菜穂は楓を見掛ける度に隠れたり見つかったりを繰り返し、そんな日々が2週間続いた。
菜穂は学校帰りバイトへ向かいながらシフトを確認した。
菜穂のバイト先のホームセンターは基本的に暇な為、1日2人しかシフトが入っていない。
そして1週間ぶりに楓と2人きり。
ここ最近いい感じに距離保ってるし、今日だってバイト中は普通にして、帰りは1人で帰ろう…!うん!!!!
とか何とか決意して菜穂はエプロンをつけ、事務所を出た。
するとレジには既に楓がいた。
「あ、おはようございまーす」と楓。
「お、おはよう…!」
菜穂はぎこちなく笑顔を作ってレジへ行くと、すぐにダンボールを手に売り場へ。
そんな菜穂を見て、楓は首を傾げた。
そこから3時間、バイト中菜穂は特にやることもないのに掃除をしたり、灯油缶を確認しに行ったりして、楓とは殆ど喋らずに終了時間が来た。
2人は事務所を閉めて外に出ると、菜穂は「お疲れ!」と苦笑した。
楓は一瞬動きを止め、「えっ、あ、はい。お疲れ様です」と戸惑った様子で菜穂を見た。
菜穂は「じゃ、じゃあ私…!用があるのでここで…!!!!」と言ってくるりと振り返り歩き出した。
すると「まって」と言って楓は菜穂の腕を掴んだ。
菜穂は「え」と呟き立ち止まり、振り返った。
楓は眉をひそめて言った。
「最近何か俺のこと避けてます?」
楓に言われ、菜穂は「エッッッッ」と目を見開いた。
「べ、別に…?!」
「いや避けてますよね。何なんですか、俺何かしました?」
楓は不思議そうに菜穂を見た。
「い、いや…?何も???!」
「じゃあ何で避けるの。教えて」
楓に言われ、菜穂は「それは…その…!」とブツブツ。
「教えてくれるまで離さない」
楓はそう言いながら腕を離さずに菜穂を見た。どこか不機嫌そうな表情を浮かべていた。
「い、いや...!避けてないって!」
菜穂はそう言いながら腕を引っ張る。
「嘘。避けてる」と楓。
「避けてないってば!」
「いつもうざい絡み方してくるじゃないですか。何でやめたの」
「いやっ!元々うざくないし!」
「うざいでしょ」
「うざくないってばっ!」
「何で最近きもい惚気話してこないの?」
「はっ..!?きもくないしっ!」
「きもいでしょ」
「きもくないってばっ!」
話が脱線しながら菜穂は腕を引っ張り続け、楓は離さないまま。
「もう抵抗するのやめたら。男の力に勝てるわけないでしょ」
表情1つ変えずに言う楓に、菜穂は腕を引っ張りながら言う。
「私楓より力強いしっ!砂持てるもん!」
「そうだね。でも砂と違って離したくないから離さないよ俺。ねえ教えて」
言われ、菜穂は一度動きを止めて楓を見上げた。




