幼稚園生みたい
「あち~~~~」
菜穂はそう言いながらジャージ姿で畑の草むしりをしていた。
「水着忘れてもいつもは教室でレポートだったのになあ。曇りだから草むしりできるね☆って言われてもねえ」
クラスメイトの康太はそう言いながら草むしり。
「でも見てー、私むしったとこ超綺麗じゃない??」
菜穂はそう言いながら自分の手元を指さした。
康太は「お前こういう謎能力無駄に高いよなあ」と苦笑。
「俺ビニール取ってくるわ」
康太はそう言って立ち上がった。
「あ、じゃ2枚持ってきて~」と菜穂。
「はーい」と言って康太は校舎の方へ歩いて行った。
菜穂は「あづい.....」と呟きながらもどんどん草を毟り、雑草の山ができていた。
すると「何してんすか」と声が聞こえ、菜穂が振り返ると楓がいた。
「見りゃ分かるでしょ、草むしり。てか逆に何でこんなとこいんの??」
菜穂はそう言って手に持っていた雑草を楓に見せた。
「移動教室で外見たらなんか畑にマヌケな人見えたんで来てあげました」
楓はそう言ってしゃがんで雑草の山を見た。
「冷やかしならどっか行って~~。もう暑くて楓の世話してる気力もないわ...」
「怪力おばけなのに?草むしりもお手の物ですね。似合ってますよ」
「一気にからかうな...!」
菜穂はそう言いながら今抜いた草の根を見てニヤニヤと笑い、「楓、見て」と立ち上がって楓の顔の前へ。
「うわっ、最低」と楓はのけぞり、バランスを崩して尻もちをついた。
雑草にはミミズがくっついていた。
「ふははバーカバーカ~~~」と菜穂。
「顔に土つけて何がバカだよ...」
楓はそう言いながら体を起こした。菜穂は「え、どこ?」と軍手で頬を拭った。
楓はクスっと笑い、指で菜穂の鼻についた土を拭った。
「うっわ、きったな」
楓は指についた土を見てから菜穂の顔を見て笑った。
「いや私の顔見て笑うなっ!」
菜穂が楓を睨むと、楓は「土が似合いますね。幼稚園生みたい」と笑った。
「オイコラ。あ、ねえ今日楓もバイトだよねー?」と菜穂。
「はい」
「棚卸教えないからなっ」
「職務放棄ですね。店長に言っておきます」
「あ、ごめんて!!!」
「じゃあ俺、どろんこの人に構ってたら授業遅れて菜穂先輩みたいにバカになるんでそろそろ行きますね。んじゃバイトで」
楓はそう言うとくるりと振り返り、校舎の方へ歩いて行った。
そんな二人を、光は校舎の窓から見ていた。




